goo blog サービス終了のお知らせ 

羽毛田丈史 / PRESENTS (2003)

2009-09-25 22:24:12 | Music > New Age
羽毛田丈史という名前を初めて聞いたのはテレビドラマ「瑠璃の島」のサウンドトラック。ストリングスの響きがとても柔らかくて印象的でした。最近では大ヒット作「ROOKIES」のスコアを手掛けており、知らず知らずのうちにその音楽を耳にされている方も多いのではないでしょうか。パステルカラーのような淡い色合いのサウンドが青春の喜びやほろ苦さを上手く表現していたように思います。またプロデューサーやアレンジャーとしての顔も持ち、鬼束ちひろや元ちとせといったアーティストの作品ではアコースティック楽器を使った繊細なアレンジを聞かせてくれます。これまた僕好みなんですよね。

"PRESENTS" は本人名義の第一作となるアルバムで、以降 "PRESENTS II"、"PRESENTS III" と続きます。久石譲のような叙情性は薄いですが、Alan Silvestri を彷彿させる温かみのあるサウンドが耳に心地良いです。本作の方向性としてはサウンドトラックとニューエイジの中間あたりですね。

Sony Music のヒーリング系コンピレーション「イマージュ」シリーズでも活躍しており、こちらもお勧めです。



Erik Mongrain / Fates (2007)

2009-03-01 10:58:51 | Music > New Age
Erik Mongrain は Michael Hedges や Don Ross のスタイルをベースに「ラップタッピング」という独自の奏法を編み出したカナダ出身の若きアコースティック・ギタリスト。数年前にゴンチチがホストを務める「世界音楽遺産」という NHK の番組で紹介されたことがキッカケで日本でもその名が知られるようになったそうです。

別のギタリストについて検索していたところ、たまたま読んでいたページにこのアルバムのレビューが載っていたことがそもそもの発端でした。"AirTap!" という曲の動画が YouTube で話題になったことがあるとかで僕もちょっと覗いてみたんです。まったくの興味本位でね。ところが・・・。いやぁガツンと来ましたね。久しぶりの衝撃でした。視覚的に強烈な特殊奏法もさることながら、あの清らかなギターの音色にはすっかり心を奪われましたね。奏法とサウンドは表裏一体、特殊であるがゆえに奏でることができる境地なのかもしれません。ギターのスタイルなんてとうの昔に出尽くしたと思っていたのにね。ちなみに以下がそのときに観た動画です。



彼の奏法は時としてパフォーマンスと捉えられることもあるでしょう。例えば Michael Angelo の演出効果を狙ったテクニックはあくまで観客を楽しませるもの。なぜなら普通の弾き方でも同じフレーズを弾くことができるからです。しかしそれはそれで「凄いなぁ」と思うわけで、今回だって似たような気持ちで動画を観始めたわけですよ。しかし「ラップタッピング」は違っていました。その奏法こそがサウンドの核となっているんです。純粋に音楽に耳を傾ければ、そこに作為的なものが存在しないことが伝わってきます。どう感じるかは人それぞれだと思いますが、動画を観てパフォーマンス以外の何かを感じた方は是非 "Fates" を手にとって聴いてみて欲しいです。



東儀秀樹氏のインタビュー

2006-12-11 00:00:42 | Music > New Age
 
ピーター・バラカン氏を検索していたら偶然見つけた東儀秀樹氏のインタビュー。彼は雅楽演奏家としてその世界のみならず幅広いシーンで活動を続けているアーティストです。求職・転職情報サイトが聞き手なので音楽について深い話はありませんが、仕事や生き方に対する東儀氏なりの哲学がわかりやすい言葉で語られています。僕自身はとても共感できる内容でしたね。人生の岐路に立たされている方、ちょっとだけ覗いてみませんか? そして僕と同じように共感できたなら、彼の音楽にもきっと魅力を感じることができると思いますよ。


inext i-interview この人のワークスタイル 01 東儀秀樹:
http://www.i-next.co.jp/interview/tougi01.html



Michael Hedges / Taproot (1990)

2006-03-04 08:52:51 | Music > New Age
 
1991年のグラミー賞「ベスト・ニュー・エイジ・アルバム」にノミネートされた Michael Hedges の "Taproot"。このアルバムを聴いた頃は、まだ彼に対して「革新的なギタリスト」というイメージはほとんどなく、ニュー・エイジ系アーティストの一人という見方でした。まあ正直、音だけであの超絶奏法を想像するのは無理があるというものです(笑)。最近になってネットで彼の動画を見る機会が増え、あらためてそのセンスやアイデアに感心した次第です。惜しくも 1997年にこの世を去りましたが、今もなお多くのギタリストに影響を与え続ける彼のスタイルは生涯を通して独創性に満ちたものだったように思います。

