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Andy Timmons / The Spoken And The Unspoken (1999)

2008-11-30 10:15:30 | Music > HM/HR
ジャズ・フュージョンからハード・ロックまで何でもござれのオールラウンダー。モース先生も過去のインタヴューで Andy Timmons のテクニックとセンスについて絶賛していました。ただマニアな反応は他所に今ひとつ知名度が上がらないというか、玄人受けするギタリストで留まってしまっている気がするんですよね。あまり「我」の強いスタイルではないですし、どちらかというと器用貧乏に陥っているのかもしれません。本人もヴォーカルをとるようですが、ここは一つバンドの一員という立場に身を置き、Winger のようにキャッチーな楽曲とアンサンブルの妙が味わえるバンドを作ってほしいなぁと思うんですがねぇ(Danger Danger だと個性のぶつかり合いがちょっと弱いかな)。

本作はとてもバランスの取れたギター・アルバムに仕上がっていると思います。ただそれを淡白と捉える向きもあるでしょうから、職人気質も諸刃の剣といったところですかね。そんな中、フュージョン・スタイルの "Astral Fishing" は躍動感に溢れ、視界がパッと開ける感覚が好きですね。この曲では名手 Simon Phillips がドラムをサポートしています。続くスパニッシュ風味の "Duende" もお気に入りなんですが、もう少し早い段階で挿んできたほうがアルバムの流れに起伏が生まれたように感じます。ラストには "Cry For You" のライヴが収録。ハイレベルなフレーズをこれだけ安定して弾きこなすのはやはり相当なテクニックとセンスが身に付いていないと不可能ですよね。うーん、それだけに欲が出てしまうし、辛口になってしまうんだなぁ・・・。


Rainbow / Difficult To Cure (1981)

2008-11-29 09:54:56 | Music > HM/HR
このアルバムに出会ったのは Yngwie Malmsteen's Rising Force に Joe Lynn Turner というヴォーカリストが加入したという情報が流れた直後のこと。当時はまだ Rainbow もよく知らない HM/HR 若葉ちゃんでした(苦笑)。とにかくどんなヴォーカリストなんだろうと気掛かりで、行き付けの中古レコード店に出向き、本作を試聴したんですね(今のようにネットで試聴なんて出来ない時代ですから・・・)。その甘いルックスから僕なりのイメージは出来上がっていたんですが、第一声の "I surrender..." を聴いてそれが大きく外れていたことに気付きました。ハスキーでソウルフルな声質は本当に意外だったんですよね。いにしえの話ですが今でもハッキリと覚えています(笑)。

アルバムに関しては今更何を語ろうかというほどの名作。"I Surrender" は一発で気に入りましたし、"Jet To Jet" の源流と思しき "Spotlight Kid" もギター小僧にはたまらん一曲でした。個人的には "Magic" のコーラスパートが好きでしたね。あの哀愁が何とも言えなくてね。今思えば これって ABBA の影響が出ているのかなぁ(笑)。あと本当にどうでもいいことなんですが、当時カニ風味かまぼこ「オホーツク」の CM で第九の替え歌が使われており、"Difficult To Cure" を聴くたびに「一正のオホ~ツク~♪」が聞こえてきてしょうがなかった・・・苦笑。



Journey / Revelation (2008)

2008-11-25 06:22:06 | Music > Rock/Pops
おそらく先月一番聴いた一枚。かなり "遅ればせながら" でしたが、予想を上回る完成度の高さにしばし酔いしれていました。個人的には前任者のアルバムも大好きだったんで Steve Perry 無き後の新生 Journey にはわりと肯定的なほうなんですが、それを差し引いても素晴らしい出来であることは本国におけるチャートアクションも裏付けていますよね。

方向性としてはメロディック・ロックの王道路線一本に絞ったような気がします。Steve Augeri 時代のアルバムには Bad English の流れを汲むアメリカン・ロック・スタイルもふんだんに盛り込まれていましたが(前作の "Every Generation" なんて Augeri の声なのに John Waite が浮かんでしまう・・・)、今回はブルージーなグルーヴは控えめに、高揚感のあるメロディが前面に押し出されています。僕を含め、これを待ち望んでいたファンも多かったのではないでしょうか。とはいえ、あくまで Perry の声にこだわり続けるファンがいることも事実。amazon のレビューでもその手の意見をいくつか見かけましたが、何をどう感じるかは各人の自由なので僕には何ともいえません。ただそれが障壁となって素直に聴けないだけならちょっと勿体ないよね・・・。

Arnel Pineda については新加入が公式アナウンスされた頃、ネットで動画を見まくったので歌の上手さは認識していたつもり。バックバンドとのレベル差が歴然としていましたからね。ただカヴァーが主体で、どれもオリジナルそっくりに唄いこなすものだから、Journey のフロントマンとして本人のオリジナリティが出せるのかが心配でした。まあそれもアルバムを聴いたら吹っ飛びましたけどね(笑)。それこそ "Greatest Hits" 盤ではかなり Perry を意識しているようですが、新曲のほうは Journey という伝統に敬意を表しつつも、彼自身の艶やかで伸びのある声をアピールしているように感じました。

未来は誰にも予測がつかないものですから "安泰" という言葉はないでしょうけれど、この歌唱力と最高の楽曲を引っさげた Journey が末永く続くことを願って止みません。そう思わせるだけのアルバムでしたね。



