ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

Play back ちいチャン物語(238)初めての料理

2017年09月30日 19時03分28秒 | 日記

小学生の頃、

おばあちゃんは、ちいチャンに、

料理を教え始めました。

料理といっても、味付けは、おばあちゃんです。

だから、最初に教えてくれたのは、

包丁の持ち方と、材料の切り方です。

玉ねぎの皮のむき方と切り方。

大根、人参、ゴボウの皮のむき方と切り方。

包丁は大きくて、恐いです。

最初は、じゃがいものような、

切りやすいものを切らせてくれました。

次は、リンゴの皮のむき方とシンの取り方です。

そして、慣れて来た頃、

大根の千切りを教えてくれました。

大根の千切りは、

大根を輪切りにしてから、千切りにするのです。

5ミリぐらいの幅の輪切りにするのは、とても難しいです。

上が薄くて、下が厚くなったり、

シュパッ!と、切れて輪にならなかったり。

そして千切りは、太くなったり細くなったり。

角材の様な千切りが出来上がります。

大きさがバラバラの千切りだけど、

おばあちゃんは、ニコニコしながら、

お味噌汁を作ってくれました。

 

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Play back ちいチャン物語(237)ガキ大将のシン君

2017年09月28日 19時12分40秒 | 日記

ガキ大将のシン君は、

運動会のエースです。

毎年、リレーの最後を走ります。

シン君が走ると、歓声が沸き起こります。

シン君は、ビリでバトンを受け取っても、

風のように走り、

一人、二人、三人、四人と追い抜いて、

いつもトップでゴールをします。

そして、もし、

シン君が、1番でバトンを受け取っても、

やっぱり風のように走り、

2位との距離を、ぐんぐんと広げて行きます。

円の半周ほども引き離し、テープを切ります。

でも、

ちいチャンは、

シン君がエースには見えません。

シン君は、

ちいチャンが、シン君を知らないのに、

突然、目の前に現れて、

ピシャリ!と頬を殴った事があるからです。

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Play back ちいチャン物語(236)おばあちゃんの料理は

2017年09月27日 18時31分56秒 | 日記

ちいチャンは、

料理には名前が付いている、ということを知りません。

おばあちゃんの料理は、

焼き魚、煮魚、刺身、

煮物、

揚げ物、天ぷら、

炒め物、

おひたしです。

世間では、「肉じゃが」というものが、

料理の中で人気があるらしいのですが、

ちいチャンは、「肉じゃが」という料理を知りません。

おばあちゃんは、

野菜を煮た物は全部、「煮物」と言います。

そして、

油で揚げたものは全部、「揚げ物」と言います。

だから、

肉じゃが???

筑前煮????

豚カツ????

唐揚げ????

は、どんな不思議な食べ物なのだろうと、

頭の中には、疑問符がぐるぐる回ります。

ある時、

初めて「肉じゃが」を見た時に、

ちいチャンは、

(あれ?ただの煮もの?)

と、少しガッカリしました。

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Play back ちいチャン物語(235)ある季節・その4

2017年09月26日 19時52分00秒 | 日記

ある季節、学校の帰り道、

ふと気が付くと、山の道端に、

ネコヤナギが、芽吹いています。

ネコの毛のようなネコヤナギは、フサフサしています。

ちいチャンは、ネコヤナギの前で立ち止まり、

いい子、いい子、と撫でています。

ネコヤナギは、胸がほわっとします。

 

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Play back ちいチャン物語(234)ある季節・その3

2017年09月24日 19時27分43秒 | 日記

ある季節、学校の帰り道、

白い虫が、ふわふわふわと、飛んでいます。

お尻に綿をくっつけて、ふわふわふわと、飛んでいます。

そろそろ季節も寒くなったね、と知らせる雪虫です。

ちいチャンは、

「は~!」

と、息を白く吐いてみます。

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Play back ちいチャン物語(233)ある季節・その2

2017年09月23日 19時46分12秒 | 日記

ある季節、学校の帰り道、

山べりに、大きな白いユリが咲いています。

おばあちゃんは、ユリが大好きなので、

だから、

ちいチャンは、山べりをチョット登って、

よいしょ!と取って、ユリを片手に帰ります。

 

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Play back ちいチャン物語(232)ある季節・その1

