Skagarack / Hungry For A Game (1988)

2007-08-31 23:37:06 | Music > HM/HR

Skagarack:
Torben Schmidt - lead vocals
Jan Petersen - guitars
Morten Munch - bass
Alvin Otto - drums
Tommy Rasmussen - keyboards

本作はデンマーク出身の MHR バンド Skagarack が 1988年にリリースした 2nd アルバム。デビュー作に比べるとプロダクションがこなれ、サウンドは非常に聴きやすくなったと思います。加えてトータル的な楽曲の質も向上しました。北欧らしい透明感は薄れましたが、その反面、爽やかでキャッチーなサウンドが前面に出され、僕の大好きな 4th のクォリティに少しずつ近づいているという印象です。ただジャケットだけはもう少し何とかならなかったのかなぁ(苦笑)。さすがにこのままでは日本で売れないと思ったのか、国内盤ではジャケットが変更されています。



今ではかなりのレア盤だそうで、安易にお薦めできないのが残念ですが、どこかで見かけたら拾ってやってください(笑)。




Ratt / Dancing Undercover (1986)

2007-08-30 22:21:39 | Music > HM/HR

Ratt:
Stephen Pearcy - voclas
Robbin Crosby - guitars
Warren DeMartini - guitars
Juan Croucier - bass
Bobby Blotzer - drums

昨年の再結成アルバム、今年に入ってからはデモ音源のリリースと、にわかに活動が活発化してきた Winger。先頃、待望の来日公演が決定したようですね。カップリングは同じく再結成組の Ratt だそう。これは何としても参戦したいものですなぁ(笑)。個人的には Winger の単独ライヴをフルレンスで堪能したかったですが、今のご時世、集客力という点からも難しいのでしょうね。とにかくロッド先生の笑顔を見るのが楽しみです。もちろん Kip や Reb もね(笑)。

さて Ratt というと、僕にとっては HM/HR に対する偏見を生み出した張本人。その出会いはあまり印象のいいものではなかったんです・・・。中学に上がって間もない頃の話。クラスのちょっとワルぶった子たちがこぞって Ratt や Motley Crue なんかを聴いていましてね、透明な下敷きにあのケバいファッションに身を包んだメンバーの切り抜き写真を挟んだりしていたわけです。僕はというと、特に音楽好きというわけでもなく、普通に日本のポップスを聴く程度でしたから、ヘヴィ・メタルなんて問題外。言葉は悪いですが「こんなものは不良が聴く音楽だ」と信じて疑いませんでした(苦笑)。当時の僕にとって「ヘヴィ・メタル聴こうぜ」は「ゲーセン行こうぜ」と同義だったんです。今ではすっかり健康的なイメージが定着しましたが、昔はゲーセンというと "不良のたまり場" の代表格だったんですよ(笑)。だからクラスメートに Ratt や Motley Crue を薦められたときも、興味本位で足を踏み入れるとズルズル行ってしまいそうな気がして「オレは聴かん」と頑なに拒んでいました。今思えばまったく馬鹿馬鹿しい話なんですが、当時は "悪の誘い" を断るのに必死だったんです(笑)。結局、この頃に抱いたイメージは消えることなく、次第に HM/HR に対する偏見へと形を変えていくことになります。洋楽にハマってからも、HM/HR だけは、しばらく聴かず嫌いの期間が続くのですが、それもこれも元を辿れば Ratt や Motley Crue に行き着くというお話でした(笑)。

まだチケットすら取っていないライヴですが、せっかくですから初体験アルバムである "Dancing Undercover" を聴き直してみました(聞かされたのではなく、自分の意思で聴いた一枚)。本作では "Dance", "Body Talk", "Looking For Love" が好きですね。ライヴでもこの三曲は聴きたいなぁ。そういえば "Body Talk" はエディ・マーフィ主演の「ゴールデン・チャイルド」という映画の中で、チラッと PV が流れるシーンがありましたっけ(笑)。



Joey Tempest / A Place To Call Home (1995)

