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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

腱鞘炎

2007-03-16 | 研究ノート
・昨日からの書きまくり、打ちまくりで腕が痛い。冗談ではなく、腱鞘炎になってしまったようで、湿布しながらの痛々しい姿になる。元々筆圧が高いので、気をつけないといけない。パソコンの角度が悪いのかなあ・・・そろそろ、パソコンの設置環境を真剣に考えた方がよさそうだ。

・昨日の続き、トドマツ論文の校閲の英語化作業。こんなことをやっている場合なのかという気にもなるが、今を逃すといつまでも終わらない気がするので、多少きつくても、このまま最後まで行き着かねば・・・。11時半ごろにようやく終わりが見えてきた。プリントアウトして見直し。さらに、End-noteに必要論文をダウンロードして、引用文献も整理。こうした作業を続けているとあっという間に時間が過ぎる。

・昼過ぎに、ちょっとだけ放置しておいたヒノキ論文を見直す。茨城のTさんからの指摘をチェックして、もうさすがにいいだろう、ということで校閲にリッチテキストで送信。校閲者とはメールでの付き合いだが、「久しぶりだね、元気にしていて嬉しいよ・・・」的な文章を受け取る。そうなんですよ、実に久しぶりに論文校閲に出すことができたわけで、ううっ、思えばこの論文の執筆作業も長かった・・・。

・トドマツ論文をある程度チェックしたものの、現段階では精神的にも体力的にももはや限界。ということで、共著者であるRさんにメールで送信。中国にいるということだが、受け取れるのであろうか・・・。Kさんにもアップロード後にメールで連絡。ほっと一息をつきつつ、ふと、シンポジウムの発表者同士のプレゼンファイルを拝見することができる、という話だったのを思い出す。

・ということで、早速拝見。お、皆さん何やらすごそうな研究をしている・・・。考えてみれば、当方は毎木調査しただけですからねえ。いや、それこそがカッコいいのだと自分に言い聞かせるが、見ない方がよかったような気もしたりして・・・。今更だけど、周辺の論文の付焼き刃的な勉強でもしないことには・・・。

「書く」ということ

2007-03-15 | 研究ノート
・困ったと思っていた査読だったが、結論が出てしまえば早いもので、さくさくと作文(これが苦手なんだが・・・)。終わった。編集委員に手紙を書いて、投函。さらに、のびのびになっていたNさんからのシウリ原稿もとりあえずのコメントをまとめてメールで送信(NさんWikiの作業場では、コメントが長すぎるらしく、いつも却下されてしまう)。ついでに、書き込みをした原稿も郵送。昨日、ヒノキ論文も半日かけて修正し、校閲直前バージョンまで持っていったので、後は共著者のご意見を伺う状態となる。おおっ、ついに手元に残った原稿はカツラとトドマツだけになったぞ。

・なんだか、すっきりしたので、いよいよトドマツ論文の考察に取り掛かる。こういうときには、一度日本語で書かないとだめなんだよ、当方の場合。既に原稿が出来上がったものを崩すのは、さすがに自分でも辛い。しかし今回、一番惑わしたのは、編集委員からの指摘だ。これに振り回されて、なんだか変な方向に向かってしまったんだよね。ようし、今度こそは自分を見失わないぞ・・・。




・ということで、久しぶりにノートに向かって考察を日本語で書きつらねる。こういうときにはインターネットにつながったパソコンが近くにあると、つい、”ふらふら”としてしまうので、離れた机でやるのが正解。やはり、種子散布(というか実生、稚樹と母親の位置関係)を中心に書くようにすると、ぐっと文章の流れがよくなった。参考にする論文を手元に置きつつ、2時間ほど集中。何とか最後まで漕ぎ着ける。やはり、「書くことは考える」である。おかげで考えはずいぶん整理されたみたいだ。

・トドマツの場合、各セーフサイト(倒木)に対する雌性繁殖成功度は極めてばらつきが大きく、ごく少数の親で構成されているが、種子散布距離が短いためにオーバーラップが少ない。また、倒木の発生はかなりランダムに起こるために、結果として、集団全体ではかえって雌性繁殖成功度のばらつきは小さくなっている。つまり、色んな親が母樹として次代に貢献しているのである。ステージが上がることによって遺伝構造が弱まることは、自己間引き効果で説明できそう。また、Kさんにお願いした今回の母子モデルのオリジナリティが今頃になって、ようやく理解できてきた。

