ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

欲張りな一日

2008-09-05 | 美術
朝8時にバイトに行く娘と一緒に家を出て、渋谷に行きました。
まずは、楽しみにしていたミレイ展
自他共に認めるラファエル前派おたくな私ですが、
今回つくづく思ったのは、私の場合、
ラファエル前派=ロセッティなんですね。
もしくは彼をめぐる女たち(笑)。
ミレイといえば、「オフェーリア」がすごい!
天才的に絵の上手い優等生!というイメージでした。
イタリア人の血がまじった生々しく人間くさいロセッティに較べると、
おとなしいイメージが拭えなかったのです。
(さすがラファエル前派らしく?)
お世話になった評論家ラスキンの妻と恋に落ち、
彼女を奪いとるな~んてこともありましたが、
それからは良き家庭人として優等生街道まっしぐら。

恐れ入りましたとひれ伏したくなるくらい上手いです。
実物よりも正確なんじゃないかと思うほど緻密な描写。
ドラマティックな内容の絵も、情熱的というよりは、
淡々として客観的。
愛くるしい我が子を描いても哲学者のように見えるというか。
ヒュー・グラントの詩の暗唱といったらいいでしょうか?
あの映画で「もっと抑揚をつけて情熱的によまなくちゃ!」と
怒られてましたよね?(笑)
いい加減なこと書いてますが、
今日、ミレイの作品を大系的に全体的にみることができて、
そのイメージが変わりました。
それこそがミレイの個性、彼の人間くささ、彼のあじわいだと。
見れば見るほど味わい深い絵です。
自我をひけらかすのはみっともない?
シャイなイギリス紳士ミレイの作品を二時間堪能しました。
特に晩年に描かれたスコットランドの風景画好きだなあ。
もう一度見に行きたいなぁ。

お次はこちら。

イギリスのアンティークキルト素晴らしかった!
先輩たちの作品もすごかった!
キルトを見ると、無性に自分でも作りたく私は、
やっぱりキルトが大好きなんですね。

そしてもうひとつの展覧会。
キャサリン姉と姪っ子に薦められたこちら。

一日にみっつの展覧会は正直に言って、
体力的にかなりきつかった。
へとへとになってやっとたどり着いたんです。
待っていてくれたのは、
60歳になって初めて絵筆をもったという、
大道あやさんの絵でした。
椅子に腰掛けて彼女の描いた世界を眺めながら、
絵画って不思議だなあ、すごいなあとぼんやり思っていました。
60歳、70歳、80歳になってからだって、
描きたい!という気持ちさえあれば描けるんだ。
紙と鉛筆さえあれば。
素朴な、まるで小学生が描いたような、無垢な美しい絵画に囲まれて、
しあわせなひとときでした。
帰宅して姉にお土産に買った図録を読んだら、
彼女のお母さんも70歳にして絵筆をもった絵描きさんでした。
丸木スマさん。素敵な絵です。


9月7日(日)の日曜美術館は、
大道あやさんと丸木スマさん母娘の特集です。



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1 コメント

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Unknown (コリコ)
2008-09-06 10:05:10
ヒューグラント?
それはともかく、こういうのを充実かつヘトヘトの一日というのでしょうね。
羨ましいことです。
今度の日曜ね、OK.

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