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オバマ、ASEAN首脳会議に初めて出席 ‘Pacific President’

2009-11-16 | グローバル政治
2009年11月16日(月)

シンガポールでAPEC総会と同日に開催されたASEAN首脳会議に、オバマ大統領は、米国大統領として初めて出席した。

欧米諸国は、ASEANがミャンマーの1962年の軍事クーデーター以来とってきた非民主的な人権抑圧政策に、断固たる態度で臨んでこなかったことをこれまで厳しく非難してきた。

それもあり、米国はこれまでASEAN無視政策を貫き、高官の出席すら行ってこなかったことからするとおおきな政策の変換である。この大転換の裏には、この地域でますます影響力を増大させている中国への警戒感がある。東京演説で、オバマ大統領が自らを‘Pacific President’と呼んで、アジアへのコミットメントを深める意思表示をしたのも同じ背景からである。

オバマ大統領は、ASEAN首脳会議の伝統に従って、会議前に全員で手を組む行事にも参加した後円卓協議に臨んだ。しかし、ミャンマーのThein Sein首相と同じ部屋には入ったが、握手や直接の対話は両者の間にはなかった。

同会議で、オバマ大統領は、東京演説と同じく、ミャンマーの政治犯として20年間に渡って自宅軟禁を繰り返し課されているアウン・サン・スー・チー氏(Aung San Suu Kyi)の解放を求めた。

ただし、ASEAN首脳会議共同宣言には、即時解放は盛り込まれず、「ミャンマーの政治・経済改革を推進する新政策に期待する。国内の諸民族間の和解を達成し、2010年の総選挙が、自由で、公正で、すべての人々の意見が反映し、透明性のあるものとするよう望む」と述べるにとどまった。

こうしたASEAN諸国のミャンマーへの遠慮が先立つASEAN諸国は、現在のところ解決を米国頼みにしているのが実情である。制裁を加えながら軍事政権との対話を再開させようとする二面作戦(a two-prong approach)を進める米国の介入に期待しているのだとReutersは論評している。





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