奏法云々を抜きにすれば、Michael が織り成すサウンドは繊細かつ穏やかでニュー・エイジ的な要素が強く、聴く者に落ち着きを与えてくれる音楽であることに間違いはないでしょう。ただひとたびギタリストという視点から見ると、その奏法は極めて画期的であり、"Point A" や "Point B" で聴けるチューニング奏法とでもいうべきハープギターでのフレーズは特に印象的。詳しくは知らないのですが Michael Manring のハイパーベースに搭載されているチューニング機構に近いんですかね(ちなみに Michael の超絶奏法はこちら)。

"I Carry Your Heart" ではフレットレス・ベースに Michael Manring、バックグラウンド・ヴォーカルに David CrosbyGraham Nash が友情参加しています。


Michael Hedges Official Website:
http://www.nomadland.com/


"Taproot" アルバム試聴(cd Universe)
http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=1025610


YouTube.com 動画
http://www.youtube.com/watch?v=Sh0vn8TgCeg
http://www.youtube.com/watch?v=oUyJrgj9vAQ

東儀秀樹 / I am with you (2002)

2006-02-02 22:50:05 | Music > New Age
 
先日、深夜に何気なくテレビを観ていたら、ロシアのエルミタージュ美術館を紹介する旅番組が放送されていました。ナビゲーターは雅楽演奏家の東儀秀樹。面白そうだったのでそのまま観ていたのですが、番組の内容はさておき、エンディングには彼の篳篥(ひちりき)とロシアのオーケストラが共演するというサプライズが待っていました(まあ予想はできましたけどね・・・笑)。そこで演奏されたのが "I am with you" という今回ご紹介するアルバムのタイトル曲。美術館内に響く澄み切った篳篥の音色はオーケストラをバックにしても引けを取らぬ存在感に満ちていました。

そんなわけで早速引っ張り出してきたこのアルバム。聴いたのは久しぶりですが、大好きなんですよね~。篳篥という日本古来の楽器を用い、ニュー・エイジ風のサウンドをベースにロック、ポップスからジャズ、クラシックまで様々なスタイルの楽曲に挑戦しています。にもかかわらず全く散漫な印象を受けないのは東儀秀樹のアーティストとしてのセンスであり、篳篥という楽器に備わっている不思議な魅力なんでしょうね。東儀氏の奏法云々に関しては篳篥奏者の方が聴いてもどうやって演奏しているのかわからない部分が多々あるそうです。つまりそれだけ高度な技術を身につけた奏者でもあるということですね。

本作を聴くたびに、篳篥という楽器に見え隠れする無国籍な情緒を感じずにはいられません。自国の楽器を他国の楽器で例えるのもヘンな話ですが、ソプラノ・サックスの柔らかさとイーリアン・パイプスの力強さを兼ね備えた味わいがあるんですよね(笑)。国や文化は違えど、音楽は何かしら通じている部分があるということなのでしょう。

アルバムは躍動感に溢れたポップ・ソング "Eternal Vision" で幕を開けます。雄大なメロディやアレンジが旅番組のオープニング・テーマにピッタリといった趣です。気球に乗って世界一周の旅に出る方は是非 BGM に(笑)。ケルト関連の番組で使われた「ブルターニュの丘」はまさにケルト・サウンドそのもの(笑)。イーリアン・パイプスに近い音色を持っていることがわかってもらえると思います。ん~、また Davy Spillane が聴きたくなってきたぞ~(笑)。「海の向こうのさがしもの」では篳篥に加え、笙(しょう)や龍笛(りゅうてき)も登場する『和』の世界。しかしそこはやはり東儀秀樹。見事に現代的なアレンジで聞かせてくれます。大地の鼓動を思わせる太鼓の響きもいいですね。うってかわって "The Reason I'm Here" では Kenny G を思わせるポップで甘いサウンド。ここまで違和感なく聞かせるなんて脱帽です(笑)。"Slide Into The Night" で聴ける篳篥とジャジーなグルーヴの融合は僕にとって本作のハイライト。前半部分の展開には近年の Capercaillie に通じるものを感じます。あとサビメロの哀愁が堪らないんだな~(笑)。もうカッコ良過ぎですよ。

他にもヨーロッパの情緒たっぷりにクラシック・アレンジで聞かせるメドレーやしっとりとしたピアノをバックに演奏される "Over The Rainbow"、「新アジア発見」という番組のテーマ曲でもある "New ASIA"(二胡とのハーモニーが美しい)、『和洋折衷』のアレンジが印象的な「ふるさと」など、彩り豊かな楽曲が次々と聴く者を楽しませてくれます。

