ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語224「祭りの日に見かけた兵隊さん」

2022年12月30日 21時14分39秒 | 日記
ずうーと、ずうーと前の、ある年の夏の日、
ちいチャンは、おばあちゃんに連れられて、
街のお祭りを見に行きました。
街は、祭りの飾りで飾られて、賑やかです。
ちいチャンは、
繁華街に向かうアーケードの両脇に、
見慣れない人たちを見ました。
その人たちは、軍服を着て帽子を被っています。
松葉づえを脇に置き、片足の無い兵隊さん、
片腕の無い兵隊さん、
目に眼帯をして、白い布で腕を吊っている兵隊さん、
頭と腕に、包帯を巻いている兵隊さん、
足元には、缶詰の空き缶のような物を置いています。
立っている人は、アコーディオンを弾いています。
街行く人たちは、余り気にも留めずに通り過ぎて行きます。
時々、誰かが空き缶に、お金を投げ入れています。
ちいチャンは、初めて見る光景に、思わず足が止まります。
すると、おばあちゃんが、ちいチャンに、
10円玉を握らせてくれました。
ちいチャンがおばあちゃんを見上げると、
ちおばあちゃんは、コクンとうなずきました。
それで、ちいチャンは、
足の無い兵隊さんの側に行き、置いてある缶の中へ、
10円玉を入れました。
缶の中には、余りお金は入っていませんでした。
楽しいはずの祭りの日、賑やかな街や商店街の中、
腕や足の無い兵隊さんの姿は、
ちいチヤンの中に、
いつまでもいつまでも残っています。
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ちいチャン物語224「お茶を飲みに行こう!・その3」

2022年12月12日 20時18分51秒 | 日記
ある日、
会社の、とても都会的な女性の先輩が、
とっても美味しいお店があるから、仕事が終わったら、
「お茶を飲みに行こう!」
と、ちいチャンを誘いました。
ちいチャンは、
(仕事が終わったら、お腹がすくから、丁度いい。)
と、思いました。
喫茶店では、何を食べようかと、心うきうきです。
仕事の後、先輩と一緒にお店に向かいます。
お店は、狭い階段を上がった二階にありました。
入口には、のれんが掛けられ、木枠の戸を手で開けて入ります。
店の中は和風で、イスに座布団が敷いてあります。
先輩は嬉しそうに、
「ぜんざいか、おしるこ食べる?」
と、ちいチャンに聞きました。
ちいチャンは、「ぜんざい」も「おしるこ」も知らないので、
「先輩と同じものにする。」
と、答えました。
そして、出て来た「おしるこ」は、
あんこの汁に、小さい小さい角餅が、数個入っているだけでした。
そして、いつも喫茶店で出て来るコップの水の代わりに、
湯飲み茶わんが出て来ました。
そして、急須です。
急須には、茶葉とお湯が入っていて、
先輩が、お茶を注いでくれました。
(えーーーーーーー!先輩の「お茶を飲みに行こう!」は、
本当に「お茶」だったのーーーー!)
ちいチャンは、心の中で叫びました。
メニューには、「お茶」と「おしるこ」と「ぜんざい」しかありせん。
角餅数個の「おしるこ」は、軽くお腹をうるおしただけで、
ちいチャンは、お腹がすいたままです。
ちいチャンは、
(湯飲み茶わん一杯のお茶に、何百円は高いなぁ、もったいないなぁ。)
と思いました。
でも、先輩は、美味しいお茶とおしるこに、満足そうです。
そして、別れ際、先輩は、ちいチャンに、こう言いました。
「また来ようね!」


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ちいチャン物語222「お茶を飲みに行こう!・その2」

2022年12月11日 21時09分41秒 | 日記
ちいチヤンは、思います。
男の人の言う、
「お茶を飲みに行こう!」
は、もしかしたら、「お茶」ではないのかしら?と。
なぜなら、
喫茶店で、お茶を飲んでいる人を見た事が無いのです。
それと、
「お茶を飲みに行こう!」
と、誘いながら、注文をして頼むのは、
時には、コーヒー、
時には、パフェ、
時には、ジュース、
時には、ホットケーキ、
そして、
時には、食事だったり。
そして、
喫茶店のメニューには、「お茶」がありません。
街は、不思議だなぁ、と思います。
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ちいチャン物語221「お茶を飲みに行こう!」

2022年12月03日 20時21分57秒 | 日記
ちいチヤンが、大きくなって、街でお仕事を始めた頃、
男の人に、
「お茶を飲みに行こう!」
と、誘われました。
そして、喫茶店に行きました。
だけど、ちいチャンは、
お金を払ってお茶を飲むのは、もったいないなと思います。
なぜなら、
ちいチャンは、家ではいつも、
急須でお茶を入れて飲んでいたからです。
だから、湯飲み茶わん一杯のお茶に、
何百円も払うのは嫌だなぁ、と思いました。
でも、
お茶を飲みに行こう、と、誘った男の人は、
コーヒーを頼んで飲んでいます。
「お茶を飲みに行こう!」
と、言ったのに、
(どうして、お茶ではなくて、コーヒーを頼むんだろう。)
と、ちいチャンは不思議に思います。
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ちいチャン物語220「漁師のオジサン」

2022年12月02日 21時36分33秒 | 日記
ちいチャンは桟橋で、
座って網をいじっている漁師のオジサンを見ました。
オジサンは、破れた網を直しているようでした。
網と同じ紐で、網目を通したりくぐらせたりしています。
ちいチャンは、
(なんだか、お裁縫みたい。)
と、思います。
オジサンは男なのに、
網のお裁縫が、とても上手でした。
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