民平的幸せ体感記3【40代編】

かつて世界一周一人旅をした「みんぺ~」のユルくてどうでもいいブログ。ちょっとハッピーな気持ちになれるとかなれないとか。

実家と児童養護施設職員

2019年07月30日 | 児童養護施設の仕事
ただいまー。

おかえりー。

元気そうだね。

いやぁー色々あるんだけどさ。

そりゃそうだよねー。

まぁゆっくりしていってー。

ずっと施設で育ち、何年か前に巣立っていったAさんが一時的に帰ってきた。

とある専門学校に進学した彼女は寮生活を送っている。

格安で生活出来てありがたいのだけど、その寮は長期休み中は閉められてしまい、各自、実家などに帰省する。

Aさんとうちの施設の関係は良いので、こうやって帰省先として受け入れてあげられる。

でも例えば何か事情あって関係が悪くなってたり、受け入れが困難な時、彼女はどうしたら良いんだろ?

この暑い夏、どこで過ごしたら良いんだろ。

新しく建て替える施設では、こういったコたちが快適に過ごせる部屋も確保する予定だ。

施設なので「実家」にはなれないけれど、「実家みたいな場所」であり続けたいと思う。

そしてそんなコたちを、知ってる人が笑顔で出迎えるって大切なコト。

かつて生活を共にしたそのコたちの言葉から学ぶコト、元気付けられるコト、反省するコト、笑えるコト…沢山ある。

児童養護施設職員は、長く勤めれば勤める程、見えてくるコト、感じられるコトがある。

〇〇(施設名)って良いトコだよねー。

Aさんがそう言ってくれた。

成果が見えにくい仕事だけど、Aさんたちの存在や言葉が、ボクたちの仕事の成果であり、結果なんだと思う。
ありがとう。

長く勤めようと思う。

おかえりーって言ってあげられる一人でいられるように。

この仕事に就いて19回目の夏、そんなコトを改めて思った。

夏休みと児童養護施設職員

2019年07月27日 | 児童養護施設の仕事
長い夏休みが始まった。

子どもがいる家庭がそうであるように、いや、それ以上に児童養護施設の夏休みは長く感じる。

そして疲れる。

暇だー

暑いー

宿題イヤだー

そんな連呼は一般家庭と変わらない。

それに加え、夏休み中、家に帰れるコと帰れないコの不平等感は、ボクたちにどうしようも出来ないのである。

嬉しそうに親に連れられて帰省していくコを見送る時、残されるコたちはどれだけ複雑な想いなんだろうか。

そんなコたちの寂しさを埋めるのは楽じゃない。

たぶんムリなんだと思う。

アイツだけずるい…

施設なんて…

不満や不安の矛先はボクたちに向き、それを色々な形で受け止めないといけない。

疲れる。

だけどそこで諦めちゃいけないのがボクたち施設職員でもある。

それが仕事だから。

という訳で昨日は、暇だ暇だと連呼してゲームばかりしている中学生たちを連れて公園に。短時間ではあったけど、一緒に汗を流した。

夕方からは小学生一人を連れて林へ。2年ぶりに行った林は色々変わっていたし、明るい時間帯だったのでどうかなーと思っていたけど…
…7匹GET!

ゲームより面白いだろー?

うん、楽しい!

最後は回転寿司へ。
食べ終えたら職場に戻ってデスクワーク。

終わってからは後輩たちの待つ居酒屋へ(笑)

ヘロヘロでクタクタな心身に生ビールが染み渡る(笑)

暑くて、長い一日だったけど、やっぱり子どもはゲームやってるより外で元気に動き回ってる方が良いよなーとしみじみ。

てか夏休みはまだ初日…(^o^;!!!

そして一日中、家に引きこもって留守番してたコキータくんとも夏の思い出作らないとなー。

とりあえず公私とも、事故なく健康な夏休みでありますように。

胃カメラ攻略法!?

