一生

人生観と死生観

子に先立たれる親心

2009-10-27 17:30:49 | 哲学
10月27日 晴れ
 台風は世の間に過ぎ去り、晴れが戻ってきた。10月も末になると台風の後は不思議な晴れ間で、なんと形容したらよいのか迷う。この日私は2通の便りを受け取ったが、どちらも子に先立たれた親の心情を表わすもので、一種のシンクロナイズ現象のようにも受け取れるのであった。一通のハガキはI先生からのもので、53歳のご子息を失われたよし。先生自身は80歳をとっくに過ぎたご高齢、脳梗塞のために体が不自由な身であった。そこへ訃報がやってきたのだからさぞかしこたえたに違いない。息子を天に送る経験をして10年、今でも忘れられない私たちである。
 もう一通が実は私がある本の一部に執筆した文章のゲラ刷りだった。そのテーマはまさに世を去ったわが子のことであった。I先生の文章の中には一寸そのことに触れてあったが、私は少しびっくりした。2通がこんな風に同期するなんて。
 親思う心にまさる親心今日の便りをいかに聞くらん
だったか、吉田松陰の処刑、辞世の歌の心に響くひと時であった。