8月初旬、2泊3日で沖縄に行ってきました。動機は、沖縄の米軍基地と辺野古の海を、まず自分の目で見てみたいという想いからです。基地の重圧に苦しむ沖縄を報道では知っていても、自分の目で見て体で感じなければ本当の理解はできません。
沖縄の青い海(実物は写真の何倍もきれいです)
沖縄に行ってみて強く実感したのは、海の限りない美しさでした。沖縄の海の色は、宝石のエメラルドも上回るであろう透き通ったブルーで、それが濃淡の縞模様を描きつつ幾重にも沖へ向かって広がっています。
浅瀬の海底は数百メートル沖合までサンゴ礁でできているため、海水が空の青さを反射して得も言えぬ美しさです。サンゴ礁が途切れて急に深くなるあたりの沖合で、砕ける波が長い帯のように白く光って青い海水との見事なコントラストを描いています。
キャンプ・シュワブ拡張計画
辺野古の海(大浦湾)には、豊かで広大な浅瀬が広がっています。悲惨な沖縄戦では、大浦湾の藻や魚介類を食べて生き延びた住民も少なくなったいうことです。海の生き物は海草の繁茂する浅瀬でしか育たないので、海を壊せば魚貝類もいなくなります。絶滅危惧種のジュゴンも、辺野古の豊かな海藻を食べて細々と生きながらえているので、この先、大規模な埋め立て工事で土砂が流れ込めば死滅するに違いありません。生き物が住めない自然環境は、人間にとっても有害で住みにくいものになります。
辺野古・キャンプシュワブ正門前の座り込みテント
アメリカ軍は、ずいぶん前から辺野古の拡張(埋め立て)を日本政府に要求していたようです。広大な辺野古岬を占有しているキャンプ・シュワブは、米軍の訓練場を兼ねた出撃基地です。陸上部隊と海上部隊との一体的な運用には広大な土地が必要とアメリカは主張し、普天間基地を移設するにはキャンプ・シュワブ前の埋め立てしかないという結論に、日米両政府は行き着いたという訳です。
キャンプ・シュワブ正門前の抗議行動
地元民が大事にする海を埋め立ててまで巨大な軍事基地を確保したいなら、ハワイやグワムといったアメリカ国内の海岸でやれば良いtも思えます。しかし米国民はそれを許容しないだろうし、フィリピンや韓国とても拒否するでしょう。激戦の末に占領した沖縄だからこそ、悲しいかなアメリカの占領状態が続いています。「他国の国土だから、米国は貴重な海の埋め立てを平気でやれるのだろう」と地元の人が怒っていましたが、日本政府は、唯々諾々とアメリカの意向に従うのみです。キャンプ・シュワブ前にて
ヘリ基地が6つも建設されているという、沖縄北部の高江地区にも行ってきました。ここでは、新たに建設されるオスプレイ用とみられるヘリ基地の建設に対して、沖縄県民の反対運動が続いています。ヤンバルクイナが生息するヤンバルの森は、南方のジャングルを想わせる鬱蒼とした密林地帯で、開発と軍事訓練で動植物が脅かされるのは好ましくないと、強く感じました。
高江の反対運動テントで
普天間基地を「嘉数の丘」から遠望すると、飛行場が大都市の「ド真ん中」にあることが、実感として良くわかります。住宅が密集している普天間市で、軍用機の墜落事故による大事故がこれまで起きなかったのが不思議なくらいです。少し北方の嘉手納基地も見学しましたが、安全面で普天間よりは多少マシだとしても大同小異です。
上が普天間飛行場
憲法九条によって正式の軍隊を持てない日本は、国防の基本をアメリカに依存しているため、安保条約によって守られているのも事実です。しかし、アメリカはベトナム戦争やイラク戦争といった「無駄な」戦争をしかけては失敗を続けているのに、大義のない戦争のために沖縄だけに重い負担を押し付けるのはおかしい、と怒る気持ちは痛いほど良くわかります。案内してくれた沖縄在住の元テレビマンの方は、沖縄県での基地関係の収入は5%に過ぎず、基地による経済的な恩恵は少なくて迷惑施設なだけだ、力説していました。
平和の礎(いしじ)の前で
初訪問の沖縄を駆け足で回った3日間でしたが、本土で暮らす私たちも、沖縄の人たちの気持ちに寄り添って、基地問題を真剣に考える義務があると思います。沖縄がアメリカの極東戦略にとって都合の良い立地条件にあり、日本の防衛にとっても要衝でもあることが沖縄の不幸の原因であり、日本全体のジレンマでもあります。しかし、ヤンバルの森の軍事基地化や辺野古の海の埋め立ては「国土の破壊」に他なりません。本土の人間は、沖縄の実情をもっと知って深刻に考え悩むべきだと強く感じた次第です。
