ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。


Play back ちいチャン物語(155)海苔のはがし方

2017年05月29日 18時26分16秒 | 日記

海苔は、自然の太陽で乾燥されて、

パリパリに出来上がります。

オバチャンたちは、巻すを台から取りはずします。

そうしたら、次は、巻すから海苔をはがします。

海苔は、巻すを下にして、上の海苔をはがすのではなく、

海苔が巻すの下になるようでした。

そうして、巻すを端からめくり、

海苔を片方の手で押さえて、巻すをはがします。

ちいチャンの町の海苔は、

厚めでしっかりとしていますが、

ていねいにはがさないと、海苔がやぶれてしまうことがあります。

ちいチャンも、一枚だけやらせてもらいました。

でも、巻すから海苔がはがれなくて、

ボロボロになってしまいました。

 

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Play back ちいチャン物語(154)海苔の作り方

2017年05月26日 20時23分48秒 | 日記

ちいチャンは、ある日、

海苔を作っているオバチャンの家に、

海苔の作り方を見に行きました。

見ると、

大きなタルに、海苔が入っていました。

でも、海苔は水でジャブジャフしています。

どうしてかなぁ、と見ていると、

オバちゃんは、

ジャブジャブの海苔をボールで汲み取り、

四角い木枠の中に流し込みました。

四角い木枠の下には、「巻す」がついています。

オバチャンは、水の中で、

木枠を何度も上下に動かしています。

木枠の中で、海苔は小さくゆれて、

下じきのような形になりました。

そうして水から上げて木枠をはずしました。

すると、

「巻す」に、海苔が貼り付いています。

すき間なく、均等に、

一枚の黒い海苔が出来上がりました。

ちいチャンは、

海苔って、手作りの黒い紙みたいだなぁ、

と、思います。

 

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Play back ちいチャン物語(153)道路に海苔が並ぶ

2017年05月24日 19時50分25秒 | 日記

ある時期になると、

ちいチャンの町には、

障子の紙をはがした木の枠だけのような物が、道路に並びます。

その木の枠には、釘がたくさん打たれています。

釘は、先端だけが打ち込まれていて、ピョンと飛び出しています。

これは、海苔を干すための台です。

海苔は、「巻す」に四角く貼り付いています。

「巻す」の両端を、それぞれ釘に通して固定します。

木の枠全部に貼り付けると、

海苔でできた黒い障子のようです。

ちいチャンの町の道路ぎわは、

それぞれの家のブロック塀が、ずう~と続いています。

海苔を貼った台は、ブロック塀に立てかけて干します。

だから、

海苔のとれる時期になると、道路には、

ずう~と長く、海苔の黒い台が並びます。

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Play back ちいチャン物語(152)ふさがれたポケット

2017年05月22日 20時23分13秒 | 日記

ちいチャンは、ズボンや上着のポケットが好きです。

歩く時は、いつもポケットに手を入れています。

でも、おばあちゃんは、

ポケットに手を入れて歩くのは、

「みっともない。」

と、言います。

それで、時々、

「ほらっ!また!ポケットに手を入れて!」

と、ちいチャンは、おばあちゃんに注意をされます。

でも、やっぱり、

ちいチャンは、ポケットに手を入れてしまいます。

ある朝、ちいチャンが着替えをすると、

なんだか少し変な気がします。

ポケットに手を入れようとすると、スルッと手がすべるのです。

(あれっ?変だなぁ。)

不思議に思ったちいチャンは、ポケットを見てみました。

すると、ポケットの口は、全部縫ってふさがれていました。

(おばあちゃん、ポケットを縫ったんだ!)

