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がんばれ!朝日新聞。

2015-01-12 23:19:43 | ジャーナリズム
1月16日付の朝日ジャーナルに、朝日新聞社の誤報問題を検証した「第三者委員会」の委員でジャーナリストの田原総一朗氏が、検証作業を終えての感想を書いていた。

田原総一朗氏は、まさに「硬骨のジャーナリスト」と言える人だが、その田原さんが、「第三者委員を引き受けるに当たってはヒリヒリするような緊張感を懐いた」とのことだ。それは、伝統があってマスメディアの権威のような朝日新聞はエリート意識も高く、社員たちは高い誇りを懐いているはずだから、誇りをズタズタにされかねない検証作業に対して素っ裸になることができるか?という懸念があったからだという。

ところが作業を進めてみると、ヒアリング対象者になった朝日の社員たちは、第三者委員会に対していっさいの隠し事や口裏合わせをせず、体面にも囚われることなく本音で語ってくれたという。いわば、社をあげて「裸をさらしても良い」というほどの謙虚かつ真摯な姿勢で第三者委員会のヒアリングに臨んだらしい事がわかる。

朝日新聞は二つの大誤報を犯したが、それはエリート集団にありがちの思い込みに加え、官僚的なおごりと事なかれ体質によって起きたものだろう。それが、田原総一朗氏も驚くほどの謙虚さをもって検証作業に社をあげて協力したのであれば、それは同社が生まれ変われる兆しかもしれない。

朝日新聞の記事には、言論機関としての使命感・正義感が感じられる部分が少なくないが、それが強過ぎたゆえに世紀の大誤報を生んだという側面もあろう。今後は、第一線の記者が冷静に誤りなき記事を書き、経営陣も余分な口出しをせず、全社をあげて誤報を生まない紙面作りに邁進してほしいものだ。間違いがあれば直ちに訂正する勇気と謙虚さも欠かせない。

朝日新聞の社風には、良識や正義を追及するという貴重な傾向があるのも事実だから、図に乗って同社を必要以上に貶めるのには賛成できない。それは、日本の世論形成を偏った危険なものにしかねないからだ。第三者委員会の指摘を謙虚に受け入れ、問題点があれば猛省しつつ、朝日新聞社は、これからも社会を律する揺るぎなき木鐸であってほしい。

徹底した謙虚な反省の上にたってこそ、真の誇りある社風が確立されるに違いない。頑張れ!朝日新聞(2015.1.12)。


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