・午後からしばらく英語化作業。この段階でまた考察は多少の変貌を遂げるが、大きな方向性が固まってきたので、それほどぶれないで済みそう。後は、英作文の能力という感じになってくるが、自分の中ではようやく光が見えてきた。この調子で突っ走るしかない・・・(と思っていたら、また厄介な指令が東京方面から来てたりして・・・)。

地がき場所の標高と更新密度

2007-03-14 | 研究ノート
・午前中、ようやく森林学会のポスター発表での地がき問題に取り掛かる。突然、出現したように思うかもしれないが、実に長い時間、放置されて・・・、いや、”暖めていた”材料なのである。データセットを整理するのに妙に時間がかかってしまったが、データさえ整えてしまえば、後は”しゅしゅっ”とできるはずだ。

・今回の発表は、標高別に地がきした後にどんな樹木種が更新したかというものを25年後に調べたよ、という単純なものだ。処理方法も特殊なものではないが、単純に、色んな標高(400mくらいから750mくらいまで)で事業的な規模で地がき処理をしたことと、25年という時間が経過しているのが、他にはない特色である。

・まずは主要6種について、標高と発生密度の関係を見てみる。試験地内に7-12の調査枠がある(反復がある)という設定なので、これまたGLMMの出番であろう(たぶん、厳密にはそれでも問題があるのかも)。こうしてみると、最近はGLMMにお世話になることが多い。というか、通常の試験設計で、GLMで解析できることがあるのだろうか、とすら思えてしまう(これまた妄想か・・・)。

・標高と発生本数について、分布をポアソン、連結関数をlog、プロットをランダム効果として解析したみる。エゾマツとダケカンバは標高が上がるほど、トドマツ、その他の広葉樹は標高が下がるほど本数が多くなるという当たり前の結果が導かれる(逆の結果が導かれたら、間違いであろう)。これまた、覚えたてのpar(mfrow=c(2,3))でプロット図を並べて出すと、何となく満足。



・調子に乗って、ポスターに貼り付けてみる。その後、微地形と発生本数の関係についてもプロット図を作成し、ぺたぺたと貼る。最後に結論を載せてみると、何となく、完成したような気が・・・。一気に進んだような錯覚に陥るのだが、たぶんどこかの落とし穴にはまっているだけ、なのであろうか・・・。

種子散布論文のリストアップ

2007-03-13 | 研究ノート
・生態学会のシンポジウムの発表準備。何度か練習するが、やはり20分を切れない・・・。もう少しダイエットが必要だが、とりあえず先にファイルをアップロードし、北大のKさんに連絡。進化生態学に対する圧倒的な素養のなさが露呈しているような気もするが、後は勢い(?)で乗り切るしかない・・・。

・広島大のSさんの生態学会ポスターを拝見しつつ、あれこれとコメント。コメントしているうちに、遺伝マーカーを使って種子散布を調べた論文をリストアップして、樹種、散布型、プロットの広さ、推定された種子散布距離の平均値、中央値、レンジ、プロット外からの移住率、長距離散布の割合などを表にまとめることを考えついた。停滞気味のトドマツ論文に風穴を開けるためにもこうした作業をするしかない。花粉散布については似たような表を作成済みなので、それを元にさっそく製作。

・抜けがあったり、値の精査が必要だったりするが、とりあえず8編の論文(データ数=14)について表ができた。ちょっと前までは、Dow and Ashley 1996とSchnabel et al. 1998くらいしかなかったような気がしていたのだが、Godoy and Jordano 2001以来、ずいぶん増えてきたな・・・。ということで、とりあえず作成中の表をSさんに送り、一緒に製作しようともちかける。しっかし、まじめに調べると、すぐに3倍くらいに増えるだろうな、この感じだと・・・。ところで、種子散布論文だと思っていたのだが、実は散布距離の具体的な数値を挙げていない論文も結構多いことが判明。思い込みってあるもんだよねえ(って、当方の勝手な思い込みが多いだけだったりして・・)。