そんな素敵なアルバムのラストを締めくくるのは冒頭にも出てきた "I am with you"。今回このアルバムをじっくりと聴きなおすキッカケになった一曲です(笑)。どこまでも優しくそして穏やかなメロディ、このところ寒い日が続きますが、こういう音楽を聴くとホント心温まります。

今回はちょっぴり真面目モードで書いてみました(笑)。

W.G. Snuffy Walden / music by... (2001)

2006-01-30 00:00:00 | Music > New Age

W.G. Snuffy Walden - guitar
Dean Parks - guitar
Gregg Bissonette - drums
Neil Stubenhaus - bass
Paulinho da Costa - percussion
Randy Kerber - piano
Jon Clark - woodwinds
Cecelia Bullard - vocal
Mary Ellis - vocal
Kim Bullard - keyboard
Bennett Salvay - B-3 organ

etc.

以前ウィンダム・ヒルのクリスマス・アルバムを取り上げたときに、実は自分が大好きなサントラ "thirtysomething" の音楽を手掛けていたアーティストだと知ったばかりの W.G. Snuffy Walden。当時はほとんど無名だったらしく、国内盤のライナーにも詳細不明のアーティストとして一切の情報が載っていなかったんですよね。『ネット』が当たり前の今とは違い、こうなるともう調べる術がなかったわけで・・・(笑)。ですから彼の名前なんて長い間すっかり僕の頭の中から消えてました(笑)。

W.G. Snuffy Walden はルイジアナ生まれ、テキサス育ちのギタリストで、過去には Stray Dog なるブルーズ・ロック・トリオを結成してアルバムをリリースしたり、Chaka Khan, Eric Burdon, Donna Summer などのツアー・メンバーを務めたこともあるそうです。現在は TV 音楽の仕事がメインで、本作でも前述の "thirtysomething" を始め、過去に彼が書いてきた TV ドラマや映画の音楽がいくつか再録されています。

一曲目の "Angela Smiled" から僕が W.G. Snuffy Walden に期待していた通りのサウンドで嬉しくなりました(笑)。ギター・スタイルやアレンジには彼なりのスタイルがあって、それがちゃんと貫かれているんですよね~。アコースティックな味わいと都会的な香りのブレンドが絶妙なんです。"thirtysomething" のサントラはそれこそ擦り切れるほど聴きましたから、そういったものが僕の体には染み込んでいるんですね、きっと(笑)。アルバムは思った以上にヴァラエティに富んでいて、"Once & Again" のようにかなりコンテンポラリーなアレンジの曲もありました。Snuffy らしい洒落たスライド・プレイが聴ける "Eugine's Ragtop" やソロ・ギターの "Alone" なんかもとてもいい雰囲気です。ただ本作はギタリスト向けのアルバムというわけではないので、彼のプレイを聴くというよりは、むしろメロディやアレンジの心地良さに浸るといった感じですね(笑)。バックには敏腕ドラマー Gregg Bissonette やスタジオ・ミュージシャンとしてはお馴染みの Dean Parks, Neil Stubenhaus, Paulinho da Costa らがアルバム全編にわたって W.G. をサポートしています。

本作以外では今のところウィンダム・ヒルのコンピ盤などにたまに顔を出すという程度なのがちょっと残念です(もっと聴きたいのに~)。日本での知名度は皆無に等しいかもしれませんが、是非またソロ・アルバムを作ってリリースして欲しいものです。


W.G. Snuffy Walden Official Website:
http://www.wgsnuffywalden.com/


"music by..." アルバム試聴(cd Universe)
http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=1573847




Dominic Miller / Second Nature (1999)

2006-01-06 00:05:46 | Music > New Age
 
Dominic のガット・ギターが奏でる幽玄な世界はそのままに、ニュー・エイジともジャズ・フュージョンともつかない新たなサウンドを作り上げた 2nd アルバム。ベースとドラムのリズム・セクションを起用することで、前作以上にインプロヴィゼーション豊かなプレイを披露しています。フルートやハーモニカといった楽器の使われ方にどことなく Sting を感じるのは気のせいでしょうか。"Lullaby To An Anxious Child" はそんな Sting との共作曲です。ラストでは Elton John の "The Last Song" を甘く優しい音色のソロ・ギターでしっとりと聞かせてくれるという心憎い演出が待っています。


Dominic Miller Official Website:
http://www.dominicmiller.com/


"Second Nature" アルバム試聴(cd Universe)
http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=6739148