ちいチャンは、思わず心の中で、

(まいりました。)

と、つぶやきました。

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Play back ちいチャン物語(151)修学旅行で困った事

2017年05月21日 00時19分08秒 | 日記

ちいチャンの髪が伸び、おかっぱ頭ではなくなった頃、

学校へ行く前に、おばあちゃんがちいチャンの髪をとかします。

おばあちゃんは、おばあちゃんなので、

リボンを付けたり、おしゃれなヘアピンを付けたり、

ヘアアレンジをしたりはしません。

毎朝、

ちいチャンの髪を真ん中から右と左にわけ、

きちっ、きちっ、と三つ編みにします。

使うのは、黒いゴムだけです。

そんなある日の事です。

学校で修学旅行がありました。

毎朝、おばあちゃんに髪を編んでもらっているちいチャンに、

チョット困った事が起きました。

みんなは、歯みがき、洗顔、身支度と、テキパキ進めているのに、

ちいチャンは、三つ編みができずに、もたもたもたもた。

一人、みんなから遅れています。

見かねた担任の先生は、

ちいチャンの髪をとかし、三つ編みにしてくれました。

でも、おばあちゃんとは違い、少しゆるゆるです。

先生は、

「三つ編みをしたのは、初めてだ。」

と、言いました。

担任の先生は、男の先生でした。

 

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Play back ちいチャン物語(150)シャツのそで口

2017年05月18日 19時47分07秒 | 日記

ちいチャンのお友達に、みち子ちゃんがいます。

みち子ちゃんは、とても美人さんです。

みち子ちゃんは、いつもステキなお洋服を着ています。

みち子ちゃんのお母さんも、とても美人さんです。

みち子ちゃんは優しくて、男の子たちの天使です。

(お人形さんみたいだな。)

と、ちいチャンは思います。

だけど、

ステキなお洋服の中の、長袖のシャツのそで口が、

黒いです。

(どうしてかなあ。)

と、ちいチャンは思います。

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Play back ちいチャン物語(149)疑惑の切手

2017年05月17日 19時21分13秒 | 日記

ちいチャンは、いつものように、

おじいちゃんに頼まれて、手紙を出しに行きます。

切手はタバコやさんに売っていて、店の前にポストがあります。

その日も、ちいチャンは、

タバコやさんで切手を買って、

切手のノリの部分をペロリと舐めて、封筒に貼りました。

でも、その日は、切手が封筒にくっついてくれません。

どうも、ペロリペロリと舐めすぎて、

切手のノリが取れてしまったようです。

それでも、しかたがないので、ちいチャンは、

ツバで濡らした切手を封筒に付けて、ポストに入れました。

何日かたったある日、

ちいチャンは、おじいちゃんとおばあちゃんに呼ばれました。

大事な手紙が、戻ってきてしまった、

と、おじいちゃんが言います。

おばあちゃんは、

「切手は貼ったのかい?」

と、言います。

「うん、貼った。」

と、ちいチャンは言いました。

おじいちゃんとおばあちゃんは、

それ以上何も聞きません。

でも、ちいチャンは、なんだかとてもイヤな気持ちです。

(切手を貼らずに出したと思ったのかなあ。)

(切手のお金を自分のものにしたと思ったのかなぁ。)

ちいチャンは、何かを疑われているようで、

少し、悲しくなりました。

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Play back ちいチャン物語(148)船に乗ってアサリ採り

