ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語86「ちいチャンの町」

2013年11月29日 20時11分41秒 | 日記

ちいチャンの住む海辺の町は、とてものどかです。
そこに住む、おじさんやおばさん、おじいちゃんやおばあちゃん、
子供たちは、明るいです。
こまかい事は、あまり気にもせず、カラカラっと笑い飛ばしてしまいます。
毎日のように、ちいチャンの家へ、近所の人がお茶を飲みに来ます。
おばあちゃんも、近所の家にお茶を飲みに行きます。
そんな時、鍵などかけず、玄関は開けたままです。
縁側も、開けたままです。
時々、玄関に野菜が置いてあります。
台所に、ボールに入った魚が置いてあります。
海の見える、のんびりのどかな町です。
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ちいチャン物語 Back number35「バカの3杯汁」

2013年11月29日 20時08分54秒 | 日記

お祝い事や、ご先祖様の命日になると、おばあちゃんは「くずかけ汁」を
作ります。
里芋、人参、糸こんにゃく、タケノコ、油揚げ、椎茸、豆麩、豆腐などが
入った醤油味のあんかけ汁です。
たいていは、このくずかけ汁の時には、お赤飯や炊き込みご飯が付きます。
そして、仏壇には、小さなお膳が供えられます。
ちいチャンは、このくずかけ汁が大好きです。
ちいちゃんは、毎朝、台所のトントントンというまな板の音で目を覚ましま
す。
台所から、くずかけ汁の匂いがすると、
(今日は、くずかけ汁だ!)
と、布団の中で嬉しくなります。
元気に飛び起きて、台所をのぞきに行きます。
おばあちゃんは、いつもより大きな鍋で、くずかけ汁を作っています。
そして、
「今日は、ご先祖様の当たり日だからね。」
と、言いました。
朝ご飯を食べながら、ちいチャンは、くずかけ汁をおかわりします。
そして、また、
「おかわり!」
と、お椀を出すと、おばあちゃんが、
「ちいチャン、汁を3杯食べるのは、“バカの3杯汁”って昔から言うんだ
よ。」
と、言いました。
ちいチャンは、しょんぼりとお椀をもとに戻すと、
「いいから、いいから、食べたい時は食べなさい。」
と、おばあちゃんは笑いながら、3杯目のくずかけ汁をお椀によそってくれ
ました。
でも、ちいチャンは、少し恥ずかしかったので、その後は3杯目のおかわり
はしない事にしよう、と心の中で決めました。
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ちいチャン物語 Back number34「漁師さんの魚」

2013年11月29日 20時04分14秒 | 日記

朝の明けきらない暗い時間に、漁師さん達は沖へ向かって船を走らせます。
そうして捕った魚を桟橋で、町の人達に売ってくれます。
おばあちゃんは、漁師さんの船が帰って来る時間を見計らって、ボールとザルを持ち、
エプロンのポケットには財布を入れて、いそいそと桟橋に出かけます。
ちいチャンが起きる頃には、おばあちゃんは台所で魚と格闘をしています。
漁師さんが捕って来たばかりの魚は元気がよくて、まな板の上で、ピチピチと跳ねて
、さばくのが大変です。
時々、おばあちゃは指をケガします。
魚は、お刺身になったり、アラ汁になったり、煮魚になったり。
ちいチャンの家では、朝の新鮮な内に刺身にして、朝食に刺身が出ます。
ちいチャンは、
(お刺身おいしいけど、卵焼きとふりかけの朝ご飯がいいなぁ。)
と、思います。
夕食は、魚づくしです。
刺身、焼き魚、アラ汁、見渡すと魚以外のものはタクアンだけだったりする事があり
ます。
そして、おばあちゃんの作るカレーは、魚のカレーです。
目の前の海で漁師さんが捕った、とても贅沢な食事だったという事を知るのは、ちい
チャンが大きくなってからの事でした。
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ちいチャン物語 Back number33「雷は芸術」