・今のところ、Dow & Ashley (1996) Mol Ecol, Schnabel et al. (1998) Mol Ecol, Godoy & Jordano (2001) Mol Ecol, Gonzalez-Martinez et al. (2002) TAG, Grivet et al. (2005) Mol Ecol, Jones et al. (2005) Amer Nat, Gonzalez-Martinez et al. (2006) Mol Ecol, Hardesty et al. (2006) Ecol Let、の8編の文献を調査したのだが、遺伝マーカーを用いて樹木種の種子散布距離を推定した(特に最近の)論文(親子解析、SNMモデルなど)をご存知の方は教えてくださると嬉しいです(なぜか、最後はお願いになってしまった・・・)。

生態シンポ準備

2007-03-12 | 研究ノート
・いよいよ生態学会シンポのプレゼン一次締め切りが明日に迫る。なんだか億劫になっていたのだが、逃げていても仕方ないので、久しぶりにスライド作成。とりあえず、途中段階ながら練習してみると、第一部の段階で既に持ち時間である15分も越えている。これは、明らかに量を減らさないとだめだ。造林問題はおいといて、とりあえず”高山帯の保全で適した種子産地”ということに絞ることにする。

・そもそも、シンポのタイトルが高山帯・亜高山帯の生物集団の維持機構なんだから、低山帯の造林問題は削除してもよかったんだ。そう考えると、急に気が楽になった。スライドは現在のところ18枚。もうちょっと減らす必要がありそうだけど、後は、細かい修正で済みそうである。

・と、ここで忘れていた査読依頼が札幌方面から・・・。これは厳しいところだが、〆切は5月初め、ということで少々気が楽になった。しっかし、面白くない論文だなあ。さっさと返却したいところである。

Jones and Hubbell (2005) Mol Ecol考察つまみ読み

2007-03-11 | 研究ノート
・久しぶりに何も予定がない一日。子供と遊ぶ。最近はお店屋さんごっことか、ずいぶんと高度(?)な遊びができるようになった。ブロックで作成したおもちゃ(?)が「5万円です」といわれたので、「高いですねえ」というと、「じゃあ100円です」と負けてくれた。ずいぶん気前がいい店である。

・それにしても、トドマツ論文の考察が進まない。前回の投稿からあまりにも時間がたってしまったせいか、そもそも何を言いたいのか分からなくなっている。遺伝構造の話とステージごとの散布(母親と子供の位置関係)の話をうまく関係づけて議論すればいいのだが、どうしてもすっきりといかないなあ。そもそも、この論文の「売り」とは何だっけ?

・こういう末期的な症状のときには、関連論文を一度じっくりと読み返し、どんな考察をしているかを読むしかなかろう。ということで、Jones and Hubbell (2006) Mol Ecol 15, 3205-3217をひっくり返す。彼らは,おなじみバロ・コロラド島のプロットを利用し、マイクロサテライト6座を用いて、Jacarandaの遺伝構造をシードレイン、実生、稚樹、幼樹、成木(サイズクラス別)に調べている。

・結果は、簡単に言うと、シードレインから実生へと移行するときに近距離における遺伝構造は弱まったが、実生から稚樹、幼樹、成木へとステージがさらに進むと構造が高まる、という複雑なもの。著者らは、ステージが進むにつれて、構造が弱まると想定していたようだが、個体群動態の生態データも利用しつつ、この結果に対してあれこれと考察している。

・考察では、どうして遺伝構造をデモグラフィックに調べる必要があるのか、ということが端的に書かれている一文があり、使えそう。種子と実生のステージで構造が弱まることについては、近交弱勢によるホモ接合の消失などが挙げられている。稚樹から成木にかけて構造が強まることについては、先駆樹であるJacarandaの種特性、ギャップの時空間的な生成パターン、世代の重なり、などを元に考察されている。セーフサイトの時空間的な生成と構造の関係については参考になりそうだ。

・この論文については、全体を通じてもう一度熟読する必要があるね。ところで、著者らは、自分たちがもっとも面白いと感じている構造の変化を中心に議論を組み立てている。今更だけど、トドマツ論文では遺伝構造を先にして、種子散布を後にしろ、という指摘があり、今のところ指摘に答える形で改訂を進めている。さらに、ダイレクトな親子解析に対しては、案外と批判的な評価も多く、散布よりもステージにおける遺伝構造の変化が重要だという指摘もあった。