The Carols Of Christmas II (1997)

2005-12-23 13:58:58 | Music > New Age
 

+++++ Steve Morse +++++


"The Carols Of Christmas" の翌年にリリースされたシリーズ第二弾のクリスマス・アルバム。多彩な楽器が登場した前作に比べ、今回はギターやピアノを中心とした素朴でアコースティックな味わいです。

01) W.G. Snuffy Walden / Oh, Come, All Ye Faithful
ギターをメインにピアノや様々な弦楽器の音色が重なり合って美しいアコースティック・サウンドを聞かせてくれます。こういったアレンジ好きだなぁ・・・。今頃になって W.G. Snuffy Walden について調べてみたところ、何とアメリカの TV ドラマ "thirtysomething" の音楽を担当していたんですよね(本国では 1987年から1991年にかけて ABC で放映)。流れる音楽が大好きで当時サントラを買ったくらいですから、どうりで好みのサウンドなわけです(笑)。オリジナル・アルバムは早速チェックしてみるつもり! ちなみに "thirtysomething" は日本でも「ナイス・サーティーズ」として放映されていたことがあり、毎回欠かさず観ていたのですが、残念ながら途中で打ち切りでした(悲)。

02) Liz Story / Once In Royal David's City
大好きな Liz が前作に引き続いての参加。聴くたびに幸せな気持ちにさせてくれる濁りのない澄んだ和音がステキです。

03) Steve Lukather / O Tannenbaum
ウィンダム・ヒルのオムニバスにルークですよ、ルーク! これはビックリ玉手箱です(笑)。近々 Toto の新作リリースを控えている Steve Lukather ですが、アコースティック・ギターを弾くイメージがまったくないギタリストだったので、この人選は意外でした。ギター一本の直球勝負がかえって新鮮に感じるフィンガー・スタイルによる一曲です。

04) Jeff Johnson & Brian Dunning / Away In A Manger
Nightnoise のフルート奏者 Brian Dunning とシンセ奏者 Jeff Johnson のコラボ。朝もやを連想させるサウンドや Janet Chvatal のスキャットが清らかで美しいです。

05) Steve Morse / It Came Upon A Midnight Clear
"Merry Axemas" ではディストーションの効いたロックなアレンジの "Joy To The World" をプレイしていた先生ですが、本作では前作のバルエコさんとの共演に引き続き、しっとりとしたアコースティック・ギターを聞かせてくれます。ステレオに振られたフレーズと特徴的な音色は "High Tension Wires" の "Modoc" でも使われていた Buscarino のギターによるものでしょう。

06) George Winston / The Christmas Song (Chestnuts Roasting On An Open Fire)
実はギターの名手でもある George Winston が 8弦ギターを使ってのソロ曲です。ピアノのときほど個性的ではないですが、素直なメロディとアレンジがとても気に入っています。

07) Loreena McKennitt / God Rest Ye Merry Gentlemen
Loreena らしいエキゾチックなムードの漂うケルト・サウンドが展開されています。彼女の憂いのある声はファンタジーの世界のクリスマスといった雰囲気ですね。The Chieftains の来日公演で聞かせてくれた神秘的なヴォーカルが思い出されます。

08) Robin Le Mesurier / Good King Wenceslas
アーティストについての詳細は知らないのですが、楽曲はガット・ギターとエレクトリック・ギターの響きが調和した美しいサウンドです。

09) Tuck Andress / Coventry Carol / What Child Is This
メロディ、リズム、ベースと同時に三役こなすギター界のキングギドラ Tuck Andress が第二弾にして初参加です。息づかいの様に聞こえる指と弦とのこすれ音がこの人らしいなぁって思います。後半の "What Child Is This" はイギリス民謡として有名な『グリーンスリーヴス』です。

10) Jim Brickman / December Morning
この人のピアノを聴いているとタッチやアレンジは異なるもののメロディに Liz に近いものを感じますね。清涼感が前面に出たアレンジがとても聴きやすいと思います。

11) Jim Cregan / Jingle Bells
一仕事終えたサンタさんに漂う哀愁とでも言ったらいいのでしょうか、アコギ一本のとてもスローな『ジングル・ベル』です(笑)。Jim Cregan は本作のプロデューサーも務めています。

12) Janis Ian / Emmanuel
どことなく懐かしさを感じるフォーク調のアレンジです。前作も含め、スキャットを除いてオール・インストでしたが、この曲のみ Janis の温かなヴォーカルが味わえます。

