ちいチャンの家の外には、なが~い竹が置いてありす。
その竹は、縁側の下にまとめて置いてあって、おばあちゃんが洗濯物を干す時に
使うのです。
ちいチャンの家には、物干し台はありましたが、角ハンガーの様なものは無く、
洗濯物ひとつひとつを、竿(さお)に干すので、竿が足りなくなります。
時には、シーツを何枚も洗ったり、カーテンを洗ったり。
そこで、おばあちゃんは、家の庭にある松の木に、竹をかけて竿にして、洗濯物
を干します。
松の木は、庭に3本ありました。
かなり年数が経った松のようで、太くしっかりしています。
おばあちゃんは、手前の松の木から向かい側の松の木に、竹竿をかけます。
たいていは、1本の竹竿をかければ大丈夫です。
でも、雨の日が続いて洗濯物が多くなった時は、竹竿は2本、3本と、松の木に
かけられます。
松と松の間は、距離があって、竹竿の長さもかなり長いです。
だから、竹竿をかける時も取り外す時も、大変です。
一気に上から下へと取り外せないので、竹竿の片方を松の木から抜いて、下に下
し、それから竹竿のもう片方を取り外します。
かける時も同じです。
おばあちゃんは、時々、竹竿に布団を干します。
それで、竹竿は、使っている内に、弓のように曲がってしまいます。
最初の内は、曲がった方を上にして真っ直ぐに戻そうと、洗濯物を干しますが、
だんだん曲がるカーブが大きくなると、曲がった面を上にしても、クルン!と元
に戻ってしまいます。
そして、竹もだんだん黄色っぽくなり、ひびが入って来ます。
そうなってくると、手をケガしたりして危ないので、新しい竹に取り換えます。
ちいチャンの家は海辺の近くですが、家の後は山になっていて、竹林があります。
おばあちゃんは、近所の大工さんに頼んで、竹を切って来てもらいます。
古い竹竿と新しい竹竿の入れ変えは、ちいチャンは見た事がありません。
(古い竹竿は、どこに行ったのかなぁ。)
と、新しい竹竿を見るたびに、ちいチャンは思います。