・構造のステージによる変動については、既に結構な数の先行研究がある上に、やれば誰でもできちゃうということを考えると、あまりオリジナリティが高いとはいえないような気がしてきた。結局のところ、今回の論文の売りは、ステージを問わずに母親と実生の関係をしっかりと明らかにできた、ことではないかという気がしてきた。

・論文改訂では、基本的にはレフリーの指摘に従った方が通りやすいとはいえるが、しかし、それに捉われるあまりに、どうも自分を見失っているのではないだろうか、という気になってきた。現在、どうにも考察が書きにくいのだが、元に戻せば論理構成も実にすっきりしそうである。投稿した論文は、「レフリーのものではなく、自分たちのものだ」ということを忘れてはいけないというH先生の言葉がよみがえる。よし、もう一度、最初から考え直してみるか!

いまどきの歯医者

2007-03-10 | その他あれこれ
・どうも下の子供の右奥の歯が茶色っぽい気がする。このまま放置しておくと、いずれ大変なことになるのではなかろうか、ということで意を決して歯科医に連れて行く。我が家は全員お世話になっているK歯科はパステルカラーの明るい雰囲気である。

・はじめのの診察ということで、緊張気味だが、おとなしく椅子に座っている。まずはお姉さんに診てもらうとやはり虫歯でしょうという判決が・・・。先生に診ていただくと、奥歯4本とも虫歯になりつつあり、特に1本はすぐに治療しましょうということになる。

・ついにこの瞬間が来てしまったか・・・かわいそうだが泣いても仕方ない、と当方は心を固める。が、実際の治療とは、ちょっと表面を拭いて、その後、薬のようなものを流し込み(?)、レーザーのようなものを当てるという無痛治療で、結局、最後まで泣かずに拍子抜けするほど簡単に済んでしまった。

・こんな治療な歯医者は嫌いにならないよねえ。当方は実はいまだに苦手なんだけど、全くいまどきの子供がうらやましい。

一難去って、また・・・

2007-03-09 | フィールドから
・つるつる温泉は、実は大人気の旅館らしい。還暦を越えたと想定される年配の方々が朝から豪快に笑いつつ朝食を取っている中で、小さくなりながら食事を頂く。8時半に先方とロビーで合流して、N社へ向かう。今回の任務はむろん温泉ではなく、N社での打ち合わせと現地視察のためである。N社はかつての鉱山跡に居を構えているが、実に広大で、しかも大勢のスタッフが働いている。24時間で3交代制だとか・・・。



・留辺蕊も普段は雪が多いところらしいが、今年はコンクリートが出ているほど雪が少ない。まずは打ち合わせで色々と細かいところを決める。どうやら難しい局面は越えたようで、任務は無事に遂行できそう。打ち合わせ後、現場を見せていただく。全国から大量の蛍光灯や乾電池が集まり、それを適切に処分しているのだが、乾電池で山をブルドーザで集めているのには圧倒される。

・帰りがけに、そば屋に立ち寄る。ウクレレが展示してあったり、JAZZのレコードが置いてあったり、と場所に似合わずおしゃれな風情。のんきな気分に身をゆだねていると、薬品管理について新たな指令が出ていることを聞かされる。どうやらお茶を濁してすまなそうな気配。ううむ、一難去ってまた一難。時間がないところなのだが、そんなことも言っていられそうにない・・・。色んな人に協力してもらって、早々に解決しなければ・・・。

つるつる温泉

2007-03-08 | その他あれこれ
・午後から樹木園にて過去の遺物撤去作業。想像以上に大変で,4時過ぎまでかかる。翌日も引き続きその業務にかかるということで,打ち合わせと現場チェックのために,一路,留辺蕊(るべしべ)へ。生態学会,森林学会,各種論文チェックが累積している中で,こんなことをやっていていいのか・・・という気にもなるが,当機関としては重要な任務なのである。