13) Leo Kottke / Accordian Bells
Leo らしい輪郭のハッキリとしたギター・サウンドが魅力です。

14) Will Ackerman / In This Still Forest
ニュー・エイジの王道です(笑)。ムードを重視したフリー・テンポのアコギ演奏です。

15) Joan Armatrading / Angels From The Realms Of Glory
「あら野のはてに」の邦題で知られる賛美歌で日本人にも馴染み深い曲の一つでしょう。女性シンガー・ソングライター Joan Armatrading がすべての楽器を担当しています。


"The Carols Of Christmas II" アルバム試聴(cd Universe)
http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=1025686

The Carols Of Christmas (1996)

2005-12-23 10:58:32 | Music > New Age
 

+++++ Steve Morse +++++


あちこちのブログでクリスマスに関連するアルバムが取り上げられていて、弥が上にもムードは高まってきますね(笑)。そんなわけで私もクリスマス・アルバムを紹介しようと思います。ただストレートは避けて「ボール球に手を出してくれればラッキー!」という程度、外角に外れたボールを投げてみることにしました。う~ん、相変わらず回りくどい意味不明の例えですよね~。簡単にいうと『ちょっとだけマイナーなアルバム』ってことです(笑)。

本作は 1996年に Windham Hill レーベルからリリースされたオムニバスのクリスマス・アルバムです。総勢16組のアーティストの多種多様なクリスマス・ソングが収録されています。ギター、ピアノ、ヴァイオリンを始め、サックス、フルート、クラリネット、ハーモニカといった様々な楽器が顔を出すのも魅力の一つです。ニュー・エイジというジャンル柄、さらっと聴けてしまう控えめなアレンジになっていますので落ち着いた雰囲気の演出に向いているかもしれませんね。

01) Do You Hear What I Hear? / Jim Brickman
"We Are The World" によく似たメロディを持つトラディショナル曲。Jim Brickman が優しいタッチのピアノを聞かせてくれます。私の好きなピアニストの一人です。ちなみに Michael Jackson と Lionel Richie はこの曲を参考にあの名曲を書き上げたのでしょうか・・・(笑)。

02) We Three Kings / Marion Meadows
シンセサイザーをバックに Marion Meadows のソプラノ・サックスが幻想的な世界を作り上げています。ちょっぴりプログレッシヴでジャジーな味付けもグッドです(笑)。

03) Christmas Time Is Here / George Winston
サン・フランシスコ出身のジャズ・ピアニスト Vince Guaraldi の曲を George Winston がジャズ・テイスト溢れるニュー・エイジ・サウンドで聞かせてくれます。やはりこの人のピアノは個性的ですね。

04) Oh Little Town Of Bethlehem / Tracy Silverman
Darol Anger とともに Turtle Island String Quartet のヴァイオリニストでもあった Tracy Silverman が愛妻 Thea のフルートと奏でるデュオ曲。ここでの二人のプレイは非常にクラシカルなスタイルです。

05) The First Noel / John Boswell
ゆっくりとしたテンポに乗せて、ピアノとシンセサイザーのメロディが慎ましやかに流れてきます。ただこのメロディを聴くと、どうしても大好きな Eric Johnson や Steve Wariner のヴァージョンを思い浮べてしまいますね(笑)。

06) Emmanuel / Will Ackerman
やはりこの人は外せないでしょう。ニュー・エイジの王道といった透明感のあるギターが美しいです。

07) Dona Nobis Pacem / Richard Stoltzman
クワイアとクラリネットの共演。Spyro Gyra のヴィブラフォン奏者として知られる Dave Samuels がマリンバで参加しています。

08) Ave Maria / Will Galison And Toninho Horta
Toots Thielemans の後継者といわれる Will Galison が Toninho Horta のギターをバックに素朴で美しい音色のハーモニカを吹いています。こういうの好きだなぁ(笑)。

09) Carol Of The Bells / Steve Morse And Manuel Barruecco
バルエコさんのアルバムで共演経験のある二人が再び組んで、クリスマス・アルバムに参加とは何とステキなプレゼントなんでしょう! DREGS バカの私ですから、もちろんこの曲が目当てのこのアルバムでございます(笑)。正直、バルエコさんのテクニックはハンパないです。クラシック・ギターの素養がない私にもその素晴らしさは伝わってきますから。しか~し! それ以上にビビビッとくるのは天才バルエコさんと対等に渡り合うモース先生なんでございますよ。従来のロックなプレイ・スタイルとは異なりますが、アコギにおいても先生らしいサウンドは全く失われていないんですよね。もう「黙って付いていきます!」としか言いようがありません(笑)。『美しさ斯くあるべき』といった美の世界がここには存在するのですよ。

