*病院の広報誌に原稿を依頼されました。
このエントリーをワードにおとして、原稿にします。
「セシウム花粉」
今年の春はスギ花粉にセシウムが付着した、セシウム花粉が問題になっているでしょう。
原発事故で放出された放射能(以下、放射線同位元素と表記します。)の
9割近くがヨード131、1割近くがセシウム137、数%がその他となっています。
ヨード131は、半減期8日。甲状腺で主に取り込まれ、甲状腺がんの原因となります。
チェルノブイリで問題となったのは、小児の甲状腺がんの増加で、他のがんの増加はありませんでした。
20113月以降、ヨード131の増加は検出されておらず、現在、原発からの新たな放射線同位元素の
放出は、ほぼないとしてよいでしょう。
セシウム137は半減期30年。半減期が長いので、検出が続くのです。
ヨード131との違いは、甲状腺など特定の臓器へ集中することがない点です。
特定の臓器への集中がないから、ある臓器への内部被爆線量が小さくなります。
チェルノブイリで甲状腺がん以外の増加が検出されなかったのは、そのせいです。
統計学的に有意差が検出されないからといって、ゼロではないだろう。被爆などゼロでない限り
とんでもない。こういった「ゼロでないから危険」論が優位になっている印象があります。
原発事故以外にも、日本人はかなりの被爆をしています。X線検査など医療被曝、飛行機に搭乗したときの
宇宙線、食べ物に必ずふくまれるカリウム40などの放射線同位元素などです。
これらの被爆は絶対に避けられません。セシウム花粉で被爆するであろう線量から考えると、
騒ぎすぎの印象があります。
甲状腺機能亢進症などの検査(シンチグラム)で服用するヨード131の量は、730万ベクレルです。
現在、食物で問題でなっているセシウム137は、食物1kgを毎日摂取した場合の量ですが、
数百ベクレルですから桁が違います。甲状腺シンチグラムは40年以上の歴史があります。
セシウム137は、半減期が長いのですが、人体の代謝活動により体外へ排泄されます。
体外へ排泄されることが報道されていないのは不思議です。
チェルノブイリで甲状腺がん以外に問題となったのは、子どもの情緒問題でした。
避難による環境変化や被爆への不安、これらが親の情緒不安定につながり、子どもの情緒発達の
障害になったのです。
政府は説明責任をはたしていないし、メディアは被爆の不安を煽りたてる。
子どもの情緒不安を増大させないか心配です。
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ホントは、1月に提出すべきものでした。
ゴメン。
いつでも書ける=ほおって置く
2月9日当直で、2月10日、am6:00から
ブログで書いたら、1時間弱でかけました。
ふまじめですね。反省します。
今年もそういう時期になりましたか。
このような問題って、結局書いている方がふだんどんなことをしているかがわからないと、どなたの意見を信用してよいかわからないので、とてもありがたいです。
励みになります。
ヨード131が検出されないのなら、とりあえずは放射性物質の放出は収まったと。
今現在、東京におけるセシウムなどのほかの放射性物質の放射線量はローマの数分の一(0.5μSv前後)だとなぜ報道しないんですかね?
ちなみに日本の安全目標値の年間1ミリSv以内という目標値(従来の基準値)は、逆算すると0.19μSv/時になるそうです。
そしてスーダンや飛行機の中は…5μSv/時なので、それらを報道すれば国民も落ち着けると思うんですがねぇ…