2017年09月20日 19時59分00秒 | 日記

ある季節、学校の帰り道、

小さい虫の集団が、空中で、うにゃうにゃうにゃと、飛んでいます。

虫の集団は、同じ所で固まって、パーティーを開いているようです。

だから、

ちいチャンが歩いて近づいても、よけてくれません。

だから、

ちいチャンは、遠巻きにして帰ります。

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Play back ちいチャン物語(231)仏壇のチョコレート

2017年09月19日 18時52分30秒 | 日記

お盆の頃、

ちいチャンの家には、毎年何処からか、

丸い大きな缶に入った、チョコレートが届きます。

缶のチョコレートが届くと、おばあちゃんは、

仏壇に、一年間お供えをしておいた、

古い缶のチョコレートと入れ替えます。

そして、ちいチャンに、おやつとして、

古い缶のチョコレートをくれます。

ちいチャンは、チョコレートが大好きです。

でも、

仏壇に、一年間供えてあったチョコレートは、

包みを開けると、白くなっていて、

なんだか少し、変な味がします。

おばあちゃんは、

「仏様が食べたから。」

だと、言います。

仏壇のチョコレートは、

毎年、同じ味がします。

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Play back ちいチャン物語(230)おばあちゃんの手の色

2017年09月18日 20時28分55秒 | 日記

おばあちゃんの手は、

ウニをさばくと、紫色になり、

梅干しを漬けると、赤くなり、

たくあんを漬けると、黄色くなり、

ゴボウを料理すると、黒くなる。

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Play back ちいチャン物語(229)ウニ

2017年09月15日 19時35分38秒 | 日記

夏、

近所の人が、海で取れたウニを持って来ます。

大きいボールに、こんもりと山盛りのウニです。

ウニは、ボールの中でウニウニと動いています。

おばあちゃんは、手に軍手をはめると、

ウニをさばき始めました。

殻を半分に切り、汚れを洗い落とします。

そして、

スプーンでオレンジ色のウニをすくって、

他のボールに、ぽとんぽとんと入れて行きます。

おばあちゃんは、ウニさばきが、とても上手です。

手にはめている軍手は、

みるみる紫に染まって行きます。

ちいチャンは、

ウニの、ウニウニ動く様子が面白くて、

ずうっと、おばあちゃんの側で見ています。

ウニさばきが終わった時、

おばあちゃんは、軍手をしていたのに、

軍手を外した手は、赤紫色に染まっていました。

この日の夕食は、ウニです。

食卓に、小鉢に入った大盛りのウニが出ます。

おじいちゃんは、ウニをスプーンですくってご飯に乗せ、

美味しそうに食べています。

ちいチャンは、ウニは余り好きではありません。

時々、一度に何件かの家からか、ウニをもらう時があります。

そんな時、おばあちゃんは、

ウニの塩漬けを作ったり、

アワビの殻に乗せて焼いたり、

卵焼きにしたりします。

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Play back ちいチャン物語(228)カブトムシ

2017年09月13日 18時35分02秒 | 日記

ちいチャンの家では、

夏になると、

カブトムシが、門の外灯の周りを、

ブィ~ン、ブイ~ンと、羽を羽ばたかせて飛んでいます。

元気過ぎて何かにぶつかって、

外灯の下で、ひっくり返って、

手足をモジャモジャと、動かしているカブトムシもいます。

モジャモジャしているカブトムシは、

なかなか起き上がれない、と、もがいているみたいです。

でも、チョットのきっかけで、手足が地面に触れると、

コロン、と上手く起き上がります。

ちいチャンの町は、

家々の後をぐるりと山が囲んでいます。

大自然から飛んで来るカブトムシは、元気です。

自由に飛んで、

ドジって、ぶつかって、

モジャモジャして、起き上がって、

朝には山へ帰って行きます。

だから、

街のデパートで、

四角いカゴに入れられて、

動きの鈍いカブトムシを見た時、

ちいチャンは、

カゴから出して、逃がしてあげたくなりました。

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Play back ちいチャン物語(227)織姫と彦星は

2017年09月12日 19時22分04秒 | 日記

七夕の日に、織姫と彦星が、1年に一度会える日、

という話を聞いて、

ちいチャンは、七夕には夜空で、

(織姫と彦星が会うのが見られる!)