10) O Holy Night / David Darling
David Darling のチェロと幾重にも重なるシンセのサウンドが神秘的な世界を演出しています。

11) God Rest Ye Merry Gentlemen / Michael Manring
フレットレス・ベーシストとしてお馴染みの Michael Manring が Zon の Hyperbass を駆使し、深みのある独創的なサウンドを作り上げています。ハード・フュージョンからニュー・エイジまで、ホント感性豊かなアーティストですね。

12) Silent Night / Ray Lynch
Ray Lynch のシンセと Timothy Day のフルートが織り成す安らぎのサウンドです。

13) Simple Gifts / Liz Story
Liz のピアノは本当に大好きなんですよ。優しくて繊細で、とても女性らしい弾き方をするピアニストだと思います。奇をてらったフレーズはなく、どこまでも純粋なメロディが心に沁みます。

14) What Child Is This? / Michael Hedges
一般的には『グリーンスリーヴス』というタイトルのほうが有名でしょう。マルチ・インストゥルメンタル・プレーヤーの Michael Hedges がすべての楽器を担当しています。フォルクローレ風のアレンジが異彩を放っている個性の強い一曲ですね。

15) Hark! The Herald Angels Sing / Angels We Have Heard On High (Medley) / Nightnoise
いずれオリジナル・アルバムを取り上げたいと思っている Nightnoise は私の大好きなバンドの一つです。ケルトの香りが漂うアレンジと温もりのあるサウンドはいつ聴いても心が和みますね。昔、箱根彫刻の森美術館で観た夕暮れの野外コンサートは幻想的で素晴らしかった・・・。

16) Have Yourself A Merry Little Christmas / Brian Keane
アルバムのラストを飾るのは本作のプロデューサー Brian Keane 本人による一曲。アコースティック・ギターのしっとりとした雰囲気でアルバムは幕を下ろします。


"The Carols Of Christmas" アルバム試聴(cd Universe)
http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=1025673

Dominic Miller / First Touch (1995)

2005-12-22 09:03:09 | Music > New Age

Dominic Miller - guitar
Mike Lindup - vocal
Barry Kinder : drums

Sting バンドではエレクトリック/アコースティック何でもござれのオール・ラウンダーですが、Dominic のソロ・デビュー作となる "First Touch" ではガット・ギターをメインに据え、しっとりとした演奏を聞かせてくれます。先日紹介した "Shapes" とは異なり、ほとんどの曲が Dominic のギターとバックに流れるシンセのみというとてもシンプルなサウンドです。"Scan" と "Last Dance" にはドラムが加わっていますが、アルバム全体の雰囲気を損ねるものではありません。

アルバムは故郷への想いを込めた "Buenos Aires" を始め、哀愁の漂うマイナー調の楽曲が大半を占めており、彼のルーツが前面に出たサウンドに仕上げっていると思います。"Rush Hour" で見せるプログレッシヴな感覚や Mike Lindup がスキャットで参加している "Ten Years" の幻想的なムードには惹かれるものがありますね。個人的には温もりのある優しいメロディの "Last Dance" がお気に入りです。


Dominic Miller Official Website:
http://www.dominicmiller.com/


"First Touch" アルバム試聴(cd Universe)
http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=6739163

Dominic Miller / Shapes (2004)

2005-12-18 10:01:13 | Music > New Age

Dominic Miller - guitar
Sting - vocal
Placido Domingo - vocal
Alejandro Lerner - vocal
Chris Botti - trumpet

Vinnie Colaiuta とともに Sting バンドのメンバーとして活躍するギタリストのソロ・アルバム。ガット・ギターが奏でる叙情的なメロディ、バックに流れるヨーロッパ映画の音楽を思わせるストリングス、大人の味わいのあるとても落ち着いたムードのアルバムです。耳馴染みのあるクラシックの名曲を中心にイージー・リスニング風のサウンドでアレンジされており、どちらかというと BGM 向きかもしれません。Dominic は自身のソロ・アルバムでありながらもゲストを立てた控えめなプレイで楽曲に溶け込んでいます。何となく彼の職人気質がうかがえて微笑ましいですね(笑)。

"Shape Of My Heart" は Sting の "Ten Summoner's Tales" に収録されていた曲で Sting 本人をヴォーカルに迎えた再録ヴァージョンです。アレンジはオリジナルと比べて大きな変化はありませんが、それでも敢えて取り上げたということはそれだけ二人にとって特別な曲なのでしょう。Dominic が弾いた美しいギター・リフに Sting が歌詞を付けていき仕上げた曲だそうです。フランス映画「レオン」のエンディングでも流れていましたから、聴いたことがある方も多いでしょうね。内省的で美しいこの曲が Sting のベスト盤 "Fields of Gold: The Best of Sting 1984-1994" から外されたのは不思議という他ありませぬ・・・。