2013年11月28日 19時24分32秒 | 日記

おじいちゃんは、雷が嫌いです。
おじいちゃんは、雷が恐いてす。
ゴロゴロゴロ!ドドーン!
雷の音が聞こえると、おじいちゃんは動かなくなります。
部屋の真ん中に座って、じいーっとして身動きひとつしなくなります。
おばあちゃんは、ちいチャンの耳元で、小声で言います。
「おじいちゃんはね、雷が恐いんだよ。」
そう言って、軽く目配せをして小さく笑いました。
ちいチャンは、雷がめずらしく、空から落ちる光をキレイだと思います。
ピカッ!っと光る紫や白の蛍光線、そしてその後に続く太鼓のような音。
音と光の芸術だ!と、ちいチャンは思います。
雷は、いつ光るのかわからないので、最初にピカッ!っと光ったら、ちいチャ
ンは窓に駆け寄り外を見ます。
ちょっとビクビク、ちょっとそわそわ、ちょっとドキドキ。
「わあ....。」
(キャー!)
雷を、音と光の芸術だと思っているちいチャン!
手で目かくしをしてしまうのは、なぜでしょうね。
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ちいチャン物語 Back number32「クモの巣の虫取り網」

2013年11月27日 19時27分07秒 | 日記

ちいチャンの町の雑貨屋さんには、夏になると虫かごや虫取り網が店頭に並び
ます。
でも、男の子たちが虫取りに使う網は、手作りだったりします。
針金で、丸い輪っかを作り、竹の棒の先に差し込みます。
そうしたら、軒下や縁の下に、蜘蛛の巣がないか探します。
時には、電信柱と屋根の間などに、大きい蜘蛛の巣があったりします。
その蜘蛛の巣を、丸い輪っかに引っかけて取ります。
上手く行くと丸い輪っかに、蜘蛛の巣がキレイに貼り付きます。
失敗したら、次の蜘蛛の巣を探し、貼り付けます。
そうして出来た虫取り網で、男の子たちは、トンボやセミを取りに行きます。
蜘蛛の巣が昆虫の羽に付くと、昆虫は飛べなくなるようで、そのまま落下しま
す。
ちいチャンは、男の子たちの虫取りを見ていて、落ちたトンボにさわってみま
したが、羽が蜘蛛の巣でベタベタしていました。
きれいな羽は蜘蛛の巣で汚れ、
(かわいそうだなぁ....。)
と、思いました。
男の子たちは、羽に付いた蜘蛛の巣を手で軽く拭いて、虫取りかごにトンボを
入れました。
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ちいチャン物語 Back number31「おばあちゃんの教え」

2013年11月26日 19時58分24秒 | 日記

おじいちゃんもおばあちゃんも、爪を切る時には、日差しの明るい縁側で、
新聞紙を広げて切ります。
大きなレンズの老眼鏡をかけて、ダルマバサミというハサミを使って切りま
す。
ダルマバサミは、お裁縫の握りバサミの親分みたいな大きさです。
おじいちゃんとおばあちゃんの爪は、厚みがあって、爪切りでは切れないみ
たいに見えました。
ある夜、
ちいチャンは、爪切りではなくてダルマバサミで爪を切ろうと思い、新聞紙
を用意して、広げようとしました。
すると、おばあちゃんが、
「ちいチャン、夜に爪を切るもんじゃないんだよ。」
と、言います。
「どうして?」
と、ちいチャンは、おばあちゃんに聞きました。
「夜に爪を切るとな、゛親の死に目に会えない゜と、昔から言われているん
だよ。」
と、おばあちゃんは言いました。
ちいチャンは、
(親の死に目には会いたくないけど、会えないのはイヤだ。)
と、思いました。
だから、ダルマばさみと新聞紙は、もとに戻しておきました。
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ちいチャン物語 Back number30(輪まわし)自転車のタイヤ

