民平的幸せ体感記3【40代編】

かつて世界一周一人旅をした「みんぺ~」のユルくてどうでもいいブログ。ちょっとハッピーな気持ちになれるとかなれないとか。

吹奏楽部と児童養護施設職員

2019年07月15日 | 児童養護施設の仕事
Bくんはいわゆる落ち着きのないコと言われるタイプのコ。

キレやすく対人トラブルも絶えない。

そんなBくんは中学生になり、吹奏楽部に入った。

身体能力を生かし、エネルギーを発散出来る運動部を選ぶだろう。

そんな周囲の予想に反し、吹奏楽部に入部して数ヶ月が経った。

練習は休みがちではあるけど何とか辞めずにいる。

今日は、三年生引退となるかもしれない地区予選当日だった。

前日、腹痛を理由に部活を休もうとするBくんを夜勤あけのボクは何とか励まし学校まで送り届けた。

そりゃプレッシャーだよなぁ。

今日も夜勤あけだったので、昨日より更に早く起こし(何度も何度も声をかけた末)、集合時間ギリギリに送り届けた。

ふぅ…何とか役割は果たした…と一安心。

聴きに行っても良い?

いや、来なくていいし。

送る車中、そんなやりとりがあったので、行くべきかやめとくべきか迷いながら職場に戻ったボク。

掃除やら他の子たちのフォローやらをテキパキこなして退勤…よし、行こう!

発表時間ギリギリに会場に駆けつけた。
ステージ上で演奏するBくんの姿を見て感動!

こうやって自信をつけていくんだなぁ…熱心にご指導下さった顧問の先生に感謝!!!

そんな感想を思い浮かべながらホール入口に行くと…寸前で閉められた扉…

え?

これからうちのコが演奏するんですっ!

少々ごねたけど、まぁダメだった。

審査に影響が出ると言われたら諦めるしかない。

残念。

でも設置されたスピーカーから、ホール内の演奏が聴こえてきた。

楽器に疎いボクには、どの音がBくんが演奏するトロンボーンなのかは分からない。

でも名前からしてたぶん低いこの音かなぁ…

ステージ上で頑張るBくんの姿を想像しながら耳を傾ける。

迫力ある素晴らしい演奏だった。

違和感ある音色は一切聞こえてこなかったので、たぶん上手に演奏出来たんだろう。

演奏終了後、ホールに入るとBくんは、ステージ上で楽器を片付けていた。

ちゃんとやってるんだなぁ。

演奏を終えてロビーを移動していくBくんを発見!

よく頑張ったね。

それだけ声をかけると、良い表情で頷くBくんだった。
こんな大きなステージでよく演奏出来たなぁ。

本当に感心するばかりだ。

やれば出来るコなのである。

子どもたちの背中を押すタイミング、押し具合ってホントに難しい。

結果が伴わないと、無理やりさせられた…本当は嫌だったのに…

そんな風に批判の対象としてくる場面がよくある。

生育歴からくる自己肯定感の低さによるものなので、「そうかそうか」とそんな姿も受け止める。

それもまた児童養護施設職員の役割。

言いたいコトをグッと堪える日々だ。

感情的な嫌味を言ったって意味はない。

基本的には我が子と同じに接しているつもりだけど、親子という関係ではないボクとBくん。

「親子」という関係性に甘えるコトは出来ない。

より丁寧に、より専門的に、よりエネルギッシュに、でも時にテキトーに、そんな関わりが必要なのである。

アツすぎも、クールすぎもダメ。

児童養護施設職員は、仕事として子育てをする職業だ。

学校の先生とは違う。

家庭での子育てとも同じ様で違う…違う様で同じ…そんな矛盾や難しさを抱えた仕事。

仕事感は出しちゃダメだけど、プライベートとの線引も上手にしないといけない。

本当に難しい、でもやりがいはある。

そんな仕事だ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