民平的幸せ体感記3【40代編】

かつて世界一周一人旅をした「みんぺ~」のユルくてどうでもいいブログ。ちょっとハッピーな気持ちになれるとかなれないとか。

(続)ドラゴンボールと児童養護施設職員

2019年07月14日 | 児童養護施設の仕事
小さなAくんは、ドラゴンボール作戦を実施した以降、就寝時間以降に出歩く行為はピタッとなくなった。さすがどんな願いも叶える神龍さま、ありがとうございます。

ドラゴンボールを順調に集めて約束通りジュースをGET!

とは言え、モノで釣るだけのアプローチになるのは本位ではない。

対応した後輩には、とにかく自販機でジュースを買う往復を楽しい時間にするようアドバイスした。

気がつけば、ジュースでなくて後輩との一時を楽しみにしてくれたらいいな、と。

小さなAくんは、買ってきたジュースを何日もかけて大切に飲んでいる。

毎日の楽しみに、でも誰かに飲まれないかビクビクしながら。
炭酸が抜けて甘いだけの飲み物なんだろうけど、すごく美味しいんだよ!って教えてくれた。

夜間の行動については改善出来たけど、他にもAくんの課題は盛り沢山。

様々な行動からAくんのこれまで置かれてきた環境が想像出来る。

皆で知恵を絞りながら、Aくんと向き合い、Aくんを理解しようと試みている。

小さな子どもがどんな事情であれ、親元を離れ、知らない街で知らない人たちとの生活が始まるって、不安でしかないだろう。

それを充分に理解した上で…

安心出来る場所にすること。

信頼できる大人たちだって思ってもらうこと。

大人は注意するだけの存在じゃないってこと。

少しずつ丁寧に、焦らずに。

言うのは簡単だけど、実際は本当に難しい。

児童養護施設職員の仕事は、子ども達に愛情を試される地道な、時にしんどい、でもふとした瞬間にやりがいを感じる。

そんな日々の積み重ねです。

ドラゴンボールと児童養護施設職員

2019年07月06日 | 児童養護施設の仕事
小さなAくんはまだ施設生活に慣れていなくて落ち着かない日々を過ごしている。

そりゃそうだ、どんな事情であれ、親元を離れて、知らない町で知らない人たちとの生活が始まったのだから。

Aくんは皆が寝てからも部屋を抜け出して、廊下をウロウロ、色々ないたずらをしてしまう。

不安だろうし、何か満たされないんだろう。

対応する保育士さんたちは、不安定なAくんの状態を理解しつつも、連日連夜のそんな彼の対応に疲弊していた。

落ち着かず不安定な行動をする→注意される→言うことを聞かない→また注意される→お互いに疲れる…

さて、どうしたものか。

聞くと、Aくんはドラゴンボールが好きなんだそうだ。

ドラゴンボールと言えば、色々ストーリーは複雑になっていったけれど、基本的にはドラゴンボールを7つ集めたらドラゴンが現れて願い事を叶えてくれるって話だ。

そこでこんなものを作成して、保育士さん達に提案してみた。夜、お部屋で静かに寝られたら翌朝ドラゴンボールをGET!

GETしたらしっかり褒めてあげる。

7つ貯めたら好きなジュースを買いに行ける。

そんなの上手くいくかな?という懸念の声もあったけど、提案に大喜びのAくんでした!と後輩保育士さんから報告があった。

ボクからもAくんに確認してみると…

頑張ればドラゴンボールをゲット出来るんだと嬉しそうに説明してくれた。

ゲット出来たら見せてねー。

うん!

ボク、頑張る!

で、初日となった昨夜、そーっと様子を見に行くと、いつもは出歩いてる時間に、スヤスヤと可愛い顔で眠るAくんだった。

おぉー!

翌朝、Aくんの戸棚に貼られたドラゴンボールシートを見ると…すげー!ホントにゲット出来たんだね!

ボク、頑張ったよ!

明日ゲットしたら見せてねー。

うん!

また見せてあげるね、いんぺーさん!

惜しい(笑)!

様々な発達や愛着の課題を抱えた子どもたちが穏やかに日々を重ねられるように工夫し、実践し、振り返り、また実践し…上手くいったり失敗したり…名前を間違えて覚えられたり(笑)

児童養護施設職員はそんな職業です。

夜勤二連チャンあけ、身体はヘロヘロだけど、心は元気ないんぺーでした!