診療所だより

開業医gobokuの日記

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熱中症と なぜか「るろうに剣心」

2015年07月28日 | 診療
夏の高校野球が各地で繰り広げられています。

当地でも26日に決勝戦があり、
それをテレビで見ていました。

しかし、あの暑さのなか、高校生たちはよく頑張っているものです。

昨日27日も猛暑でした。
そんななか、午後、
60代半ばの患者さんが熱があるといってやってきました。

計ってみると38度5分、
だるくて仕方がないと言います。

この暑さです。まず熱中症を考えて、
「今日はどう過ごしていたんですか?」と聞いてみると、
「今日は朝から熱があって、寒くて布団を被って寝ていたんです。」とのこと。

それでは熱中症ではないなと思い、
ノドを見たり、胸の音を聞いたり。

でもどこにも所見はありません。

首を傾げつつ、念のため
「昨日はどうでしたか?」と声をかけると

なんと昨日はあの暑いなか、野球の審判をしていたと言うではありませんか。

ありゃま、それではこの熱は 熱中症?

点滴をして、首をアイスノンで冷やして
しばらくしてまた熱を測ると40度。段々上がってきました。

身体を触ると 足もお腹も胸も顔も体温がめちゃくちゃ高い。
これはなんとかしなければ。

下手をすると救急車です。
一瞬、大学に連絡を取っている様子が頭に浮かびました。

それから、沢山の保冷剤を持ってきて、動脈の通っているところへ直接あててテープで止めて、
洋服をまくって冷水のタオルをあてて、扇風機の風を送りはじめました。
看護婦さんが保冷剤やタオルをまめに換えてくれます。

そうすること1時間。
熱が38度台になってきました。
ご本人も 楽になってきたとのこと。
少しホッとした時、

最近テレビで見た「るろうに剣心」のワンシーン、
最後の戦いに臨む 志々雄に
「人は汗をかいて体温を下げるのだが、あなたは汗がかけないから、15分しか戦えない。
それ以上戦えばあなたはもたない。」
と言う意味の言葉がなげかけられたシーン

なぜか この場面が鮮やかによみがえってきました。
結局 志々雄はそれ以上戦って
体温が上がりすぎて 自ら燃えてしまうのですが。

幸い、患者さんは楽になりましたといって
燃えることなく 無事帰ることができました。


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