ちいチャンの町の雑貨屋さんには、夏になると虫かごや虫取り網が店頭に並び
ます。
でも、男の子たちが虫取りに使う網は、手作りだったりします。
針金で、丸い輪っかを作り、竹の棒の先に差し込んで、網が付いていない虫取
り網みたいん物を作ります。
そうしたら、軒下や縁の下に、蜘蛛の巣がないか探します。
時には、電信柱と屋根の間などに、大きい蜘蛛の巣があったりします。
その蜘蛛の巣を、丸い輪っかに引っかけて取ります。
上手く行くと丸い輪っかに、蜘蛛の巣がキレイに貼り付いて網ができます。
失敗したら、次の蜘蛛の巣を探し、貼り付けます。
そうして出来た虫取り網で、男の子たちは、トンボやセミを取りに行きます。
蜘蛛の巣が昆虫の羽に付くと、昆虫は飛べなくなるようで、そのまま落下して
しまいます。
ちいチャンは、男の子たちの虫取りを見ていて、落ちたトンボにさわってみま
したが、羽が蜘蛛の巣でベタベタしていました。
きれいな羽は蜘蛛の巣で汚れ、
(かわいそうだなぁ....。)
と、思いました。
男の子たちは、羽に付いた蜘蛛の巣を手で軽く拭いて、虫取りかごにトンボを
入れました。