2004年に Steve Vai 主宰の Favored Nations レーベルからリリースされたデビュー作では Mr.Big のリズム・セクション Billy Sheehan と Pat Torpey をバックに超絶カントリー・ロックを聞かせてくれた Johnny Hiland。カントリーのみならず幅広いジャンルのスタイルを吸収したハイレベルなプレイには正直度肝を抜かれました。そんな衝撃から丸三年、今度は自身のバンド名義で正真正銘ロック・ギター界に殴り込みを掛けてきたのが本作です。のっけからディストーションを効かせたギター・サウンドでフルピッキングの高速リックが飛び出してきます。おまけにタッピングやらアーミングやら HM/HR 系ギタリストも顔負け。アルバムには十八番のカントリー・インストはもちろんのこと、しっとりとしたアコギの小品、自身が唄うヴォーカル曲も収録されており、懐の広さは相変わらずです。個人的にはラストの "Chicken Pickin' Heroes" で Ricky Skaggs, Steve Wariner, Vince Gill の黄金トリオと共演しているのが感涙モノでしたね。
最近はソロ・アルバムにカントリー・スタイルの楽曲を収録するロック・ギタリストが増えてきました。カントリー奏法もマスターすべきスタイルの一つとして認識されつつあるのでしょうね。「ちょっとだけカントリー・リックに興味を持ったけど誰から聴けばいいかわからない」という人は是非本作を聴いてみてください。かなりロック寄りの作品ですから違和感なく耳に入ってくると思いますよ。