中学3年生になると、高校受験を意識します。
近年の傾向なんですが、公立校入試において、
難問が出題されることがあります。
例えば、2005年、関東の某県では、正答率2%という
信じられないような問題が出題されました。
近年の学習指導要領では、学習内容が削減されましたから、
「素直」に出題したのでは、上位校では差がつきません。
そこで、学習指導要領の範囲を逸脱しないように、
如何に難しいにするかが考えられました。
それが「差をつける難問」です。
例えば、英語なら、500字を超える長文問題。
500字クラスの長文は大学受験なみの量です。
あのですね。教科書3ヶ月分の初めてみる文章を、
20分で解答せよ、というわけです。
数学なら「動点の問題」。
1辺10cmの正方形ABCDがある。
点Pが秒速2cmで点Aから出発し、図形を巡る。
(1)点PがBC上を通過する際の三角形ABPの面積の変化を
図示せよ。
(2)点PがCD上を通過する際の台形ABPの面積の変化を
図示せよ。
動点が空間図形の上を動くのですから大変な難問です。
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さて、Top校に挑戦するか?
中上位校で満足するか?
どちらにも危険があります。
まず、認識すべきなのは、Top進学校に入っても、
旧・帝国大学レベルの国立大学に進学するのは、
せいぜい1/3程度であることです。
入学時のレベルの高さからみて、その進学実績は
信じられないほど低いのです。
中学1年生のときから内申点を稼いで、
受験時に「差をつける難問」で悪戦苦闘してまで
入るべきか、が問題です。
中・上位校は、普段からの勉強ができていれば、
まず問題なく入れます。
しかし、旧・帝国大学に入ろうとする生徒が皆無に近いので、
目標を保ち続けられるのかが問題です。
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中・上位校でも、旧・帝国大学は狙えますし、
あわよくば、東大・京大も夢ではありません。
実は、大学入試にとって、「差をつける難問」は、
「中学時代に身につけておくべき基礎」ではありません。
受験は、中学-高校-大学の順に合格しづらいのです。
一番合格しづらいのは、中学受験です。
Top校の生徒の失敗パターン。
1.入学と同時に、これまでの
優等生から劣等生に転落して、「劣等感」をもつ。
2.身につけるべき基礎知識の演習が充分でないのに
「みんながやっている参考書」に手をだしてしまう。
中・下位校の生徒の失敗パターン。
1.うちの高校から、旧・帝国大学なんかに合格しないという
「劣等感」をもつ。
2.周りが勉強しないので、自分も勉強しない。
「成績を下げる方法」で出てきた「劣等感」が問題なんです。
高1で、中学の復習をしっかりやって、
高1・高2で、「身につけるべき基礎知識」をしっかり
身につければ、充分に間に合います。
高校入学から猛勉強をする必要なんてありません。
東大の問題だって、突き詰めれば、2~3個の基礎解法を
自分の記憶から上手に選択し、運用できるか、なんです。
「基礎解法」は、高校生なら誰だって一度は見ているのです。
自由に記憶から取り出し、運用することができるレベルまで
しっかり「基礎解法」を高1・高2で身につけられるか。
そこが勝負です。
難関大学=難問を解くではありません。
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当ブログでは、「大学受験のために必要な中学レベル」と
「差をつけるための難問」とを区別します。
「差をつける難問」の対策もやりますよ。
受験編が終わったら、延長編=高校1年生はどうすべきか。
そこで、当ブログのお勉強論は終了します。
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たぶん、中学で相当な「優等生」のはずです。
成績がよければ、授業も理解できるし、
「苦学」にはならないと思うのですよね。
高校1年・2年がモチベーションクライシスが
一番、おこりやすい時期だと考えています。