2013年11月25日 19時43分33秒 | 日記

すり切れて古くなった自転車のタイヤは、子供たちの遊びの道具です。
まずは、タイヤで遊ぶ道具を作ります。
手に握れるほどの太さの竹に、ナタで縦に切り込みを入れ、タイヤの太さ
より少し長めの小さい竹をはさみ込みます。
アルファベットのYの字に、横線が入ったような形になります。
そうしたら、切り込みが広がらないように、根本をビニールテープでクル
クルっと巻いて止めます。
道具は、これで出来上がりです。長さは1メートル位です。
自転車のタイヤを立てて、地面近くに斜めに棒を差し込み、コロコロと転
がします。
これは、なかなか難しく、タイヤは真っ直ぐには転がってくれません。
本体から外されたタイヤは、中が空洞なので、右に左に蛇カーブして、倒れ
てしまったりします。
ちいチャンの海辺の町は、車があまり通らず、防波堤にそって道路も真っ
直ぐでなの、子供たちは道路で、このタイヤ転がしを競います。
地面に線を引き、よ~いどん!で走りはじめ、道路に置いた目印の空き缶
をぐるっとまわって、Uターンをして折り返し、もとの場所に早くたどり着
いた子が勝ちです。
ちいチャンは、すり切れた自転車のタイヤを持っていないので、この遊び
はいつも見ているだけでした。
ちいチャンは、ちょっとだけ貸してもらった事がありましたが、転がす前
にタイヤは倒れてしまいます。
うまくタイヤが立って転がっても、タイヤだけが先に行ってしまい、ちい
チャンは竹の棒を持って追いかける事になります。
この遊びは、ほとんどが男の子で、タイヤを自由自在にあやつります。
男の子たちは、まるで曲芸師のようです。
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ちいチャン物語85英語バージョン『空を飛ぶ白い鳥』

2013年11月24日 18時43分10秒 | 日記

 

There are flying white birds in the sky.

The weather is very good.

Chii and grandma are walking on the sandy beach.

The sky is dazzling blue and there are white scattering clouds.

The clouds stays still as if they forgot moving.

There are a lot of white birds in the sky.

They cry “Miu! Miu!”

“There are a lot of the gulls(Umineko)” says the grandma.

“The gull(Umineko)?”asked Chii.

“Look! A lot of them are frying”answers the grandma.

“Grandma! they are birds. they are not cats.”

And grandma is smiling and teachs her.

“Their voice sounds like cat voice, so the birds a recalled gull(Umineko)”she said.

And she sits sown on the steps and looks at the sea.

The sky and the sea meet together and the boundary draws a line.

If you fold the two from the line, they fit perfectly.

Yet there’s a slight difference between the blue of the two.

Chii sits near the grandma.

“Grandma! Cat is crying Nyann”

Chii wonders.

She is looking at a lot of white birds.

 

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ちいチャン物語84「血だらけのプロレスラー」

2013年11月23日 19時43分27秒 | 日記

どこの家にも、カラーテレビが無かった頃、
おばあちゃんは、カラーテレビが欲しいでした。
おじいちゃんは、カラーテレビはいらないと思っています。
おじいちゃんが見るテレビの番組は、
ニュース、相撲、野球、国会討論会、のど自慢です。
テレビに色が付いていなくても、大丈夫なのでした。
カラーテレビの本体を、おじいちゃんが見れば、
楽しさがわかるのではないかと、おばあちゃんは思いました。
何日かたって、
電気屋さんが、ちいチャンの家にカラーテレビを持って来ました。
お試し用に、数日間そのテレビを貸してくれるのだそうです。
カラーテレビは、茶の間の隣の部屋に置かれました。
障子を開けていれば、どちらの部屋からも画面が見えます。
おじいちゃんは、やっぱりあんまり関心がありません。
茶の間でニュースを見ています。
おばあちゃんは、カラーテレビで色の付いた画面が見たいので、
おじいちゃんとは別に、カラーテレビの電源を入れました。
そして、
おばあちゃんの見た番組は、プロレスでした。
ちいチャンが、ふっと見たカラーテレビの画面には、真っ赤な血だ
らけのプロレスラーが映っていました。
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ちいチャン物語 Back number29「下駄のお天気占い」

2013年11月22日 17時30分26秒 | 日記

ちいチャンは、下駄でお天気占いをして遊びをします。
ちいチャンは、履いている下駄をぽーん!と、空に向かって投げ飛ばします。
下駄が、ひっくり返って落ちたら「雨」、横向きに落ちたら「曇り」、履いて
いた通りに落ちたら「晴れ」です。
明日、晴れて欲しい時に、ひっくり返って落ちたら「雨」なので、もう一度や
り直して、「晴れ」が出るまで続けます。
たまには、何度やっても「晴れ」が出ない時があります。
そんな時、ちいチャンは、裏返しの下駄を表向きに直して、
(晴れ!)
にします。
お天気占いの、元気なちいチャンの声が響きます。
「あーした天気に、なーあーれ!!!」
ちいチャンのお天気占いに、「雪」が無いことに、ちいチャンは気が付いてい
ません。
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ちいチャン物語 Back number28「砂浜の忍者石」

