東京選挙区の参議院議員・鈴木寛(すずかん)の総決起大会が6月27日(木)、日比谷公会堂で行われた。参院選の告示日は、7月4日に迫っている。午後6時半の開始時間に会場に着くと、一階は満席で2階席しかないほどの盛況だった。
交通不便な武蔵村山市から、わざわざ日比谷まで出て行ったのには理由がある。「すずかん」さんには、どうしても今度の選挙では当選してほしいからだ。私自身、教育を主要テーマとしていることもあり、政党の枠に留まらない、彼のエネルギッシュな仕事ぶりに敬意を払っているからだ。
今から8年前、私は鈴木寛さんを地元に招いてミニ講演をしてもらった。テーマは、彼が主導して制度化した、「コミュニティースクール」についてだった。この制度は、地域に開かれた学校を作るのが目的で、彼が多様な人脈を駆使して野党議員にもかかわらず成し遂げた成果だった。
講演では「武蔵村山市でもコミュニティースクールをぜひ!」、と励まされたが、その後、私は当然ながら議会質問でこれを話題にした。わが町の市教委では、しばらくしてこの制度の検討が始まり、今では、あと数年で市内の全校がコミュニティースクールに指定されるに至っている。
この日の総決起大会は、政治家の集会としては異色だった。開始直後の舞台に、「六本木合唱団」という男性の熟年集団が登場した。各界の錚々たるメンバーらしいが、中央には「すずかん」がいて、歌いながら指揮をしていた。彼は、スポーツに音楽にと多芸多才で、ご自身がボーカルをやっているロックバンドもある(あった?)。
日比谷での総決起大会には、海江田代表や細野幹事長などの国会議員や労働界代表などが多数参列し、私たち地方議員も紹介されたが、登壇者が口々に力説していたのは、「ずずかん」の特徴は、党派を超えた仕事ぶりにあるという点だった。これまでに多くの実績を残してきた原動力は、他党や省庁との横断的な人脈によるところが大きい。
今回の催しで改めて知って驚いた点は、参議員の仕事と同時進行で教師の仕事を続けて、多くの有意な人材を育てているということだった。舞台上に、ずらりとオレンジのTシャツ軍団が並んだが、東大、慶大、早稲田等の学生やOBで、「すずかん先生」の薫陶を受けて各界で活躍している若者たちだった。教育支援や福祉の会社やNPOを立ち上げて、東北の被災地支援等、全国的に活躍している人たちが勢ぞろいした。
彼らの壇上での挨拶でわかったことだが、鈴木寛議員は、学生たちの教育を文字通り「命がけ」で続けていたらしいのだ。ゼミ?が自宅で夜中から始まるとか、学生の相談を3時から受けて5時まで真剣に話を聞いてくれたという話が次々に飛び出した。それがずっと続いて、睡眠を3時間しか取らない生活を続けていたらしく、彼は、学生たちのために過労死ラインをはるかに超えて働いていた事になる。
最近でこそ顔色は健康そうだが、彼は8年前に武蔵村山市に来た時も、前回の参議院選挙でも、顔色は病人のようだった。その理由が、過労死ラインをはるかに超えた激務にあったというのが初めてわかってびっくりした。並みはずれた人間愛がなければ、そこまで出来るものではない。
現在、「すずかん先生」の薫陶を受けて育った若者たちが、たくさんのNPOや市民組織を立ち上げて全国で活躍している。彼が教師として素晴らしいということと、いかに情熱をもって背中を押してくれたかということを、若者たちは口々に語っていた。
民主党は、政権運営の稚拙さと内部対立で信頼を失ったが、「人にやさしい施策」という側面では立派に成果を上げたと思う。児童手当の増額と35人学級の推進。学校耐震化の予算優遇。高校の無償化で中退者を大きく減らすなど、民主党政権は福祉・文教予算を熱心に増やしたが、それらは鈴木寛が引っ張った側面が大きい。
医療行政にも情熱を注ぎ、医療予算を増やして病院倒産を激減させ、救急車のたらい回しがさほどニュースにならなくなったのは、彼の努力による処が大きい。さらに、中小企業予算を増やして倒産件数を激減させる施策にも関わるなど、「すずかん」は多方面で成果を上げている。政府をグイグイ引っ張った力量は、民主党政権の中でもトップクラスではないだろうか。
彼は、通産省の出身だから役所の動かし方を知っているし、政界・官界への人脈も豊富だが、まず何よりも人間を大切にする情熱がすごい。教え子が語っていたが、「実現は無理だろう」と思いつつ相談に行くと、逆に「できるのだ」と激励され、解決法を伝授してくれるという。「すずかん がいなくなったら困る」というNPO関係者がたくさんいると、ある議員OBが言っていたが、うなずける話だ。
彼は、省庁の縦割りに関係なく官僚を動かし、超党派で政策を仕上げ、グイグイ政治を前に進める実力者だが、少しも威張らず飾らずという風情だから、人間的にも好感が持てる。鈴木寛さんは、日本になくてはならない逸材だから、来る参院選では、どうしても再選を果たしてほしい。