民平的幸せ体感記3【40代編】

かつて世界一周一人旅をした「みんぺ~」のユルくてどうでもいいブログ。ちょっとハッピーな気持ちになれるとかなれないとか。

児童養護施設職員と感情労働

2020年07月14日 | 児童養護施設の仕事
児童養護施設での仕事はいわゆる「感情労働」である。
感情労働とは言え、いつも笑顔でいたり穏やかにいたりするだけが正しいとも限らない仕事だ。

その辺、一般的なサービス業とは少し違う。

子育てが仕事なので、時には厳しく叱らないといけない場面、厳しい現実に向き合わせないといけない場面、そして笑顔ではとてもやってらんない時だってある。

でもプロである以上、ネガティブな感情は極力ぶつけない様にしているし、もちろん暴力で解決するコトはない。

大きな声も出さない。

穏やかに、諭す様に、でも真剣に。

言うのは楽だが実際はなかなか難しく、胃が痛くなるコトも少なくない。

特にボクは支援チームのリーダーなので最後の壁として見守り、時には立ちふさがらないといけない。

先日こんなコトがあった。

夜ふかししていた中学生のAくんが「明日6時半に起こして」と頼んできた。

翌朝、頼まれた時間に起こすと「うるせー!」と怒り出す。

その後、15分毎に声を掛けるが起きない。

このままだと遅刻してしまう時間になり、その旨を伝えると「6時半に起こせって言っただろ!」と怒り出す。

いやいや、ちゃんと起こしたコト、うるせーと言われたコトを伝えると「きちんと起こさないと意味がないだろ!」とまた怒り出す。

なんて理不尽なっ(^o^;

でも、こんなコトは日常的だ。

怒りをぶつけたくなるけれど、グッとこらえて距離を取る様にしている。

そして、不登校がちだったAくんが最近朝から登校出来ているコト、不適切ではあるけれど甘えてきているコト、その後は切り替えて登校準備を始めたコトを評価する方に意識をシフトした。

せっかく作った朝ごはんを食べなくても、色々やりっぱなしでも小言を言わない。

「いってらっしゃい!」

どんなコトがあっても送り出す時は、気持ち良く声をかけるコトを大切にしている。

後から蒸し返してグチグチ言ったりは絶対にしない。

様々な事情や背景で自己中心的な言動や行動になっているコトを理解しているからだ。

もちろん正しい言動、行動ではないのでタイミングを見計らって修正は図っていかないといけない。

大人も子どもも素直に聞けるタイミングってのがきっとある。

この仕事は修行か?

たまにそんな風に思うコトもある^_^;

でも、お金貰いながら修行出来てるならまぁいっかと思ってみたり。

その日の夜、以前、ボクが担当していたBくんの親から連絡があった。

突然の連絡に悪い予感がしたけど、内容は予想外に良かった。

Aくんと同じく朝起きるコトが苦手だったそのコが、毎朝自分で起きて、自分で登校出来ている、と。

この当たり前のコトにどれだけのエネルギーを注いだものか…

久々に思い出して何とも言えない感情が湧き上がってきた。

施設にいた頃は、なかなか響かず行動が改善しなかったBくん。

そんな彼の「今の姿」、その変化の裏にきっとある頑張りに涙が出そうな位に嬉しく感じた。

そして近況報告と共に感謝の気持ちを伝えてくれた親の言葉がまた心底嬉しく感じた。

こういうコトがあると、やっぱりこの仕事はやりがいあるし、目の前のコにエネルギー注がないとなーと思う。

児童養護施設職員はブログで紹介出来ない様なしんどいエピソードも多い。

超感情労働である。

でも時々超やりがいを感じて頑張れちゃう特殊な仕事だ。
何年も前から構想を練ってようやく形になった新しい建物での生活はまだ始まったばかり。
これからも大小色々あるだろうけど、子どもも職員もハッピーな「家」にしていきたいと思う。


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