数ある "Ave Maria" の中でも最も有名と思われるシューベルト作の "Ave Maria"。この曲を唄うのは Sting と世界3大テノールのドミンゴさんです。Sting のヴォーカルは評判があまりよろしくないようですが、ドミンゴさんはさすがの歌いっぷりですね。個人的には Moya Brennan のヴァージョンが聴きたかったです(後述)。ちなみにドミンゴさんは Ariel Ramirez 作の "Misa Criolla" でもその美声を披露しています。

"Mi Fe" を唄う Alejandro Lerner はアルゼンチンのシンガー・ソングライターで Dominic とは同郷。互いのソロ・アルバムに参加し合うなど交流も深いようです。"Prelude No.3 For Clavier" で官能的なトランペットを吹いているのはスムース・ジャズ界の貴公子と呼ばれる Chris Botti。Sting や Steven Tyler といった豪華なゲスト陣を迎えたデュオ・アルバムをリリースしたこともあります。このアルバムのバックにはカリウタ先生もしっかり参加していました(笑)。


Dominic Miller Official Website:
http://www.dominicmiller.com/


P.S. "Ave Maria" のところでちょっと触れましたが、実はこの "Shapes" というアルバム、私が持っているのはインターナショナル盤と呼ばれるもので、本作に先駆けて 2003年に Inversion というレーベルから収録曲やゲストが若干異なるオリジナル盤がリリースされているんです。本作には未収録の Ennio Morricone の曲が取り上げられていたり、Clannad の Moya Brennan が唄う "Ave Maria" が収録されていたりと興味がそそられます。そういえばモイアって今まで名前の表記は Maire でしたが、発音に近い Moya に変えたんですね。何か妹の Enya っぽいです(笑)。

Montreux / Sign Language (1987)

2005-12-11 10:58:29 | Music > New Age

Montreux:
Darol Anger - Violin
Mike Marshall - Mandolin, Guitars
Barbara Higbie - Piano, Synthesizers
Michael Manring - Bass

with William Kennedy, Andy Narrel, Benjy Wertheimer, Frank Holder

先日の "Let Them Say" に続いての Montreux です。おそらくこれがデビュー・アルバムだと思います。まあマイナーなバンドですからさほど詳しい情報も得られないんですよね(笑)。バンドの結成は当時一緒に活動していた Darol と Mike が核となり、気心の知れた Barbara や Michael といったレーベル内のミュージシャンに声を掛けたのだろうと思います。『デュオ』という形態以上のことに挑戦してみたかったんでしょうね。次作でパーカッショニストとして迎えられる Tom Miller はまだ参加していません。

"Let Them Say" で示したサウンド・スタイルはすでに確立されており、爽やかなアコースティック・ミュージックの世界が繰り広げられています。本作は四人がそれぞれ楽曲を持ち寄った形で作られていますが、各メンバーが『らしさ』を出したプレイで料理しているため、全く違和感が無く仕上がっています。躍動感のある "Circular Birds" や Barbara 作の "To Be" がお気に入りです。

Montreux / Let Them Say (1989)

2005-12-04 13:23:19 | Music > New Age
 
最近、taha さんや桃猫さんのところで超絶ベーシスト Michael Manring の "Thonk" というアルバムが取り上げられており、モース先生が参加しているこのアルバムは私にとってもマストです。引っ張り出してきた CD を聞きながら、私も便乗レヴューと思ったのですが、そこはひねくれ者の ghostwind(笑)。Michael Manring つながりで、彼が 80年代にウィンダム・ヒルのレーベル・メイトとともに結成していた Montreux というグループのアルバムを紹介したいと思います。

正直、かな~り久しぶりに聴きました。楽曲自体は結構忘れていましたもの(笑)。Montreux のサウンドは優しく爽やかなアコースティック・ミュージックでドーグ・ミュージックをポップな方向に押し進めたスタイルといえるでしょう。『世界の車窓』でかかりそうな雰囲気といえばわかりやすいでしょうか(笑)。"MONTREUX" という言葉の響きからジャズ的なものを連想される方もいると思いますが、即興性というスタイルにその名残が感じられる程度でメロディ主体の楽曲にジャズ的な要素はあまり見受けられません。

