食事時など よく見ている掛け時計
今日は 何だか変だ
よく見たら 時間がひどくずれている
秒針を確かめたら 動いていない
台所の時計が 始めて止まった
家内が帰宅して来たので話したら
結婚した頃から使っている時計よ
と言って
もう そろそろ寿命かもね…
って呟いた…
ぼくも 半ば諦めて しばらくほたっていた
でも 中を開けて 針を動かしたりすれば
万が一また稼働するかも なんて
かすかな期待を抱いて 二階に持って行った
その時 時計の枠を 壁にゴチンと当ててしまった
それから 一階で裏蓋のネジを開けようとして
ふと正面のガラスを見ると なんと!
秒針が動き始めているではないか!
ぼくは 我が目を疑い しばらく見つめていたが
時計の針は 動き続けた
結婚して 三十年…
ぼくは この古い時計を眺めながら
いろんなことが脳裏に浮かんで来た
復活したこの掛け時計を見つめ
毎日 毎朝 五十肩の辛さはあるが
ぼくは もうしばらく我慢をして
家族や待っている人たちのために
もう少しがんばってみようと思った