秋風吹いて
木枯らし吹く頃になると
人恋しくなって
思わず知らず 詠いたくなる
冬雲 垂れ込み
寒風吹き荒れる頃は
暖炉の火が欲しくなる
町の景気は芳しくなく
給料減らされ 小遣いは直撃を受け
それでも 出費は
乾いた雑巾を縛るが如く減りもせず
湿りがちの暗い部屋の中で
ひどく灯りが恋しくなって…
だけど ともすれば
へたり込みそうな気持ちを奮い立たせ
拳をぎゅっと握り 身を堅くして
吾は詠うのだ
生活の歌を 吾は詠うのだ
自分の灯りを求めて 吾は詠うのだ
少しの温もり 少しの明かるさでも
それはうれしくて ありがたくて
だから 吾は 冬こそ 益々詠うのだ
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