Eric Johnson / Anaheim (2008)

2008-11-23 09:26:43 | Music > EJ
相変わらずのファッションセンス、相変わらずのステージング、ファンとしてはそんなところにも安心を見出してしまいます(笑)。あんまりな書き出しですが、ちょっとお茶目な雰囲気に僕らは彼を身近な存在として感じることができるのかもしれません。しかしひとたび彼のプレイに目を向ければ、10本の指から紡ぎ出されるフレーズは湧水のごとく、DVD にそんなデータは入っていないはずですが、指板からは次々とおたまじゃくしが飛び出し、五線譜が見えてくるんです(といっても病院の紹介は不要ですよ!)。それらは一気に聴覚をすり抜け、僕の中の記憶を刺激してきます。ふと色々なことを考えている自分に気付くんです。にわかに信じがたいけど、初めて Cliffs Of Dover を聴いてから 20年近い月日が流れようとしているとかね(笑)。当時の感動が今し方の出来事に思えるのって何なんだろう。音楽って記憶のタイムマシンなんだね。一人そんな気分に浸っているとちょうど裏山から朝日が顔を覗かせました。ちょっと幻想的(笑)。

バックドロップすらないシンプルなステージ。「でもそこがEJ らしいや」って思っているうちに Summer Jam が始まりました。アップテンポのナンバーに EJ もノっているようです。サウンドは Bloom から続く、ドライでありながらまろやかなトーン(意外にこういうが難しいんだよね)。目と耳はすっかり釘付けです。その後オープニングの勢いそのままに My Back Pages になだれ込みます。喉の調子もいい感じ。Trademark におけるコードヴォイシングは多様なトーンと相まってまさに万華鏡。ギター一本でこんなにもドラマティックに仕上げるなんて、いつもうっとりとさせられるナンバーですね。いつかオーケストラをバックに従えた Trademark を聴いてみたいというのは僕の長年の夢です。Manic Depression はもう作った本人より長く弾き続けているんでしょうね(笑)。こういうカバー曲をプレイしているときのミュージシャンっていつもギター少年に戻るんだろうなぁ。これは EJ を観ていても思いますね。なんか微笑ましい(笑)。On The Way To Love は EJ らしいカントリーチューンですね。他のカントリーギタリストとは明らかに違う EJ ならではの個性がちゃんと出ていると思います。Rocktopus はタコの足のように絡み合う三人の演奏から付けたのかな? インプロヴィゼーション色の強い、かなりエキサイティングな一曲ですね。今回の S.R.V. に楽曲は常に変化し続けているんだなぁと再認識。もちろん曲の雰囲気が変わるほどの大きなものじゃないけど、すごく新鮮に感じるフレーズが間に挿まれていたので、ギュッと心を掴まれました(笑)。オーラス前は軽快な Little Bit Me Little Bit You。思いっきりステージを賑やかにしておいてあの名曲が始まります。今 Cliffs Of Dover を聴いて思うのは、常に新鮮な気持ちでプレイできるように努力をしているんだろうなぁってこと。決して惰性に走らず、しっかりとしたプレイを届けてくれるのは、前奏パートによるところが大きいんじゃないかなぁ。単に構成のための存在だけじゃなく、EJ にとって大切な時間なんじゃないかと・・・。まあ僕の勝手な想像ですけどね(笑)。

プレイとサウンドは徐々に悟りの境地に入ってきていると思います。ただ永遠のギター青年にはこれからもギター仙人になることを拒み続けてもらいたいですね(笑)。本当にそれくらい若々しいライヴでした。欲をいえば、もう7,8曲は観たかったなぁ・・・。

※ 最近長文から遠ざかっているせいか DVD が二周した頃、ようやく記事がまとまりました(笑)。




ClocX

2008-11-11 23:18:50 | PC > Software
時間を視覚的にイメージするならやはりアナログ時計でしょう。ClocX はシンプルかつ高性能な時計ツールです。個人的には今まで使用したことのある同系統のツールの中で一番優れていると感じました。時計のデザインはスキンに対応しており、気分に合わせたカスタマイズが可能です(フル版には非常に多くのスキンが同梱されています)。時計の大きさは伸縮自在で、かつアンチエイリアスを二段階で掛けられるためマシンパワーに合わせた表示の精細化が可能です。

この手のデスクトップアクセサリは最前面表示で使うのが一般的だと思いますが、他のウィンドウがアクセサリに隠れてしまうことが欠点です。しかし ClocX はアプリケーションの透明度を設定できるため、時計越しに隠れた部分を見ることができます。また透明度はマウスオーバー時にも個別で設定できるため、カーソルを時計に合わせたときのみ表示を透過させるという使い方も可能です(クリックも反映させたい場合は透明度を 0 にする)。このあたりの仕様は良く練られていると思いますね。さらに時計ツールというだけあってアラーム機能も充実しています。指定時刻にメッセージをポップアップさせたり、音を鳴らしたり、アプリケーションを実行させたり・・・。まあこれらは Windows の標準機能であるタスクスケジューラを用いても実現可能ですが、あちらは設定方法がやや煩雑なので単なるリマインダーとして使うなら ClocX のほうがお薦めです。