尖閣購入は、石原都知事に任せるべきだ！

野田首相は、７月７日、尖閣諸島の島を国が買い上げると発表して波紋を呼んだが、わざわざ国内の混乱と外国の干渉を招く行動に出る必要はない。

自民党時代も含めて、政府は及び腰の対応を続けてきたが、石原都知事が取得を具体化するに及んで、機先を制して政府が取得すると言い出すのはおかしい。都が手がけている仕事に、国が横合いから口を出すのは失礼だし、下手をすれば３０年も前から地主と接触を図ってここまでこぎ着けた石原さんの努力を水泡に帰しかねない。

外向的にも浅はかだ。なぜなら、東京都が地主から買い上げて管理するだけなら外国は文句を言いにくいが、国が直接に乗り出せば、外国が干渉する格好の口実を与えてしまうのだ。石原さんが言うとおり「君たちは黙っていなさい」という通りだ。中台の動きにアメリカ政府も慌てている。ここは石原さんに任せて、政府は当面、都が買い上げた後の管理で支援することに専念すべきだ。

野田首相が、尖閣諸島に対する毅然とした態度を表明したこと自体は正しいし、日本政府の姿勢を外国に見せつけるためにあえて波風を立てたのだとすれば、野田さんはたいした役者だが、それは深読みに過ぎるかもしれない。尖閣諸島は、歴史的にみて日本の領土であることは疑う余地がなく、１９７０年代に大陸棚資源が発見されてから、急に騒ぎ出した中国と台湾の動きは、余りにもご都合主義で笑止千万。問題にもならない。

都の尖閣基金への寄付は１４億円近くも集まっているというが、私もささやかながらポケットマネーで寄付をしている。多額の寄付は、国民の領土を守る気概の現れであり、政府もその意志を最大限に尊重して、外国の不当な干渉に対しては毅然とした態度を取るべきである。