東京都武蔵村山市議 すどう ひろし(須藤博)のページ

真実の政治・住民本位の政治が私の信条です。

議員報酬・日当制への疑問!

2008-02-23 16:41:52 | Weblog
昨今、議員報酬を「日当制」に変えた矢祭町が話題になっているが、マスコミを含めてこれを単純に賛美する人たちが少なくないのに驚いている。ほんとうに、日本人は深くものを考えないオメデタイ人種だ。
ごく小さな自治体が、財政難で緊急避難的にそれをやるのは良いことかもしれないが、全国の自治体で続々とこれをやれば、日本の地方自治は「冬」どころか「死の時代」を迎えるのではないだろうか。

議員が日当制で、あたかも審議会委員のように本職の片手間に議会を開くだけでは、中規模以上の自治体では、とうてい膨大な役所の仕事を責任を持って「監視」するのは不可能だ。議員の役割は、軽い「ご意見番」程度になるだろう。

多摩地域の民主党議員はほぼ専業だが、議員仲間に聞いてみると、専業ですら役所から届く書類のすべてに目を通すのはたいへんな仕事だと口をそろえる。私自身も、かなり必死の思いで目を通している。資料を見て、おかしな点は質問や指摘をするわけだが、それで役所の仕事の改善につながった事例は少なくない。
自治体の情報に精通して「モノ申す」のが議員の職分なのだが、議員が食うための本職で多忙では議会の監視機能は衰退し、かえって税金の無駄使いが増えるだろう。

我が武蔵村山市の職員は、ほとんどの人がまじめで優秀だ。
ただ、役人というものは、公僕としての公平性とか、役人として守らねばならない仕事のやり方に縛られる部分が多く、役所に長年いると、外の世界とは感覚が離れてしまうもので発想も硬直化してくる。それが、市民の目から見ると冷たいとか非能率とか形式主義と言われるゆえんだ。役所の、そういう陥りやすい欠陥を修正するのも、議員の大事な仕事だ。

それと、たいていの役所では人員削減が進んで、職員は人手不足で目の前の仕事の消化に精一杯だ。役人が気が回らない点を、議員が気付いて指摘(提案)するという場面は、全国的に増えているのではないだろうか。

そのような訳で、地方議員の仕事は「監視」機能に限らず、市民の声を吸い上げて、市民の目線で政策を実現するという、大事な「提案」機能があるが、これをやるには事前の綿密な調査が欠かせない。この点でも、日当制や無報酬では「思いつき」程度の発言しかできないだろう。議員が役人を動かすには、具体的なプランまで提示してみせなければ「検討します」でウヤムヤになるのがオチだ。

外国では、日当制や無報酬の議会制をとっている国も少なくないが、そういう場合は概して州政府・地方政府の権限や予算が大きく、末端の自治体の予算や権限は極めて少ないのが普通だ。市長すら名誉職で、何の権限もない自治体すら外国にあるが、そんな程度の軽い自治しか市民が望まないなら、矢祭町方式も良かろう。
だいぶ前に聞いたコンサートで歌っていた、ナポリの年配テノール歌手は市議会議員だと紹介されていたが、まさに名誉職だった。

しかし、日本のように、末端の自治体に大きな自治権と予算が与えられている国で、しかも市長や役人が、すぐに裏でこそこそと、良からぬことをやりたがるお国柄の日本で議会の力を弱めれば、市長やお役人の暴走を許し、結果として泣きを見るのは善良な庶民ではないのか。

経費削減は大事だが、議員にかかる経費は職員のそれに較べるとはるかに比重は軽い。少しばかりの(と言っては叱られる?)議会経費を削って「役人天国」に逆戻りするなら、あまりにも浅はかと言わざるをえない。朝日新聞に、日当制が大きく特集されていたが、全然本質がわかっていない。記事を書くのは若手の記者だが、マスコミはもっと地に足の着いた勉強をするべきだ。