2017年05月15日 19時50分49秒 | 日記

ちいチャンの町の、海をはさんだ向かいには、

横に長い島があります。

その右横に、まるで親子のような小さな二つの島があります。

親の後に、子供がくっついているみたいです。

春が近づくまだ寒い頃、

おばあちゃんは、漁師さんの船に乗せてもらい、

親の島へ、アサリを採りに行きます。

ある年のことでした。

おばあちゃんが、ちいチャンに、

一緒にアサリを採りに行こうと言います。

ちいチャンは、漁師さんの船に乗るのは初めてです。

おばあちゃんは、ちいチャンに、

「船に乗っているときは、立っちゃいけないよ。」

と言いました。

船を操縦する漁師さんは、

「船の前の方は波がかかるから、真ん中に乗りなさい。」

と言いました。

島に着くと、みんないっせいにアサリを採り始めます。

この島は、石がアサリではないかと思うほど、

次々とアサリが姿を現します。

おばあちゃんは、大きなバケツに、

カツン、コロン、ガツッ、と、

アサリを入れる手に、休みがありません。

アサリは、砂を掘っていると、ピューと水を吐きます。

まるで居場所を教えているかのようでした。

お昼には、おばあちゃんが握ってくれたおにぎりを食べます。

ふと、おばあちゃんのバケツを見ると、

大きいバケツの半分は、あさりで埋まっていました。

帰りまで、おばあちゃんは、

バケツの八分目ぐらいまで、アサリを採っていました。

バケツを、アサリでいっぱいにしなかったのは、

アサリが呼吸をするための、海の水を入れるためです。

アサリは、船の上でも、

ピュー、ピュー、と元気よく水を吐いていました。

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Play back ちいチャン物語(147)おばあちゃんのかかと

2017年05月13日 17時50分38秒 | 日記

おばあちゃんの足のかかとは、

こちんこちんに固くなってヒビ割れています。

お正月の鏡餅にヒビが入ったような、

そんなかかとをしています。

おばあちゃんは、お風呂に入ると、

石鹸みたいな形の軽石で、

かかとをごしごしこすります。

ちいチャンもマネをして、

かかとを、こしこしやってみました。

すると、かかとは、するんするんになりました。

でも、こすりすぎると、ひりひりします。

おばあちゃんは、お風呂から上がると、

かかとに、何かの油をぬりました。

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Play back ちいチャン物語(146)ほいどさん

2017年05月11日 20時56分29秒 | 日記

ある日、ちいチヤンの家の玄関に、

変なかっこうをした男の人が来ました。

その男の人は、麻袋を切っただけのような服を着て、

縄をベルトにしていました。

そして、

ちいチャンの家の玄関前で、何かをつぶやいています。

それは、

呪文のようでもあり、お経のようでもありました。

おばあちゃんは、部屋の奥に行き、小銭を手に戻ってくると、

その男の人にあげました。

男の人は、

「おありがとうございます。」

と、言いました。

そして、おばあちゃんは台所へ行くと、

何か食べ物を包んで持ってきて、

その男の人にあげました。

男の人は、

「おありがとうございます。」

と、言いました。

その男の人は、「ほいどさん」という人のようでした。

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Play back ちいチャン物語(145)バスの車掌さん その2

2017年05月10日 19時59分41秒 | 日記

ちいチャンの町のバスには、

運転手さんと、車掌さんが乗っています。

車掌さんは、

急な山のカーブでも、ガタガタ揺れるじゃり道でも、

おーとっとっとっ、と揺れながらも、

ずっと、終点まで立っています。

ちいチャンの町のバスは、

車一台分の道の幅を走ります。

初めて乗る人は、具合が悪くなるほど、

多くのカーブがあります。

そして、山の上から下へと道が降りて行くので、

何メートルも先から、対向車が来るのがわかります。

対向車が見えると、

運転手さんはバスを止め、車掌さんはバスから降ります。

そして、

ピピーーッ!ピピーーッ!ピピーーッ!

と、笛を吹き、

バスを道幅の広い所までバックの誘導をします。

笛の吹き方には、決まりがあるようで、

ピピーーッ!と、ながーく吹いている時は、「バックしていいよ。」

ピピピピピッ!と、短く吹くときは、「ストップ!ストップ!」

のようでした。

車一台分の幅の道ですが、所々にくぼみがあって、

うまく車がすれ違えるようになっています。

バスの運転手さんは、毎日走る道なので、

何処で、何処までバックすればいいのかわかっています。

たいていは、バスの方がバックをして対向車を通します。

対向車とバスの運転手さんは、

すれ違いざまに、

「ありがとう。」「ご苦労様。」

と、手で合図をします。

ちいチャンは、この手の合図を、

(かっこいいな。)

と、思います。

 