2013年11月21日 18時52分52秒 | 日記

海岸の砂浜には、たくさんの小石が落ちています。
小石は、丸くて平です。
ほとんどの小石は、波で角が削られ丸くなっています。
ちいチャンは、この平な丸い石で、石投げをして遊びます。
人差し指、中指、親指の3本で小石を平に持ち、脇の下から真っ直ぐに海に向けて、
波の上をすべらせます。
石は、水面上でバウンドをして、次の水面へ向かいます。
そして、またそこでバウンドをして、次の水面へ跳びます。
上手くできると、小石は、3段4段と水面上を飛び跳ねます。
最初の頃は、石投げが上手くいかずに、ちいチャンの投げた石は、ポチャン!と海の中
に落ちていました。
ちいチャンは、小石をたくさん集めて足元に置き、いっぱいいっぱい練習をしました。
ちょっと、野球の投手の投げ方に似ているような気がします。
石は、ポチャン!と落ちてる段階から、1バウンドするようになり、2バウンド、3バ
ウンドと出来るようになりました。
すご~く上手く行く時は、石がビョンビョンビョンビョンビョン!と波の上を忍者のよ
うに、飛び跳ねて行きます。
昼間は波がまぶしく、石の着地地点がよく見えません。
夕方の空が赤く染まる頃になると、砂浜には点々と、石投げをする子供たちの固まりが
出来てきます。
その中に、大きいお兄さんもいて、大きいお兄さんの投げ方は、子供たちの憧れでした。
大きいお兄さんの持つ石は大きく、石のバウンドする長さも長く、バウンドする数も多
く、ずうっと遠くまで、石が跳んで行くからです。
子供たちは、大きいお兄さんの足元に、小石を小さな山にして集め、大きいお兄さんが
投げるのを、キラキラした瞳で見つめていました。
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ちいチャン物語 Back number27「お風呂の名前(五右衛門風呂)」

2013年11月20日 18時26分29秒 | 日記

ちいチャンの家のお風呂は、薪(まき)で沸かします。
お風呂は、変な形をしています。
ご飯を炊く時の鉄の釜のような形をしていて、蓋(ふた)は半月の木の板が2枚
です。
蓋を開けるとお湯の上に、まあるい平な木がプカプカと浮かんでいます。
これは足を乗せる為の、底の板です。
この板を、静かにお湯の中に沈めて行くと、丁度いい深さの所でカシッ!とハマ
ります。
お風呂は釜の形なので、底は丸くなっています。
だから、この浮かんでる木を床にして、湯船につかります。
板は、底まで行くと、しっかりとハマるようで、1度沈めてしまえば大丈夫てす。
でも、ちいチャンがやると、板が斜めにハマったり、板を踏み外して底に足が着いて
しまったり、板が飛び上がって湯船からジャンプしたりして、少し危ないです。
この釜のようなお風呂の隣には、小さい釜のお風呂が付いていて、そこには水が入
っています。
お湯がちょっと熱い時に、ここから水を汲んで湯船に入れたりします。
おばあちゃんは、背中にタオルを当てて湯船に入ります。
このお風呂は金属なので、直接触れると少し熱いです。
でも、火傷をする程の熱さでもなく、少し不思議なお風呂です。
このお風呂の名前は、「五右衛門風呂」というのだそうで、ちいチャンの町で「五
右衛門風呂」は、ちいチャンの家だけでした。
ちいチャンは、そろ~りそろ~り入る、この「五右衛門風呂」より、ざぶん!と入
れるお風呂がいいな、と、思います。
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ちいチャン物語Bback number26「夏の訪問者」

