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中国の5月のインフレ5.5%、バブル警戒水域に Committed to Mnetary-policy Tightening

2011-06-15 | 中国・ロシア・インド・ブラジル動向
2011-6-15

5月のインフレ率は前年比で、5.5%の上昇となった。これは中国政府の公式インフレ目標4%を大きく上回っているのみならず、オリンピックの直前の2008年7月のペースをはるかに超すというバブル状況であるとThe Wall Street Journalが報じている。

不動産関連こそもっともバブルを象徴するが、今年5月までの不動産投資は、前年比34%増、5月単月での不動産の売り上げは前年比33%増を記録している。また多少の減速はあるものの、工業生産の伸びは年率13%台、設備投資の伸びは24%台を推移している。

このため中国人民銀行は、昨日預金準備率を0.5%引き上げたが、これは本年に入って6度目の引き上げであり、過剰流動性の抑制に北京政府が躍起になっているかとの証左でもある。この引き上げで中銀への預金準備の預託率は21.5%に達した。これは約580億ドル(約5兆円)の資金が中銀によって吸収されたことを意味する。

しかし、中国政府は伝家の宝刀とも言うべき、金利引き上げにはまだ踏み切っていない。これは中国政府が、過度の引き締めによる景気後退も恐れているからだ。景気後退による社会不安増大こそ今の中国政府にとって最大の懸念であるので、ブレーキの踏み込み過ぎにもっとも注意を払っているのだ。

今月中に利上げに踏み切るかどうか、そして人民元の為替レートをどの方向に誘導するかなど、計画経済下の資本主義運営の難しさが中国政府の直面する試練といえる。