
デート・コンサルタントが恋をして…というお話。典型的なラブコメなので結末は当然見えている。見えている結末に向かっていかに細部を面白くみせるか、おしゃれな会話で楽しませるか、魅力的なキャラクターを作り上げるか、美しい主役たちで華を添えるか、といったところが見所。
で、結論を言えば、「つまらない」。
この映画を面白いと思う人はけっこう多いと思う。確かに、そこそこ楽しめるし、悪くはないと思うが、わたしはそもそも「デート・コンサルタント」なる胡散臭い商売に眉をひそめるタイプの人間なので、この設定でまずはちょっと…と思ってしまう。その上、ウィル・スミスとエヴァ・メンデスという役者二人にまったく魅力を感じない。唯一よかったのはデブで冴えないけどそれなりに仕事ができるビジネスマンを演じたケヴィン・ジェームズかな。彼が高嶺の花の大金持ち女性に本気で恋をして悶々とするところなんて笑えるし、可愛い。
デート・コンサルタントなんていう仕事が商売として成り立つっていうのがそもそもリアリティがない。商売として成り立つどころか、ウィル・スミスはたいそう高そうなアパートに住んでいる。ほんまかいな、とまずは思ってしまう。その上、そのウィル・スミスが一目惚れするゴシップ新聞の記者がまったく知性を感じさせないので、これまたダメダメ。いくらゴシップ紙の記者だからってもうちょっと知的な会話をしてほしいもんだわ。
それにしてもこの映画の登場人物たちは実にお手軽に恋に落ちる。あっという間に、相手のこともよく分からないままに愛している、とほざく。ほんまかいな。そんなことで後で苦労するよ、きっと後で後悔するから……などなどと思ってしまうわたしはひょっとして不幸な星の下に生まれたんだろうか(~o~)
特典映像のNG集が面白かった。これ(だけ)はお奨め。(レンタルDVD)
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HITCH
アメリカ、2005年、上映時間 118分
監督: アンディ・テナント、製作: ジェームズ・ラシターほか、製作総指揮: ウィンク・モードーントほか、脚本: ケヴィン・ビッシュ、音楽: ジョージ・フェントン
出演: ウィル・スミス、エヴァ・メンデス、ケヴィン・ジェームズ、アンバー・ヴァレッタ、ジュリー・アン・エメリー、マイケル・ラパポート