ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

Play back ちいチャン物語(52)建前(上棟式(じょうとうしき))

2017年01月08日 17時48分11秒 | 日記

「今日は、建前があるよ。」

と、おばあちゃんが言いました。

新しい家を建てる時、柱の骨組みが完成すると、“建前”と言って、その家の主人や長男

が、骨組みのてっぺんから、紅白のモチや和紙にくるんだ小銭をまきます。

ちいチャンの町は小さいので、どこかの家で家を建て始めると、町中の人が“建前”の日

を楽しみにします。

“建前”は、特別に声をかけて招待する、とかというものでもなく、お祭りの時の様に、

自然に集まった人達に、モチや小銭が振る舞われます。

“建前”の日、男衆は骨組みの出来た家のてっぺんに登り、掛け声をかけながら紅白のモ

チをまきます。

賑やかさは、まるでお祭りの様です。

家の下に集まった大人や子供は、キャーキャー、ワーワー言いながら、モチがまかれた方

向へ走り、手でキャッチしたり、落ちたモチを拾ったりします。

次に、和紙にくるまれた小銭がまかれ、家の下に集まった大人や子供は、キャーキャー、

ワーワー言いながら、小銭がまかれた方向へ走ります。

中には、

「こっち!こっち!」

と、男衆に手を振って、催促をするオバちゃんもいます。

ちいチャンは小さくて、ちいチャンが伸ばす手の上には、大きなおとなの手が重なり合い

、まかれるモチも小銭も、ちいチャンはキャッチすることが出来ませんでした。

しかたがないので、落ちたモチと小銭を拾おうとしますが、動作のすばやい男の子達に取

られてしまいます。

おばあちゃんは、おばあちゃんなのに、なぜだか動きが若いです。

エプロンのポケットに、紅白のモチも小銭も入っていました。

“建前”が゛終わると、手に手にモチや小銭を持って、町の人は家に帰ります。

おばあちゃんは、エプロンのポケットに手を入れると、ちいチャンの手に、和紙でくるま

れた小銭をひとつ握らせてくれました。

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1 コメント

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Unknown (chidori)
2017-01-10 00:52:37
後を付けてまいりました。

2月29日が誕生日だから

19歳ですが。1940年生まだから

76歳とも言います。

小さい時からちーちゃんと呼ばれています。

ハングルネームちどり

実名チトセです。

よろしくね

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