午前中の晴れ間に、布団を広げ、洗濯物を干す。新聞を丹念に読み、珈琲を挽いて淹れ、縁側に腰を掛けて、読書に講じる。正午を過ぎた頃から、雲が多くなって来たので、布団を仕舞うが、本は限のいいところまで読む。その後、フェンスの外に出て片付ける。
蔦を切っておこうとして、鎌の刃が左指に当った。当然、切れて血が出て止まらない。咄嗟に枇杷葉の生葉を1枚捥いで、患部を巻いた。おおっ!!血が止まったばかりか、傷みも消えたではないか。驚くべき威力に眼を瞠った。焼酎に漬けていなくても同じだ。
粗方、片付けて家に入り、枇杷葉のエキスで拭う。これまた傷み処か、傷口を塞いでおり、びっくり仰天する。素晴しい効果に、ここまでとは思われずたじろぐ。医者要らずとは、身を以って知る。勤務先の同僚に、枇杷葉の生葉を採る。大きな葉がたくさんあり助る。
平岩弓枝さんも、宮城谷昌光さんも、ファンの一人でしかないが、その作品の殆んどが手にある。そういった方が、文化勲章や功労賞を受けられたことは、とても喜ばしい。読者は、作品の中に活躍する、史実の有様も不確かだが、その面白さは堪らない魅力だ。
歴史・時代物が好みであるが、矢鱈と殺生を行う内容にはついて往けない。書き手の癖があってもなくても、読者がのめり込める人物であってもらいたい。そうして、その時代の背景も、自ずと視える描写が必要だろう。お二人の作品には、情状をかき立てられる。
枇杷葉の周りから、仄かな微香が漂う。自宅の庭を開放する気にはならないが、環境的には最適な場所だ。図書館では、文化祭とブックカフェが催されているが、態々出掛けるには価しない。我が家で充分な縁側での、読書三昧には静けさがある。至福の時だ。
旧暦の、霜月と師走の予定を立てる。正月は休みたいのは山々だが、職員の人数的なことでそうもいかない。夜勤をしない分、日勤には辛い。年金ももうちょっとあるので、それまでは辞めれない。まあ、のんびりとはいかぬまでも、自分にあった暮らしをしよう。
桔梗が咲いた。清々しさに夏の涼風を想う。桔梗の種が何時しか零れて、新たに花が咲いてきた。
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