砂浜から、はるか遠くを見上げると、
遠い山のてっぺんに、
ポツンと、建物がありました。
この建物は、半島の、ずうっと端の方なので、
ちいチャンは、行った事がありません。
建物には、エントツが付いています。
そのエントツから、
時々、煙が立ち昇ることがあります。
ちいチャンは、おばあちゃんに、
「あれ、なぁに?」
と、聞くと、
おばあちゃんは、
あそこは火葬場なのだと言いました。
そして、
立ち昇る遠くの煙を見つめながら、
「誰か死んだんだなぁ。」
と、ささやくようにつぶやきました。