Tony Rice - Guitar
John Reischman - Mandolin
Fred Carpenter - Violin
Todd Phillips - Bass
"Mar West" に続き、翌年の 1981年にリリースされた The Tony Rice Unit『私の勝手に三部作』の第二弾。前作に漂っていたひんやりとしたエコー感やステレオ感、輪郭のハッキリした音像は後退し、全体的に高音域が絞られた丸みのあるサウンドになっています。これが狙いなのか音質的な問題なのかはわかりませんが、結果的にマイルドな印象を受けることは確かです。わずかながら楽曲もジャズ色を強めており、前作よりも落ち着いた雰囲気に感じられます。またプレーヤーの交替も少なからずサウンドの変化に影響を与えているでしょう。John Reischman は繊細で柔らかなタッチを持った Sam Bush とはまた一味異なるマンドリニスト。Fred Carpenter はヴァイオリン以外にもギター、マンドリンと何でもこなすマルチ・インストゥルメンタリスト。現在はヴァイオリン・ショップを経営しているそうです。ベーシストの Todd Phillips は前作に引き続いての参加です。
前作のタイトル曲 "Mar West" と同様、アルバムは「これぞスペースグラス!」といった "Within Specs" で幕を開けます。スピーディーかつエキサイティングなプレイが矢継ぎ早に飛び出す展開は圧巻です。続く "Devlin" は David Grisman の "Hot Dawg"(1978) に収録されていた Tony のペンによる曲の再演。"Mr. Diffenbach" は Fred のヴァイオリンをメインに据え、クールなムードを漂わせたスペースグラス・サウンドです。メジャーとマイナーのコード感が複雑に絡み合い、程よくジャジーでアップテンポの "Vonetta" は Earl Klugh のカヴァー(オリジナルは 1976年リリースの "Earl Klugh" に収録)。Earl のヴァージョンを基調としながらも、見事 TRU サウンドに仕上げている点は流石です。哀愁を帯びたフリーテンポのギターで始まり、リズム・インしてからの Todd のウォーキング・ベースが気持ちいい "Tzigani" は先日紹介した Stephane Grappelli / David Grisman のライヴ盤 "Live" でも取り上げられている David Grisman の曲。"E B A" は Jon Sholle が 1976年にリリースした "Catfish For Supper" に収録されている曲で、このアルバムには Tony 本人の他、Bela Fleck, David Grisman, Darol Anger, Rob Wasserman, Tony Trischka といったそうそうたる顔触れが揃っています。John Reischman のペンによる "Birdland Breakdown" は彼のマンドリンを主役としたスピーディーな展開で東欧の舞曲を思わせる一曲です。ラストは再び Tony が甘美なメロディに溢れたリード・プレイを聞かせてくれる "Makers Mark"。決して Tony のワンマン・プロジェクトとならず、各メンバーにスポットが当てられた楽曲がうまく配置されているところに好感が持てますね。
現在のところ、本作は未だ CD化にこぎつけておらず、アルバムを手に入れるには LP か CT を探すしかありません(CT は公式サイトで購入可能なようです)。コンピレーション盤であれば、前作 "Mar West" の記事でもチラっとお話した "Devlin" というアルバムに本作から八曲が収録されていますので、まずはそちらを聴いてみるのも手かと思います("Mr. Diffenbach" と "Tzigani" のみ割愛)。マニアな情報ですが、80年代に NEC アベニューという国内のレーベルから TRU 三部作の抜粋盤 CD が日本独自編纂でリリースされたことがありました。実はこのアルバム、"Devlin" では割愛された "Still Inside" からの二曲が入っているんですよね。つまり二枚揃えば "Still Inside" は完成するというわけ。ちなみに私はこのパターンです(笑)。ただし NEC アベニューはすでに消滅しているので、このアルバムも地道に中古店などを探すしかないようです。
Tony Rice Official Website:
http://www.tonyrice.com/
Tony Rice の事はぜんぜんわからないのでとても参考になります♪なんたってkuruはトニーを知りたての頃よくレオコッケとごっちゃになってました(爆)きゃ~お恥ずかしい
ぜんぜん関係ないけどカレーライス食いたくなりました(笑)
また遊びにきま~す♪HAPPY~♪
やっぱり明るめのスキンにしました~(笑)。師匠と崇めるなら sorapapa さんの方がいいですよん。僕はかなりアウトローな聞き方ですから~(爆)。
でも kuru さん、トニーを御存知なんですね! 嬉しいなあ、レオコッケとごっちゃになっていようがいまいが知っている人がいるだけで嬉しいっすよ。『OH! MY G3』以降自分で選出したギタリストを結構聴きなおしてます(笑)。TRU の三枚はブルーグラス臭さも薄くホント、アコースティックなジャズ・サウンドでお洒落ですよ~。
カレーライス食べたいですか~(笑)。そういえば学生時代のバンド仲間にはパ~ルライス呼ばわりされていたことを思い出しました(笑)。
でも師匠に参考にして頂いたなんてとても光栄(ハッピー)涙します♪
師匠のおっしゃるとうり人が違えばEJであってもSMでも違うんですよね~♪人の感性ってよく考えるとおもしろいですよね~♪
また修行に来させて頂きます♪師匠(笑)
実は僕もトニーは聴いたことなくて。
名前はかなり聞いてたんで気になる存在ではあったんですが。
gwさんのG3に登場し、アルバム紹介が2枚続くという力の入れようを見ると、たぶんマストアイテムですねえ(笑)
最初はなにから入れば良いでしょうね?
POGUESっぽいんかな?
好みや感性の違いってオムニバス盤によく表れますね。最近だと Merry Axemas のレヴューとかも多く上がっていて、それぞれ皆さん好みが違いますもん。読んでて面白いっ!(笑)
http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=1003555&style=music
amazon などにもありますが試聴サンプルの音質が悪かったので CD Universe のページを載せておきました(笑)。