「道州制」について、具体的にどのようなイメージをお持ちだろうか。アメリカのように州によって法律が異なるようになるのか。あるいは州が独自に外交をやるようになるのか。県や市町村はどうなるのか。漠然としたイメージで捉えられる一方、「いままでの自治はだめだ、改革をしなければだめだ」と刷り込まれていないだろうか。
フォーラムでは「自治と言えば、この人!」、元北海道ニセコ町長の逢坂誠二衆院議員(去年、導水路視察に来ていただいた)が講演をされた
私は画一的な道州制にはならないと考えている。静岡県は何州になるのだろうか。北陸三県はどうなのだろうか。静岡や金沢で生活をし、仕事をしてきたことを踏まえて言えば、静岡県東部の住民の意識は首都圏、西部は名古屋圏との関わりが深い。無理に道州制にはめようとすれば静岡県は解体されてしまう。北陸は石川県は富山と福井を従えようとするが、両県は嫌がる。この住民の意識だけを考えても全国8つだか9つだかの道州にするのは難しく、合併して州になる県と、ならない、なれない県があってもおかしくはない。
民主党の地方自治体再編の在り方は、まさにそうで、「当分の間、広域自治体は道州によらず、現在の都道府県の枠組みを基本とする。ただし都道府県が合併することや都道府県の枠組みを残したまま連合を組むことは、地域の自主性に委ねる」ということである。逢坂議員は与党の分権議論は道州制をベースに出発していると指摘をした。官僚が采配をする分権議論であるというわけだ。民主党は、それを柔軟に、かつ多様性を踏まえた分権を進めるべきと主張をされている。まさに、静岡は静岡の事情でやればいいし、北陸三県も然り。私の意見は同じである。