※福島県矢祭町の議員報酬は議会や公的な会合などの一回の出席ごとに3万円だ。町の人口は6800人で武蔵村山市の10分の1、戸数はわずかに2000戸だ。このように小さな規模の自治体のやり方で、はたして大型の自治体がやっていけるだろうか。


地方議員の仕事の「中身」

2008-02-23 16:36:11 | Weblog
地方議会の議員の仕事ほど、中身の見えにくいものはない。先頃、我が武蔵村山市では、議員の報酬アップが答申されたが、多くの市民から反対の声が上がった。私が話した市民の中にも「ろくな働きをしていない市議に払う金は税金の無駄遣いだ」という意味の発言をする人さえ。たしかに、市議の仕事は見えにくいから、そう思われても仕方ないが、私たち当事者も、もっと説明責任を果たさねばなるまい。

市議の仕事の第一は、(市民の目線で)市役所や国の政治を監視することだ。監視といっても、チェック機能と同時に提言とか市民の先頭に立って行動することも含む働きである。昔は3割自治といって、自治体の仕事の多くは国の下請けだったため、地方議員はなかば名誉職でよかった。
しかし、いまや地方と国は対等である。議員も汗を流して役人と知恵を競う時代に突入している。質問は、役人が気付かない点を、市民の目線で指摘したり提言したりするという点で、役所と議会は車の両輪に喩えられる。議員がぼーっとしていたら、市民の血税が垂れ流されるのだから、私たち議員は予算や決算委員会では目を皿のようにして、必死に分厚い書類と格闘するのです(表紙の写真は、決算委員会のときのもの)。

地方議員の仕事は、想像以上に多忙だ。議会は年に4回、4ヶ月しかないのだが、質問の材料や資料を揃えるのは時間も手間もかかる作業で、議会が終わった後も事後整理と活動報告作りや配布・発送がある。市民からの相談事は、1件ごとにかなりの時間が必要になるが、これはもっともやりがいのある仕事で、解決した時のうれしさは別格だ。
政党に属していると、党の用事や政治活動、それに各種選挙も毎年のようにあって、其の度にきりきり舞いになる。地方議員といえど、実際には国政や都政がらみの仕事もけっこう多い。それに、地域の催しへの出席とか、自治会など、各種市民活動の先頭に立つのも地方議員の仕事だ。いつも慌しくて、議会が終わったと思ったらすぐに次の議会が始まるというのが、いつわりなき実感ではある。


高い?安い?地方議員の報酬

2008-02-23 16:30:28 | Weblog
武蔵村山市では、議員の報酬と市長等、理事者の給料を値上げするべしとの答申が報酬審議会から出された(平成20年1月17日付)。議員は月額3万円。市長・副市長・教育長は2万5千円の値上げ答申である。
議員報酬は平成8年いらい、役人の給料が上がっても据え置きが続き、このままでは、議員の人材供給に不安があるという認識が審議会にはあったようだ。
審議会の答申をじっくり読むと、豊富な資料に基づいていろんな議論がなされている。読売新聞が多摩版で「優秀な人材を集めるためには値上げが必要だ」と単純に報じて市民の怒りを誘ったが、それだけに終始していたわけではではない。

私は、最近の経済の乱調、庶民税制の改悪の中での報酬引上げは見送るべきとの認識から、議会内の意見のとりまとめを市議会議長に要請していた。市長が値上げ議案の提出を見送った背景には、議長(宮崎起志氏)の調整があったに違いない。
同僚市議の中には、市民といっしょに反対の署名運動をする人もいたが、自分たち議員の身分に関わることなのだから、いきなり議場外の乱闘よりも、まず自分たちで話し合うのが議会人としての筋だと思っている。

いろいろな経過はあったが、結果として、市長は3月議会に値上げ案を提出するのは見送ったのでほっとした。とはいえ、この問題は実に難しくて根の深い問題をはらんでいる。単純に反対とか賛成とか言えないというのが本音だ。