2019年07月17日 | 日記
ボクは胃カメラが好きだ。

それは言い過ぎだけど嫌いではない。

回を重ねる毎に慣れてきて、一年に一回のこの日が楽しみでもある。

全然大変じゃない。

胃カメラが趣味と言っても良いくらいだ。

快感になりつつある。…自分にそう言い聞かせながら、その時を待った。

何だって気持ち次第だってコトはこれまでの人生で学んできた。

何事も気の持ちよう。

ボクは胃カメラが好きだ。

ボクは胃カメラが楽しみだ。

ダメだ、ウソだ。

好きじゃないし、楽しみでもない。

何度やっても胃カメラって怖いし不安だ。

でも何とかなるはずだ。

そこで考えた。

草食動物は、肉食動物に捕らえられて食べられる時、脳から特別なホルモンが分泌され、苦しいどころか快楽になるという説があるそうだ。

誰も実証できないんだろうけど。

生物には進化していく中で様々な本能的能力が備わっているのは事実。

ってことは、人間だって胃カメラの寸前、恐怖感を究極まで高めたら快感になるのではないか。

これは試す価値がある。

自分の中の新たな能力を導き出すべく、恐怖精神を高め、研ぎ澄ませてみた。

すると、何だか眠くなってきた。

まぶたが重くなり、あくびが出る。

お、これか?

喉の麻酔をして処置室に入った。

処置台上に横たわり、鎮静剤(セルシン)を注射…意識が遠のいていく。

いつも通り、これでもかって位に不快だったけど、気がつけば終わってた。

その後、車椅子で別室に運ばれ数時間、記憶がない。

人間ってすごい!

ボクは43歳にして進化を遂げた。

新たな能力開発に成功した。

いやいや、寝不足で眠くて、セルシンがきちんと効いたってだけの話だ(笑)

それにしても胃カメラ後の食事って本当に美味しい。
冷しゃぶランチ@夢(飯田市鼎)

この美味しさのために胃カメラをしていると言っても過言ではない…いや、過言だなぁ(笑)

安定の不快感だった胃カメラ、来年こそは新たな能力を開発して快適な胃カメラタイムにしたいと思う。

※胃カメラ攻略法なんてものがあったら教えて下さい^_^;

吹奏楽部と父ちゃん

2019年07月15日 | 日記
Bくんの演奏から三時間後、同じ会場のステージ上に、我が娘そらネェがいた。

練習を休みがちで当日朝もなかなか起きれなかった、それでもステージ上で演奏したBくん。

児童養護施設職員として心より感動したし、元気を貰えた。

さて、そらネェはどうだろう。

所属する吹奏楽部は、Bくんの所属する部より数倍の人数規模である。

そんな吹奏楽部に入部して一年が経った。

一年前は、ほぼ音を出せなかったけど、遊ぶ間や寝る間を惜しんで必死に練習を重ねてきたそらネェ。

仕事柄、沢山の中学生に出会ってきたけれど、彼女は超努力型中学生である。

勉強も部活も友達付き合いも手を抜かない。

すごいなーと親ながら思う。

あ、家族の前では全然完璧でないし、年齢相応に自己チューなのでご安心を(笑)

緊張と静けさの中から演奏が始まった。

今まで、部屋から断片的に聴こえていた音色が全て繋がり、一つの曲としてボクの心に響いてくる。

圧倒的、迫力の演奏だ。

すげー。

緩急ある見事な演奏を聴いていると、自然と涙が溢れてくる。

夜勤あけだから眠くてあくびが出たのか?涙腺が緩んでるのか?

よく分からない涙が溢れてくる。

部員一人ひとり、そらネェみたいに努力を重ねていたんだろう。

時に親に生意気なコトを言いながら…

時に顧問の先生への不満を口にしながら…

それでも家族に支えられながら…

友達の存在に励まされながら…

三年生にとっては金賞を取れなければ引退となる。

一人ひとりにドラマがあるんだろう。

もう妄想が止まらない(笑)スタンディングオベーション(心の中で)!

