「宮崎駿は好きですか?」そうストレートに訊かれたら、おそらく僕は返答に窮するだろう。もちろん好きには違いないのだが、それは "ファン" という括りではないからだ。理屈っぽい表現が許されるならば「一人の人間として非常に興味がある」となる。まだ単なる "ファン" であった頃、彼に関する書籍を手当たり次第読み漁った。それにつれ僕の中で彼の存在は少しずつ変化を遂げてきた。同時に今まで気付かなかった価値観についても色々と考えさせられた・・・。
ジブリ作品が好きで、宮崎駿監督のファンを自認するなら、この「折り返し点 1997-2008」と「出発点 1979-1996」の二冊は読んでおくべきだろう。本人のインタビューや講演、対談などを編纂した資料的色合いの強い構成になっているが、その一つ一つには監督の思想が凝縮されており、そのボリュームもさることながら、とにかく読み応えが十分である。巷ではこれをとってあれやこれやと議論がなされるわけだが、第三者の分析や憶測がいくら束になったところで本人の言葉に勝るものはない。映画から受ける印象でしか彼を知らない人にとっては、そのイメージを壊してしまう発言もあるだろう。しかし彼が「才能の人」である以前に「苦悩の人」であることを理解するだけでも今まで見えなかったものが見えてくるに違いない。それは映画に対しても世の中に対しても言える。
時には専門的な話に傾き、さらっと読んだだけでは到底理解できないものもある。そんなときは無理に理解しようとせず、飛ばしてしまっていいと思う。興味というものは少しずつ芽生えてくるものだし、知識や教養がついてからいつでもその話に戻ってくることができる。まずは重いテーマにとらわれず、自分が興味のあるインタビューから拾い読みしてみるのはどうだろう。映画の裏設定や制作現場の裏話など映画を観ただけでは分からない話も数多い。本人の発言はまさにトリビアの宝庫である。
ジブリ作品が好きで、宮崎駿監督のファンを自認するなら、この「折り返し点 1997-2008」と「出発点 1979-1996」の二冊は読んでおくべきだろう。本人のインタビューや講演、対談などを編纂した資料的色合いの強い構成になっているが、その一つ一つには監督の思想が凝縮されており、そのボリュームもさることながら、とにかく読み応えが十分である。巷ではこれをとってあれやこれやと議論がなされるわけだが、第三者の分析や憶測がいくら束になったところで本人の言葉に勝るものはない。映画から受ける印象でしか彼を知らない人にとっては、そのイメージを壊してしまう発言もあるだろう。しかし彼が「才能の人」である以前に「苦悩の人」であることを理解するだけでも今まで見えなかったものが見えてくるに違いない。それは映画に対しても世の中に対しても言える。
時には専門的な話に傾き、さらっと読んだだけでは到底理解できないものもある。そんなときは無理に理解しようとせず、飛ばしてしまっていいと思う。興味というものは少しずつ芽生えてくるものだし、知識や教養がついてからいつでもその話に戻ってくることができる。まずは重いテーマにとらわれず、自分が興味のあるインタビューから拾い読みしてみるのはどうだろう。映画の裏設定や制作現場の裏話など映画を観ただけでは分からない話も数多い。本人の発言はまさにトリビアの宝庫である。