一生

人生観と死生観

勇気について

2008-03-16 21:19:35 | 哲学
3月16日  晴れ
 人間勇気を出せといっても、出せない場合があろう。恐怖が身近にあってそれがあまりにも大きいとき、だれが勇気を奮ってその元凶を打ち倒すだろうか。恐怖の王は死であると言われる。生きているものは皆死なねばならぬ。しかし生きているものはまだ死んではおらぬ。だから正確には生きているものは死を体験するに至っていない。死を体験することのない者が死を恐れたとてどうにもならぬ。
 死を恐れぬ勇気はしばしば褒め称えられる。若者はときにそうした勇気を持って、敵に向かう。だがそれが無謀な勇気であるということになったら、折角の死は犬死となる。
 死の彼方に来世はあるか。神の世界はあるのか。人間の浅知恵で答えは容易に出せない。
 だがそういう時にこそ本当に人間の本然に立ち返り、神の世界を求めよ。求めるものに答えはかならず与えられると信じることだ。これも勇気のひとつ。パスカルのいう賭けのようなものだ。