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A Dangerous Game of Chicken: 尖閣諸島とアフガンをめぐる「危ういイチかバチかの肝試し」ゲーム

2013-12-01 | グローバル政治
今日期せずしてこの言葉”A Dangerous Game of Chicken”が、二つの外交問題報道記事に現れた。

一つは中国が尖閣諸島を含む空域に防空識別圏(Air Defence Identification Zone: ADIZ)を一方的に設定したうえで、最新戦闘機を配備して、米国、日本、韓国を強く刺激し、西太平洋に緊張状態を作り出したことに関するもの。

Financial Timesは、“This is a dangerous game of chicken, China is testing the limits of the US-Japanese relationship, and the message from the US and Japan has been loud and clear.”(「中国は日米同盟がどこまで堅固かを試そうとしている」)との軍事評論家のコメントを掲載している。中国は、尖閣諸島帰属問題で、日米が軍事行動で対抗する危険を承知で、日米の譲歩を引き出すことを目的に危険な賭けに出てきたと論評されている。

今一つは、アフガニスタンのカルザイ大統領が、2014年以降米軍の撤収後の米国の軍事支援の内容を規定するBilateral Security Agreement (BSA:二国間安全保障協定)への調印を突然拒否して、来年4月の大統領選挙まで延期すると言い出したことに関するもの。CBS放送のWeb版では、カルザイ大統領がその影響力を維持するために、部族会議の賛成決議まで無視して米国に反旗を翻したことを、その見出しを、Afghanistan President Karzai in dangerous game of chicken with U.S. over post-2014 security pact「カルザイは2014年以降の協定の帰趨を試そうとしている」としたうえで、詳報している。

カルザイ大統領は調印を拒んで、自分の影響力を誇示し、米国から種々の譲歩を引き出そうとの魂胆である。しかし米国が2014年以降完全撤退してしまうという強硬策に出れば、タリバンに対抗できず現政権は瓦解してしまうのは必定である。米国もBSAが成立しなければ面目は丸つぶれで、オバマ大統領のグローバル戦略は立ち往生となる。

A Dangerous Game of Chickenとはゲーム理論で、甲乙二者が同じ強行突破か、譲歩かとの二者択一を迫られた状況を指している。どちらも強硬突破を選べば双方ともに破局、どちらかが譲歩すれば強硬策を取った方が一方的勝利者になる。(譲歩した方は、臆病者というわけでchickenと呼ばれる)双方が譲歩すれば平和的解決となる。

こうした火遊びが破滅的な結果をもたらすことがあることは歴史が証明している。そして北朝鮮がこの機にどんな手を打ってくるか、それも問題である。


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