・留辺蕊は北見の近くの街で,旭川,層雲峡,石北峠を越えていくのだが,実に遠い。幸い,天気はよく,吹雪に見舞われることもなく順調に進む。道路も乾いて助かる。それにしても,このカーナビ,ショートカットを絶対に許してくれず,常に左に曲がって国道を行けと指示して、いつまでたってもこの道を認めてくれない。新しい高速道路やトンネルも載っておらず,道なき道を進んでいることになっているようだ。と,到着時間を見ると,午後8時46分となっている。どう考えても8時前に着きそうなのだが,なんでこんな計算になるのか・・・としばらく眺めていると,要するに時速30kmがデフォルトになっているせいだと気がつく。北海道に,この基準はないよねえ。



・7時半,宿泊地である塩別つるつる温泉着。だだっ広い宴会場に通されて,お客さんとともに4名で食事。実に豪華な食事だが、量が多すぎて・・・。どうやら,「つるつる温泉」という屋号(?)にはこだわりがあるらしく,刺身を載せているササの葉にも書かれている。さてその温泉は・・・というと,確かに肌はつるつるで,なんか色々効能もありそう。露天では星を眺めながらの一時を過ごす。肌寒さと温泉の温度が気持ちいい。これなら温泉を入りに家族で来てもいいかという気になるが,やはり距離の遠さがつらいかも・・・。

森林内の40m

2007-03-07 | フィールドから
・ここ富良野の森には、1910年代に発生した大規模な山火事の後に再生したウダイカンバを中心とした広葉樹二次林(再生林と呼んでいる)が1500ha程度広がっている。現在、この二次林の中に小さなパッチをつくり(つまり、小面積皆伐して)、再び、ウダイカンバの再生林を作ろうという試み(?)が始まっている。焼松峠は、そのトライアルだったわけだが、”どうやらうまくいきそう”ということで、いよいよ事業的に展開することになった。皆伐すること自体は全体の検討会で既に決定されていたので、本日は具体的な設置ポイントを検討する。

・モービル3台、Uくんも含めて5名で出かける。天気は穏やかだが、風は冷たい。スノーシューズを持っていったのだが、ほとんど”つぼ足”で歩けるくらい雪がしまっている。というよりも、見事なアイスバーンで、斜面になると歯が(足が?)たたない。予測できない確率で足を取られるので、皆それぞれにこけていた。



・今回の設計では、20×50m(0.1ha)と40×50m(0.2ha)という2種類の面積をセットとして、通常の地がきとA層を戻す地がきの2処理を2反復で行う予定である。つまり、0.1haが4箇所、0.2haが4箇所ということになる。地図上でみる0.2haはごく小さい面積だが、いざ、現場に行って40mのラインを引っ張ってみると、その長さに驚いてしまう(毎度のことながら・・・)。今回は、その範囲を伐ってしまうわけだから、責任は重い。焼松峠のときもそうだったんだけど、これを全部伐った後に見ると、「やっちまった・・・」という感想を持つんだろうなあ・・・。

・しかし、再生林をこのまま放置していてもウダイカンバの将来世代はまず育たないので、小面積皆伐+地がきのセットで更新を促進する本手法はやはり魅力的である。今回は、特にきっちりとしたデザインになっているので、データ解析もずいぶんと楽になるはずである。今秋に伐採、来年に地がきと気の長い計画だが、こうした計画が立てられるのもここならではの強みだ。オリジナリティが高い研究になるはず!である。

・さて、ウダイカンバそのものに目を移すと、非常にたくさんの果穂をつけている個体もあれば、まるでつけていない個体もある。おそらく既に落としてしまっているものといつまでもだらだらとつけている個体があるのであろう。こうしたつけている時期の差に”適応的な意味”があるのかねえ、とUくんと漠然と考える。種子をだらだらと落とし続けることが有利な場合なんてのが起こるんだろうか?それとも、単に結果的にそうなっているだけなのだろうか・・・。

・最後に、Iさんがかつて調査した試験地を見ながら、再調査の方法について検討。この試験地では、個体ごとの樹冠の広がりが継時的に計測されており、今回もう一度測って、論文としてまとめましょう、などとお話する。それにしても、質・量ともにすごいデータだが、時間が入っている時点で既に構造が複雑である。ここは、樹冠の広がりということに注目して、シンプルな目標設定にした方がよさそうである。そのシンプルな目標に答えるだけでも十分にインパクトがあるはず・・・である。