議員報酬は武蔵村山市では年額で764万円で、額面だけから見れば、この地域の給与水準からすると悪くない。しかし、じっさいの手取り額はここから2~3割下がってしまうという、地方議員ならではの実態がある。
まず、引かれるものがメチャ多いというのが議員報酬の構造だ。年額100万円近い議員互助年金に加えて、通常の国民年金も払い、サラリーマンよりもはるかに高い国民健康保険料と介護保険料を払う。自営業者なら経費が認められるが、議員報酬では経費が認められないから国民健康保険料と介護保険料がえらく高くなってしまう。これに50万円以上払っている議員はざらにいる。

地方議員の場合、政治活動のための費用はどこから捻出するかといえば、税金を支払った残りの、本来は生活に回すべきお金を割いている。政党に属していれば当然必要な党費や機関紙代、関連団体のパーティー会費、地域での付き合いの費用、活動報告の印刷代や郵送代、電話代、交通費、事務用品費、調査費用、選挙費用など政治活動にはかなりの費用がかかる。
国会議員は、給料の他に「文書交通なんとか費?」という、政治活動費が月に100万円出ているが、地方議員にはそういうものはない。本市では、月額1万円の政務調査費があるが、これは調査活動にしか使えないし、それにも足りない。

そんなわけで、地方議員の700万円台の年収は、公務員の給料に換算すると500万円台の半ばから600万円程度になるのではなかろうか。本市の役人の平均年収は議員報酬程度と記憶しているが、議員の可処分所得はそれよりだいぶ低くなるにちがいない。加えて、議員にはベースアップも退職金もないわけだから、会社員や公務員を辞めて若い人がチャレンジするのは、相当な使命感の持ち主に限られるだろう。
もし本人にやる気があっても、子供の教育費にも事欠く状態で4年ごとに失職(落選)の危険にさらされ、おまけに世間の目が厳しい職業だから、立候補にさいして家族の反対を押し切るのは容易でない。

私自身は、もう子育ては終わっているから、これ以上にほしいとは思っていない。だが、これから立候補する若くて子育てに金がかかる年代の議員には、せめて公務員並の待遇は必要だと思っている。
大企業や官庁は概して給料が高いが、待遇を良くしないと優秀な人材が集まらないのは、求人の普遍的な常識だ。地方議員が昔のように名誉職でよいならいざ知らず、役人と対等に渡りあえる人材を議会に呼び込むには、職責に見合った収入の保証は必要だと思う。

では、どんな解決策があるだろうか。私は、生活費とは別立ての「政治活動費」を地方議員にも支給すべきだと思っている。政治活動には、チラシ1枚撒くにも金がかかるのに、所得税を支払った後の生活費から経費を捻出している。サラリーマンだって役人だって、仕事のために必要な経費は会社や官庁から支給されるのに、地方政治家は「自腹」だから実質的な収入が低くなってしまうわけだ。その点が改善されれが、報酬部分は値上げどころか下げられるかもしれない。
地方議員の互助年金は12年かけないと支給資格が得られないが、公務員共済と一本化して、1期4年でもそれなりに貰えるようにすれば、サラリーマンの立候補者がもっと増えるに違いない。


3月議会に向けて

2008-02-08 01:25:31 | Weblog
市議会は、一年に4回開かれます。次は3月で、現在そのための準備中です。
市議は、一年に4回しか出勤しなくて楽だと思われますが、それは誤解です。
議会が休会中も、いっぱい仕事があって、家にいてもデスクワークも多くて
なかなかに忙しい商売なのです。
市議の仕事の中心部分は、市長(市役所)の仕事をチェックすることで、市民の代わりにお目付け役を果たすのが役目です。じっさい、議場で厳しく役人の仕事の不備を指摘する場面も時々あります。
予算や決算の委員会では、市役所の仕事全体を見ることができますから、市民の目線で質疑したり注文を付けるのも大事な仕事になっています。とりあえず、2月末から始まる3月議会は、予算審議があるためすごく忙しくなります。