ちいチャンは、テストが近くなると、
教科書を読みながら、学校への道を歩きます。
道は、車も通らず信号もありません。
通学時間帯には、バスもありません。
うつむいて教科書を見ていると、
教科書の下に、道路の右側と左側が見えるのです。
そして、教科書の上側は、道路の前方が見えます。
水たまりを避け、馬のふんを避け、
小道にも入り込まずに、学校に着きます。
道は一本道で、
途中から、車の走る道と歩行者用の道に分かれます。
山道なので、歩行者用の道は、車は通れません。
道がせまく、坂が急で、車1台の道の幅もないのです。
だから、この道路で寝ころんでも、
ふざけて遊びながら歩いていても自由です。
子供たちは、手に手に、いろんなものを持っています。
道端で摘んだ「花」、
落ちていた「木の枝」、
白いキラキラした「石」
ぼろぼろになった「縄」
つかまえた「昆虫」
子供たちのオモチャは、自然の中の自然のもので出来ていました。