妻の愛人に会うという風采の上がらない中年男の物語。妻が浮気していると気づいた冴えない中年男が、浮気相手のタクシー運転手の車に乗り込む。言いたいことは山ほどある。なんと言ってとっちめてやろうか、天誅を下してやる、復讐だ!と暗い怨念を燃やした男だったが、いざタクシーに乗り込むと何も言えない。運転手のちょっとハンサムな若い男は長距離客に上機嫌で、すっかり客と意気投合した気になり、「お客さん」と呼ばずに「兄貴」となれなれしくなる。長距離を走るうちに車が故障したりいろんなアクシデント起こり、二人は一泊旅行をする羽目に。かくして、夫とその妻の愛人との珍道中はいかに。というコメディ。
この愛人というのも頭の中身のない自信満々のバカだが、寝取られた夫も小心者の情けない男。要するにどうしようもなくだらしなく唾棄すべき男達二人のロードムービーなわけで、見ていてちっとも面白くない。どころか腹が立ってしょうがない。でも、見終わって思うことは、「これほど情けないバカ男たちを嗤うだけの余裕が男性中心社会の韓国にもできてきた、ということで、つまりは儒教社会もここまで変化しましたという実情をシニカルに描いたものなんだ」。そう思って考え直すと、なかなかシュールでシニカルで面白かったと言えるかも。
夫が妻の愛人に対して燃やす対抗心や嫉妬をさりげない1ショットで見せるあたりの面白さや、気弱な中年男の情けなさを地で演じているのかと思わせるほどはまり役なパク・クァンジョンの巧さ、西瓜が道路を転がってくるシュールで鮮やかな色彩の場面のはっとさせる斬新さなど、キム・テシク監督の手腕には一目置きたいが、やっぱりわたしはあんなバカ男たちにはまったく魅力を感じない。あんな男達を好きになる女もバカです。夫も愛人もどっちもバカということは女自身がバカということですね。世の中バカだらけ、そういうわたしもこんな映画を見て笑ったりしてやっぱりバカなんだわ。
え? R-15じゃないの? 1シーンだけだけど、けっこう濃厚なベッドシーンがありましたよ。ちなみに、上記タイトルはDVD題名です。公開時には「妻の愛人に会う」でした。(レンタルDVD)
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妻の愛人に会う
韓国、2006年、上映時間 92分
監督・脚本: キム・テシク、音楽: チョン・ヨンジン
出演: パク・クァンジョン、チョン・ボソク、チョ・ウンジ
この愛人というのも頭の中身のない自信満々のバカだが、寝取られた夫も小心者の情けない男。要するにどうしようもなくだらしなく唾棄すべき男達二人のロードムービーなわけで、見ていてちっとも面白くない。どころか腹が立ってしょうがない。でも、見終わって思うことは、「これほど情けないバカ男たちを嗤うだけの余裕が男性中心社会の韓国にもできてきた、ということで、つまりは儒教社会もここまで変化しましたという実情をシニカルに描いたものなんだ」。そう思って考え直すと、なかなかシュールでシニカルで面白かったと言えるかも。
夫が妻の愛人に対して燃やす対抗心や嫉妬をさりげない1ショットで見せるあたりの面白さや、気弱な中年男の情けなさを地で演じているのかと思わせるほどはまり役なパク・クァンジョンの巧さ、西瓜が道路を転がってくるシュールで鮮やかな色彩の場面のはっとさせる斬新さなど、キム・テシク監督の手腕には一目置きたいが、やっぱりわたしはあんなバカ男たちにはまったく魅力を感じない。あんな男達を好きになる女もバカです。夫も愛人もどっちもバカということは女自身がバカということですね。世の中バカだらけ、そういうわたしもこんな映画を見て笑ったりしてやっぱりバカなんだわ。
え? R-15じゃないの? 1シーンだけだけど、けっこう濃厚なベッドシーンがありましたよ。ちなみに、上記タイトルはDVD題名です。公開時には「妻の愛人に会う」でした。(レンタルDVD)
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妻の愛人に会う
韓国、2006年、上映時間 92分
監督・脚本: キム・テシク、音楽: チョン・ヨンジン
出演: パク・クァンジョン、チョン・ボソク、チョ・ウンジ