演奏終了後、ロビーに出てきた三年生たちは涙を流している。

キラッキラだ。

これを青春と言わずなんて言えば良いのだろうか。


夜勤あけで頭ボサボサのおじさんがそんな光景を前にもらい泣きしてる。

気持ち悪いって言わないで(笑)

先輩たちに続き出てきた、そらネェも緊張から開放された満足気な表情だった。

お疲れ様。

それから数時間後、見事、金賞を受賞したとそらネェから連絡があった。

おめでとう。無理してでもクラリネットを買ってあげてよかったなーとしみじみ。

児童養護施設の仕事はやりがいあるけれど、我が子の子育てもやっぱり負けない位に楽しくてやりがいある。

家族の理解と支えがあるから、仕事やオレンジリボン活動にこれでもかってくらいエネルギーを注げているんだと思う。

感謝感謝。

吹奏楽部と児童養護施設職員

2019年07月15日 | 児童養護施設の仕事
Bくんはいわゆる落ち着きのないコと言われるタイプのコ。

キレやすく対人トラブルも絶えない。

そんなBくんは中学生になり、吹奏楽部に入った。

身体能力を生かし、エネルギーを発散出来る運動部を選ぶだろう。

そんな周囲の予想に反し、吹奏楽部に入部して数ヶ月が経った。

練習は休みがちではあるけど何とか辞めずにいる。

今日は、三年生引退となるかもしれない地区予選当日だった。

前日、腹痛を理由に部活を休もうとするBくんを夜勤あけのボクは何とか励まし学校まで送り届けた。

そりゃプレッシャーだよなぁ。

今日も夜勤あけだったので、昨日より更に早く起こし(何度も何度も声をかけた末)、集合時間ギリギリに送り届けた。

ふぅ…何とか役割は果たした…と一安心。

聴きに行っても良い?

いや、来なくていいし。

送る車中、そんなやりとりがあったので、行くべきかやめとくべきか迷いながら職場に戻ったボク。

掃除やら他の子たちのフォローやらをテキパキこなして退勤…よし、行こう!

発表時間ギリギリに会場に駆けつけた。
ステージ上で演奏するBくんの姿を見て感動!

こうやって自信をつけていくんだなぁ…熱心にご指導下さった顧問の先生に感謝!!!

そんな感想を思い浮かべながらホール入口に行くと…寸前で閉められた扉…

え?

これからうちのコが演奏するんですっ!

少々ごねたけど、まぁダメだった。

審査に影響が出ると言われたら諦めるしかない。

残念。

でも設置されたスピーカーから、ホール内の演奏が聴こえてきた。

楽器に疎いボクには、どの音がBくんが演奏するトロンボーンなのかは分からない。

でも名前からしてたぶん低いこの音かなぁ…

ステージ上で頑張るBくんの姿を想像しながら耳を傾ける。

迫力ある素晴らしい演奏だった。

違和感ある音色は一切聞こえてこなかったので、たぶん上手に演奏出来たんだろう。

演奏終了後、ホールに入るとBくんは、ステージ上で楽器を片付けていた。

ちゃんとやってるんだなぁ。

演奏を終えてロビーを移動していくBくんを発見!

よく頑張ったね。

それだけ声をかけると、良い表情で頷くBくんだった。
こんな大きなステージでよく演奏出来たなぁ。

本当に感心するばかりだ。

やれば出来るコなのである。

子どもたちの背中を押すタイミング、押し具合ってホントに難しい。

結果が伴わないと、無理やりさせられた…本当は嫌だったのに…

そんな風に批判の対象としてくる場面がよくある。

生育歴からくる自己肯定感の低さによるものなので、「そうかそうか」とそんな姿も受け止める。

それもまた児童養護施設職員の役割。

言いたいコトをグッと堪える日々だ。

感情的な嫌味を言ったって意味はない。

基本的には我が子と同じに接しているつもりだけど、親子という関係ではないボクとBくん。

「親子」という関係性に甘えるコトは出来ない。

より丁寧に、より専門的に、よりエネルギッシュに、でも時にテキトーに、そんな関わりが必要なのである。

アツすぎも、クールすぎもダメ。

児童養護施設職員は、仕事として子育てをする職業だ。

学校の先生とは違う。

家庭での子育てとも同じ様で違う…違う様で同じ…そんな矛盾や難しさを抱えた仕事。

仕事感は出しちゃダメだけど、プライベートとの線引も上手にしないといけない。

本当に難しい、でもやりがいはある。

そんな仕事だ。