+++++ Eric Johnson Session Works Vol.22 +++++
Cat Stevens / Back To Earth (1978)
01. Just Another Night
02. Daytime
03.
Bad Brakes
04. Randy
05. The Artist
06. Last Love Song
07. Nascimento
08. Father
09. New York Times
10. Never
Produced by Paul Samwell-Smith & Cat Stevens
Featuring:
Cat Stevens, Alun Davies, Jean Roussel, Gerry Conway, Bruce Lynch, Don Welle, Eric Johnson, Luther Vandross, Brian Cole, Steve Jordan, Will Lee, John Marson, Dave Mattacks, Del Newman, Richard Niles, Paul Samwell-Smith, Graham Smith, Shire So, Derek Wadsworth, etc.
Cat Stevens は70年代に活躍したシンガー・ソングライターです。最近のリスナーとっては馴染みの薄いアーティストかも知れませんが、Mr. Big のヒット曲 "Wild World" の作者と聞けばピンと来る方もいるのではないでしょうか(オリジナルは 1970年リリースの "Tea For The Tillerman" に収録)。Cat は 1977年にイスラム教に改宗し、名前も Yusuf Islam に改名するという変わった経歴の持ち主で、本作 "Back To Earth" は彼にとって実質的なラスト・アルバムになります。その後、宗教活動に専念するため、音楽活動に終止符を打った Cat は、イスラム教学校の設立や旧作品の再発で得た印税を同時多発テロの被害者遺族に寄付したりと、現在では人格者として知られているようです。また近年はチャリティ目的での音楽活動を断続的ですが行っているという話も聞きます。
"Back To Earth" は名盤 "Tea For The Tillerman" に比べると話題に上ることの少ないアルバムですが Cat の柔らかなヴォーカルを中心とした楽曲群は決して評価の低いものではないと思います。プロデュースは元 The Yardbirds のベーシスト Paul Samwell-Smith が手掛けており、先日、惜しくもこの世を去った Luther Vandross や Fairport Convention での活動が知られる Dave Mattacks らが参加しています。
Cat のツアー・メンバーとして参加していた Eric ですが(1977-1978年頃)、今のところ、Cat のアルバムで彼のプレイが聴けるのは本作の "Bad Brakes" のみです。全編を通して Keith Richards 風のリズム・ギターを聴くことができます。プレイが地味に感じられるのは Eric がゲスト参加ではなく、バック・バンドの一員として Cat をサポートするプレイに徹しているからでしょう。それゆえ、クリーン・トーンの美旋律バッキングや流麗なソロを期待すると肩透かしを食うかもしれません。1978年といえば Eric は 20代前半、セッション・ワークとしてはかなり初期の部類に入りますが、ギター・サウンドやコードの構成音など、すでに現在のスタイルに近いものを感じ取ることが出来ます。ギター・ソロはありませんが、本人は結構気に入っているプレイらしいので興味のある方は聴いてみてはいかが?
Cat Stevens Official Website:
http://catstevens.com/
※ 1976年のツアーは映像がリリースされていますが、この時点ではまだ Eric は参加していないようです。