沖縄の青い海(実物は写真の何倍もきれいです)
沖縄に行ってみて強く実感したのは、海の限りない美しさでした。沖縄の海の色は、宝石のエメラルドも上回るであろう透き通ったブルーで、それが濃淡の縞模様を描きつつ幾重にも沖へ向かって広がっています。
浅瀬の海底は数百メートル沖合までサンゴ礁でできているため、海水が空の青さを反射して得も言えぬ美しさです。サンゴ礁が途切れて急に深くなるあたりの沖合で、砕ける波が長い帯のように白く光って青い海水との見事なコントラストを描いています。
キャンプ・シュワブ拡張計画
辺野古の海(大浦湾)には、豊かで広大な浅瀬が広がっています。悲惨な沖縄戦では、大浦湾の藻や魚介類を食べて生き延びた住民も少なくなったいうことです。海の生き物は海草の繁茂する浅瀬でしか育たないので、海を壊せば魚貝類もいなくなります。絶滅危惧種のジュゴンも、辺野古の豊かな海藻を食べて細々と生きながらえているので、この先、大規模な埋め立て工事で土砂が流れ込めば死滅するに違いありません。生き物が住めない自然環境は、人間にとっても有害で住みにくいものになります。
辺野古・キャンプシュワブ正門前の座り込みテント
アメリカ軍は、ずいぶん前から辺野古の拡張(埋め立て)を日本政府に要求していたようです。広大な辺野古岬を占有しているキャンプ・シュワブは、米軍の訓練場を兼ねた出撃基地です。陸上部隊と海上部隊との一体的な運用には広大な土地が必要とアメリカは主張し、普天間基地を移設するにはキャンプ・シュワブ前の埋め立てしかないという結論に、日米両政府は行き着いたという訳です。
キャンプ・シュワブ正門前の抗議行動
地元民が大事にする海を埋め立ててまで巨大な軍事基地を確保したいなら、ハワイやグワムといったアメリカ国内の海岸でやれば良いtも思えます。しかし米国民はそれを許容しないだろうし、フィリピンや韓国とても拒否するでしょう。激戦の末に占領した沖縄だからこそ、悲しいかなアメリカの占領状態が続いています。「他国の国土だから、米国は貴重な海の埋め立てを平気でやれるのだろう」と地元の人が怒っていましたが、日本政府は、唯々諾々とアメリカの意向に従うのみです。キャンプ・シュワブ前にて
ヘリ基地が6つも建設されているという、沖縄北部の高江地区にも行ってきました。ここでは、新たに建設されるオスプレイ用とみられるヘリ基地の建設に対して、沖縄県民の反対運動が続いています。ヤンバルクイナが生息するヤンバルの森は、南方のジャングルを想わせる鬱蒼とした密林地帯で、開発と軍事訓練で動植物が脅かされるのは好ましくないと、強く感じました。
高江の反対運動テントで
普天間基地を「嘉数の丘」から遠望すると、飛行場が大都市の「ド真ん中」にあることが、実感として良くわかります。住宅が密集している普天間市で、軍用機の墜落事故による大事故がこれまで起きなかったのが不思議なくらいです。少し北方の嘉手納基地も見学しましたが、安全面で普天間よりは多少マシだとしても大同小異です。
上が普天間飛行場
憲法九条によって正式の軍隊を持てない日本は、国防の基本をアメリカに依存しているため、安保条約によって守られているのも事実です。しかし、アメリカはベトナム戦争やイラク戦争といった「無駄な」戦争をしかけては失敗を続けているのに、大義のない戦争のために沖縄だけに重い負担を押し付けるのはおかしい、と怒る気持ちは痛いほど良くわかります。案内してくれた沖縄在住の元テレビマンの方は、沖縄県での基地関係の収入は5%に過ぎず、基地による経済的な恩恵は少なくて迷惑施設なだけだ、力説していました。
平和の礎(いしじ)の前で
初訪問の沖縄を駆け足で回った3日間でしたが、本土で暮らす私たちも、沖縄の人たちの気持ちに寄り添って、基地問題を真剣に考える義務があると思います。沖縄がアメリカの極東戦略にとって都合の良い立地条件にあり、日本の防衛にとっても要衝でもあることが沖縄の不幸の原因であり、日本全体のジレンマでもあります。しかし、ヤンバルの森の軍事基地化や辺野古の海の埋め立ては「国土の破壊」に他なりません。本土の人間は、沖縄の実情をもっと知って深刻に考え悩むべきだと強く感じた次第です。