2013年11月20日 18時22分53秒 | 日記

ある夏の日、
ちいチャンの家の中に、巨大な黒いトンボが入って来ました。
トンボは、開け放した縁側の、一番奥の部屋からスイ~~~~~~っと飛んで
来て、ちいチャンの目の前をまっすぐに通り過ぎ、どこにもぶつからずに、ま
たスイ~~~~~っと玄関から出て行きました。
あまりに巨大なので、ちいチャンは、思わず逃げそうになりました。
至近距離10センチ。
玄関から出て行った時は、
(あ~、良かった~、恐かった!)
と、思いました。
後になって、それは、「オニヤンマトンボ」というのだとわかりました。
男の子たちが、とても欲しがっているトンボのようでした。
それから、また別の日の夜、
ちいチャンが外にあるトイレに行こうとすると、門の外灯の灯りに誘われて、
大きな虫が、羽音をさせて飛んでいる時があります。
それはカブトムシだったり、クワガタムシだったり。
カブトムシは、門にぶつかって下に落ち、仰向けになって手足を、モジャモジ
ャと動かして、起き上がれないでいたりします。
ちいチャンは、おばあちゃんを呼びに行きます。
「おばあちゃーん!変な虫が落ちてるよー!」
おばあちゃんは、カブトムシをつまむと、庭の木の枝につかまらせてあげました。
翌朝、ちいチャンが庭の木を見ると、カブトムシはいなくなっていました。
(山に帰ったんだな~。良かったな~。)
ちいチャンは、家の裏の山を見上げました。
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ちいチャン物語 back number25「輪ゴムの音」

2013年11月18日 21時28分39秒 | 日記

輪ゴムは、ちいチャンの楽器です。
輪ゴムを1本歯にくわえ、指で引っ張って伸ばします。
そして、空いている片方の指で輪ゴムをはじきます。
ビョョン!ビョョン!ビョョン!
輪ゴムが歌います。
引っ張ったり、縮めたり、指ではじく場所を変えたりすると、音が変わる
ので、ちいチャンは
(面白い!)
と、思います。
唇を閉じると、きれいな音が出ずに、ブルルンブルルンとこもった感じに
なって、唇もしびれます。
だから、ちいチャンは、唇をイーッ!という形にします。
そうすると、音もきれいに響きます。
時々、ちいチャンは、布団にもぐってこれをやります。
布団の中は真っ暗で、音もきれいに聞こえます。
でも、布団の中は暑くて、長くはもぐっていられません。
ちいチャンは、出たり、入ったり。
布団の会場で、輪ゴムの演奏を続けます。
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ちいチャン物語 Back number24「クルミの木の実」

2013年11月17日 18時55分30秒 | 日記

川沿いの道を、山に向かって歩くと、大きなクルミの木があります。
見上げると、クルミの実がたくさん付いています。
ちいチャンは、
(クルミを取りたいなぁ。)
と、思いますが、手が届きません。
そこで、ちいチャンは、木の下に実が落ちていないか探します。
たいてい、実のなる木の下には、雨や風で落ちた実が落ちているのです。
木の下を、ぐるぐる歩くと、落ちていました!クルミの実!
クルミは、木に付いている時は緑色で、下に落ちると茶色くなります。
でも、クルミは、表面の皮が茶色くなって腐れた時が、丁度いい食べ頃です。
茶色くなって、腐れた皮の中には、固いクルミの衣があって、それを、かなづちや
大きな石でたたき、割ると中からしぶ皮に包まれた、クルミの実が出てきます。
落ちているクルミは、表面の茶色い皮をとってタワシで洗い、カラカラに乾くまで
干しておきます。
洗った後のクルミは、
(梅干しの種を大きくしたみたいな形だなぁ。)
と、ちいチャンは思います。
乾いたクルミは、庭の石の上で、かなづちでカンカン!と、たたきます。
クルミは、案外固くて、1度たたいただけでは割れません。
きれいに、2つに割れると、大きな実が取り出せます。
バラバラに砕けて割れると、中の実もバラバラになってしまいます。
ちいチャンは、木の下のクルミを、両手に持てるだけ拾って帰ります。
クルミを洗って干し終わったら、ちいチャンの手は、指の先から爪の中、手のひら全
体まで、茶色くなっていました。
これは、お風呂に入ったり、顔を洗ったりしている内に、自然と取れていきました。
近所の大きいお兄さんは、クルミふたつを片手に持って、手の中でこすり合わせ、キ
ュルキュルと音をさせています。
ちいチャンは、つまようじで、ほじりほじりクルミを食べます。
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