満点星

老犬タローは、この半年ばかりで、
だいぶ体力の衰えが進んできました。

200ｍも歩くと、
ハーハーゼーゼーと、
１ｋｍも全力疾走をしたあとみたいな
呼吸をするようになりました。

歩き方もゆっくりゆっくり、
こちらが立ち止まって待っているような
状況です。
歩いていると、
途中でこけてしまうこともあります。

いつまでも元気でいてほしい。
もっともっと長生きしてほしい、
そう思って散歩をしているのですが。


いつもだと、1月ぐらいから抜けはじめる
冬毛が、
やっと先週あたりから、
抜けてきました。
歳をとって代謝が悪くなったせいでしょうか。

ブラッシングをすると、
レジ袋いっぱいの
毛が抜けてきます。

こんなに冬の毛をまとっていれば、
暑くてハーハー言うわけだよな、
と

犬の衰えを
冬毛のせいにしている
自分に気がつきます。

動物だって、
人間だって、
歳を取ればみんな衰えて
当たり前なのですが。

普段、
診察室では、患者さんに
「歳を取れば
あっちこっち具合が悪くなるのは
当たり前なんですよ。
それは、病気じゃありませんよ」
などとわかったような口を開いているのに、

犬の衰えも、
そして自分の衰えも含めて
受け入れなければ
ならないのに、
全然わかっていない自分がいます。


ドウダンツツジが咲き始めました。
この花の漢字を
以前、初めて知ったとき、

思わず、
うれしくなったことを思い出しました。
だって、
満点星って書くんですから。