東京都武蔵村山市議 すどう ひろし(須藤博)のページ

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北方領土!! 「共同管理」で日ロ友好の島に

2012-05-19 14:16:23 | 政治
~羅臼海岸から北方領土を望む(クリック拡大で、島影がくっきり)~ 撮影=須藤

フジテレビの番組、「LIVE 12 ニュースジャパン」が北方領土・択捉島でのルポを放送していた(2012.5.18)。私は、北海道の根室(中標津)の出身なので北方領土に強い関心を持っている。

その番組は、島に住んでいるロシア人へのインタビューが中心の番組で、何人かのナマの声を放送していた。島で生まれた女学生は、狭い島では活躍の場所が無いためモスクワに出ると言っていたし、ロシアの管理に限界を感じて、日本に引き渡した方が良いと語る中年の住民や、日本との共同管理を口にする住民もいた。

北方領土は、天皇が降伏を宣言した後でソ連が侵攻したもので明白な国際法違反だ。連合国側の第二次大戦でのポリシーは、「ドイツや日本による植民地を回復させるために参戦するのであって、敗戦国の領土は奪わない」であり、帝国主義・侵略主義からの決別こそが第二次大戦の大義名分であった。その後、アメリカは連合国の方針通りに沖縄返還を行ったが、ロシアは相変わらず北方領土の占有を続けている。どう見ても連合国の一員として筋が通らない。

戦後間もない時期に、当時の鳩山総理は主要閣僚を伴ってクレムリンで返還交渉を行い、平和条約の締結後に歯舞・色丹の2島を返還するという合意文書を残した。しかし、この文書では残りの国後・択捉島の返還交渉に触れていなかったため、その後の交渉にしこりを残す火種となった。

番組では、プーチン大統領の「日本語には、“引き分け”という言葉もあるではないか」との意味深長な発言が紹介されていた。しかし、2島返還論の歯舞・色丹島は、他の2島に較べればひどく小さく、日本側からすれば2島だけでの幕引きでは「引き分け」にはならない。とは言え、北方領土は長年の実効支配でロシア化が進んでおり、返還交渉は容易でない。

だが、両国が国益を損なわずに友好的な解決を図れる可能性はゼロではないだろう。番組のインタビューで択捉島の住民の一人が言っていた、「共同管理」については、私も前から同じような考えを持っていた。北方4島を、「日ロ友好の地」として両国が共同管理し、漁業・観光・シベリア開発等の拠点にしてはどうだろう。

北方4島の「帰属」は大きな問題だが、長期間棚上げするとか、香港やマカオの例に倣ってロシアに長期の「租借権」を認める方法もある。香港やマカオの租借権は99だったが、租借権が切れる頃には、世界から国境が消えているかもしれない。

ロシアは、すでに鉄のカーテンの共産主義国家ではなく、徐々に自由陣営との垣根は低くなってきている。領土問題さえ解決すれば日ロ関係は大きく前進するだろう。私は、北方4島の共同管理は、検討に値する考え方だと思っている。日ロ両国が、知恵を絞って島を共同で経営する解決こそが、真の意味での「引き分け」と言えるのではないだろうか。