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Play back ちいチャン物語(144)バスの車掌さん その1

2017年05月09日 19時29分11秒 | 日記

ちいチャンの町のバスには、

運転手さんと車掌さんが乗っています。

車掌さんは、バス停にバスが止まると、

ドアを開けて降りて来て、お客さんを乗せます。

そして、ドアを閉めると、

「はっしゃあオーライ!」

と、大きな声で言います。

車掌さんは、

がま口の形をした黒い大きなカバンを、首からぶらさげています。

バスが、ガタゴト揺れて走る中、

乗り込んで来たお客さんに近づいて、

行き先を聞いて、

切符を切って、渡します。

もちろん、お金と引き換えです。

車掌さんは、手に変なハサミを持っています。

お客さんに切符を渡す時に、そのハサミで穴を開けるのです。

車掌さんの大きなカバンには、

お金と、切符と、穴あけハサミが入っているようでした。

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Play back ちいチャン物語(143)チヨちゃんの好きな人

2017年05月07日 19時53分07秒 | 日記

ちいチャンの友達のチヨちゃんは、

テレビに出ている男の俳優さんが好きです。

チヨちゃんは、

ちいチャンのおじいちゃんが見ているテレビの、ちゃんばらが好きです。

チヨちゃんの好きな俳優さんは、

ちょんまげをして、着物を着て、刀を腰にさしています。

ちいチャンは、おじいちゃんと一緒にテレビを見ているので、

その男の俳優さんを知っていました。

でも、

その俳優さんは、

なんだか、とっても、

チヨちゃんのお父さんに似ているなぁ、

と、ちいチャンは思います。

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Play back ちいチャン物語(142)庭の池

2017年05月06日 19時21分02秒 | 日記

ちいチャンの家の庭には、池があります。

赤い金魚と黒い金魚が泳いでいます。

水面には、

カエルの座布団のような、葉っぱが浮かんでいます。

葉っぱには、ふわっと広がる白い花が咲いています。

時々、おばあちゃんは、池の掃除をします。

大きなタライを二つ用意して、

ひとつのタライには、池の花と葉っぱを、

もうひとつのタライには、網ですくった金魚を入れます。

そうして、池の水を止めている栓を抜きます。

池の水は、外の溝に流れて行きます。

池に水がなくなると、

おばあちゃんは、タワシに棒がついているようなもので、

ゴシゴシゴシゴシ洗います。

池の底は、コンクリートのような固いものでできていました。

そして、まわりは、

ゴツゴツとした岩や石で取り囲まれていました。

おばあちゃんは汗かきなので、汗がびっしょりです。

きれいになった池には、きれいな水が張られました。

金魚が放され、葉っぱと花も浮かべられました。

透き通った水からは、金魚がとてもよく見えます。

一年に、何度か洗うその池も、

おばあちゃんが、ひとつ年をとるごとに、

池には花が咲かなくなり、

池には葉っぱがなくなり、

そして、金魚もいなくなってしまいました。

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Play back ちいチャン物語(141)かわいく切ってください

2017年05月04日 19時06分38秒 | 日記

ちいチャンは、

おじいちゃんと同じ床屋さんで、髪を切ってもらいます。

いつものように、床屋さんに行くと、

床屋さんのおじさんが、ちいチャンに聞きます。

「今日は、どんな風にしようか。」

ちいチャンは、

「かわいく切ってください。」

と、答えます。

床屋さんのおじさんは、にっこり微笑むと、

「かわいく、だね。」

と、言いました。

ちいチャンは、テレビに出ている女の子のように、

かわいくなるかもしれないと、ウキウキしています。

でも、

できあがったのは、いつものおかっぱ頭でした。

前髪がまっすぐ真一文字。

横の髪は、耳の下から後にまっすぐに切ってあります。

床屋さんのおじさんは、

「かわいくなったね。」

と、言います。

でも、

(いつもとおんなじ。)

と、ちいチャンは思います。

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