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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

「書く」ということ

2007-03-15 | 研究ノート
・困ったと思っていた査読だったが、結論が出てしまえば早いもので、さくさくと作文(これが苦手なんだが・・・)。終わった。編集委員に手紙を書いて、投函。さらに、のびのびになっていたNさんからのシウリ原稿もとりあえずのコメントをまとめてメールで送信(NさんWikiの作業場では、コメントが長すぎるらしく、いつも却下されてしまう)。ついでに、書き込みをした原稿も郵送。昨日、ヒノキ論文も半日かけて修正し、校閲直前バージョンまで持っていったので、後は共著者のご意見を伺う状態となる。おおっ、ついに手元に残った原稿はカツラとトドマツだけになったぞ。

・なんだか、すっきりしたので、いよいよトドマツ論文の考察に取り掛かる。こういうときには、一度日本語で書かないとだめなんだよ、当方の場合。既に原稿が出来上がったものを崩すのは、さすがに自分でも辛い。しかし今回、一番惑わしたのは、編集委員からの指摘だ。これに振り回されて、なんだか変な方向に向かってしまったんだよね。ようし、今度こそは自分を見失わないぞ・・・。




・ということで、久しぶりにノートに向かって考察を日本語で書きつらねる。こういうときにはインターネットにつながったパソコンが近くにあると、つい、”ふらふら”としてしまうので、離れた机でやるのが正解。やはり、種子散布(というか実生、稚樹と母親の位置関係)を中心に書くようにすると、ぐっと文章の流れがよくなった。参考にする論文を手元に置きつつ、2時間ほど集中。何とか最後まで漕ぎ着ける。やはり、「書くことは考える」である。おかげで考えはずいぶん整理されたみたいだ。

・トドマツの場合、各セーフサイト(倒木)に対する雌性繁殖成功度は極めてばらつきが大きく、ごく少数の親で構成されているが、種子散布距離が短いためにオーバーラップが少ない。また、倒木の発生はかなりランダムに起こるために、結果として、集団全体ではかえって雌性繁殖成功度のばらつきは小さくなっている。つまり、色んな親が母樹として次代に貢献しているのである。ステージが上がることによって遺伝構造が弱まることは、自己間引き効果で説明できそう。また、Kさんにお願いした今回の母子モデルのオリジナリティが今頃になって、ようやく理解できてきた。

・午後からしばらく英語化作業。この段階でまた考察は多少の変貌を遂げるが、大きな方向性が固まってきたので、それほどぶれないで済みそう。後は、英作文の能力という感じになってくるが、自分の中ではようやく光が見えてきた。この調子で突っ走るしかない・・・(と思っていたら、また厄介な指令が東京方面から来てたりして・・・)。