本作での Montreux のメンバーは Darol Anger, Mike Marshall, Barbara Higbie, Tom Miller そして Michael Manring の五人。スペシャル・ゲストとしてドラムには前作 "Sign Language" に引き続き William Kennedy というミュージシャンが参加しています。五人について簡単に紹介しておきますと Darol は私の大好きなニュー・エイジ系のヴァイオリニスト。マンドリンの Mike は以前に紹介した Stephane Grappelli と David Grisman の共演アルバムにも参加していました。本作ではアコースティック・ギターも弾いています。Barbara は Darol とデュオ・アルバムをリリースしたこともある女流ピアニスト。Tom は本作より参加したメンバーでパーカッション、スティール・ドラム、ヴィブラフォンを担当しています。そして五人目は今回 Montreux を取り上げるキッカケとなった超絶ベーシストの Michel Manring 。裏方に徹してはいますが、それでも美しく幻想的なフレーズはフレットレス・ベースならではの素晴らしさです。

オープニングはタイトル曲でもある "Let Them Say" 。ヴァイオリンやマンドリンといったアコースティック楽器がリードをとる、爽やかなメロディと軽快なリズムが印象的な楽曲です。DEPAPEPE 辺りのポップ感覚にも通じるアコースティック・ミュージックですね。ドラムも加わり、よりリズムが強調されている点も、聞きやすい仕上がりになっている一因だと思います。"Astronomics" は『ポップでニュー・エイジ風の DREGS』といったサウンドが心地良いです。"Barbara's Dream" は美しく幻想的なメロディがウィンダム・ヒル・レーベルらしさを漂わせており、ニュー・エイジ・サウンドの王道といった雰囲気です。"Finding Time" ではリリカルな Barbara のピアノをベースに各楽器が優しく被さってきます。Michael のハーモニクス・フレーズで始まる "Road To Vernazza" はフレットレス・ベースのフィーチャー度も高く、彼のファンには聞き逃せない一曲でしょう。個人的に最も気に入っているのが "Mandolin Rising" とラストの "Free D" です。Montreux の五人のメンバーがそれぞれのセンスやテクニックをポップな楽曲に見事に融合させていて、アンサンブルとしては圧巻です。

季節柄、もう一ヶ月前くらいに聴いていたかったかなぁ・・・。今じゃ夜風が冷たすぎるもんね(笑)。

George Winston / Autumn (1980)

2005-11-07 00:59:42 | Music > New Age
 
秋ですしね~ってことで George Winston の "Autumn" です。彼にとっては Windham Hill でのデビュー作であり、レーベルにとっても黎明期の作品です。オープニングの "Colors / Dance" はのどかにゆったりと流れるメロディから一転、力強くも憂いのあるメロディへ移っていく展開がとても美しいです。"Longing / Love" は誰でも一度は耳にしたことのあるメロディなのではないでしょうか。私も高校時代にこの曲を耳にして早速アルバムを借りてきました(笑)。特に気に入っているのはこの二曲なんですが、アルバムを通して感じるのはパステルカラーで描かれた夢のような幻想的な雰囲気。たまには現実の喧騒から逃避して、夜風を浴びながらこういう世界に浸るのもいいですね(笑)。本作も含め Windham Hill からリリースされるアルバムはいつも素敵なジャケットを使ってきますね。ちょっとしたこだわりが感じられます(笑)。同レーベルには何組かのお気に入りアーティストがいますが、今回は定番のアルバムを紹介しました。やっぱり秋ですしね~(笑)。


Pierre Bensusan / Intuite (2001)

2005-10-31 00:10:15 | Music > New Age
 
フランスのフィンガースタイル・ギタリスト Pierre Bensusan が 2001年にリリースした全編ソロ・アコースティック・ギターによるアルバム。Michael Hedges に捧げた "So Long Michael" や "Scarborough Fair" のメロディを引用した "En Route From Scarborough" などが聴きどころです。私は "Silent Passenger" の優しく甘美なメロディがお気に入りですね。フリー・テンポの即興的な演奏が多く、リズムは前面に出てきませんが、美しいトーンと流れるようなフレーズが心地良く響いてきます。最新作 "Altiplanos" は Eric Johnson も所属する Steve Vai 主宰のレーベル Favored Nations からリリースされています。はっきりとした記憶はないのですが EJ の東京公演でライヴの前後で流れていたアコギの曲は Pierre のアルバムだったような・・・覚えている方がいましたらコメントお願いしま~す(Pat Metheny もかかっていたようですね)。公式サイト等で試聴も出来ますので、興味のある方は是非聴いてみてください。秋の夜長、こういったアコースティックな音楽は心に沁みますよ。


Pierre Bensusan Official Website:
http://www.pierrebensusan.com/

Guitar Nine Records - Pierre Bensusan / Intuite:
http://www.guitar9.com/intuite.html