と、思いました。

ちいチャンの頭の中では、

夜空はスクリーンになっていて、

映画の様に、織姫と彦星が一年ぶりに会うのが見られる、

という想像です。

でも、七夕の日に、じっと夜空を見つめても、

空は空、星は星で、他には何も映してはくれませんでした。

織姫と彦星は、どこで会っているのかしら、

と、不思議に思うちいチャンです。

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Play back ちいチャン物語(226)アイスボンボン水風船

2017年09月11日 20時03分44秒 | 日記

ちいチャンは、アイスボンボンを、

すこ~しづつ絞り出しながら、食べます。

手に持って食べていると、すこしづつ溶けて来て、

ふにゃふにゃになって来ます。

ちびっ、ちびっ、と食べていると、

ちびっ、ちびっ、とアイスボンボンは小さくなります。

そして最後には、

指先ぐらいの大きさの、しぼんだ風船になります。

ちいチャンは、これを、

水道の蛇口にくっ付けて、水を入れ、

ぷう~と、膨らませます。

食べる前の、アイスボンボンの大きさまで水が入ったら、

水道から取り外して、水がこぼれない様に、キュッ!と縛ります。

水の入った風船みたいです。

ぽ~ん、と空に向けて放り投げ、

そして、キャッチ!

水の入ったアイスボンボンは、びよよよよよ~ん、

と、手の中で揺れ動きます。

ぷるんぷるんで、気持ちがいいです。

でも、時々、受け止められずに落としてしまう事があります。

地面に落ちたアイスボンボンは、

ビシャ!と、壊れて水がはじけ飛びます。

跳ね返る水も、冷たくて気持ちがいいです。

男の子たちは、水が飛ぶのが面白くて、

わざと、地面に落として遊びます。

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Play back ちいチャン物語(225)夏のアイス

2017年09月10日 20時11分07秒 | 日記

夏、

アイス売りのオバチャンが、

自転車に乗って、アイスを売りに来ます。

オバチャンは、道路脇に自転車を止め、

カランカランカラン!

と、鐘を鳴らします。

子供たちは、5円や10円を手に持って、

アイスを買いに集まります。

アイスは、棒についているシャリシャリのアイスキャンディ、

風船を、中途半端に膨らませたようなアイスボンボン、

お団子のように、ぽこんぽこんと連なっているアイスボンボン、

そして、カップに入ったアイスが、あります。

おばあちゃんは、

棒に付いてるアイスや、アイスボンボンを、

「アイスキャンデー」

と言います。

そして、カップに入っているアイスを、

「アイスクリーム」

と言います。

カップに入っているアイスクリームは少し高いです。

でも、おじいちゃんは、

カップに入っているアイスクリームが好きです。

だから、おばあちゃんは、おじいちゃん用には、

カップのアイスクリームを買います。

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Play back ちいチャン物語(224)祭りの日に見かけた兵隊さん

2017年09月09日 19時46分32秒 | 日記

ずうーと、ずうーと前の、ある年の夏の日、

ちいチャンは、おばあちゃんに連れられて、

街のお祭りを見に行きました。

街は、祭りの飾りで飾られて、賑やかです。

ちいチャンは、

繁華街に向かうアーケードの両脇に、

見慣れない人たちを見ました。

その人たちは、軍服を着て帽子を被っています。

松葉づえを脇に置き、片足の無い兵隊さん、

片腕の無い兵隊さん、

目に眼帯をして、白い布で腕を吊っている兵隊さん、

頭と腕に、包帯を巻いている兵隊さん、

足元には、缶詰の空き缶のような物を置いています。

立っている人は、アコーディオンを弾いています。

街行く人たちは、余り気にも留めずに通り過ぎて行きます。

時々、誰かが空き缶に、お金を投げ入れています。

ちいチャンは、初めて見る光景に、思わず足が止まります。

すると、おばあちゃんが、ちいチャンに、

10円玉を握らせてくれました。

ちいチャンがおばあちゃんを見上げると、

ちおばあちゃんは、コクンとうなずきました。

それで、ちいチャンは、

足の無い兵隊さんの側に行き、置いてある缶の中へ、

10円玉を入れました。

缶の中には、余りお金は入っていませんでした。

楽しいはずの祭りの日、賑やかな街や商店街の中、

腕や足の無い兵隊さんの姿は、

ちいチヤンの中に、

いつまでもいつまでも残っています。

 

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