2007-08-28 23:00:57 | Music > HM/HR
 
Europe の活動休止後にリリースされた Joey Tempest の初ソロ・アルバム。当時は色々あって敬遠していました(笑)。そんな僕が言うのもヘンですが、Europe という過去を引きずらない人には楽しめる作品に仕上がっていると思います。

作風は DOOBIES や Eagles あたりを意識した土の香り漂うアメリカン・ロック。Europe 時代からは想像もできないほど、ガラリと雰囲気を変えています。それに合わせるかのように Joey のヴォーカル・スタイルにも変化が見られ、中低音域を使った柔らかな唄い回しは、一瞬彼であることを忘れてしまうくらいです。楽曲のクォリティも高いですし、今更ながらお勧めです(笑)。"Right To Respect" に旧友 John Norum が参加。



Fate / A Matter Of Attitude (1986)

2007-08-27 00:39:32 | Music > HM/HR

Fate:
Jeff Limbo - vocals
Hank Sherman - guitars
Pete Steiner - bass, keyboards
Bob Lance - drums

最近 CM で Van Halen の "Jump" がよく流れていますね。シンプルでありながらインパクトのあるシンセ・パートは後世に残る名演と言ってもいいのではないでしょうか。多くのファンやアーティストに親しまれてきたこの曲、近年では Paul Anka のカバーや Dave Lee Roth 本人によるブルーグラス・バージョンなどが記憶に新しいです。ところで、そんな "Jump" のイントロを耳にしていて、ある曲を思い出しました。デンマーク出身のハード・ロック・バンド Fate が 1986年にリリースしたアルバム "A Matter Of Attitude"、そこにオープニング・ナンバーとして収録されている "I Won't Stop" という曲です。出だしのシンセ・パートが "Jump" を彷彿させるんですよね(笑)。実家にいた頃、親のエレクトーンを拝借してちょっとだけこれらの耳コピに挑戦したことがあります。どちらも簡単なフレーズですから、ド素人が遊びで弾くにはちょうど良いネタでした(笑)。

「運命の翼」という邦題がつけられた本作は Fate の通算二作目となるアルバムです。バンドは Mercyful Fate の分裂に端を発し、ギタリストの Hank Sherman が中心となり結成されました。オカルト的な音楽性は King Diamond に引き継がれ、Fate では前身バンドとは似ても似つかないキーボード主体のハード・ポップに姿を変えています。もちろんこういう経緯を知ったのは後になってからのことで、最初は Mercyful Fate だの King Diamond だの言われても何のことかサッパリでした。後に友人宅で彼らの音楽を聴く機会に恵まれましたが、初めて耳にするそのサウンドはあまりに衝撃的で「冗談なんだか本気なんだかわからない」という印象を受けたことを覚えています(笑)。

本作リリース後、オリジナル・メンバーの Hank Sherman が他のバンドへの参加を理由に Fate を脱退、バンドは新たなギタリストと専任のキーボーディストを迎え、これを乗り切ります。しかしこのラインナップも長くは続かず、次作 "Cruisin' For A Bruisin'" の発表後、またしてもギタリストが脱退。加えてヴォーカリストの Jeff Limbo までがバンドを離れてしまいます。そんな危機的状況の中、救世主となったのが新加入のスウェーデン人ギタリスト Mattias Eklundh でした。高度なテクニックと独創的なリックを擁する彼のギター・プレイは瞬く間にシーンの注目を集め、バンドも大きくクローズ・アップされるようになります。日本でもギター誌などで「マティアス奏法」と題した特集記事を見かけるようになりました。実際、彼を経由して Fate というバンドの存在を知った方も多いのではないでしょうか。

切り口として Mercyful Fate と Mattias Eklundh に軽く触れるつもりが、随分と話が長くなってしまいました(苦笑)。ただ僕個人に関することを言えば、キッカケとなったのは某 HM/HR 専門誌に載っていた本作のアルバム評であって、Mercyful Fate つながりでも Mattias Eklundh つながりでもないんです。レビューで引き合いに出されていた Bon Jovi という名前につられ、つい聴いてみたくなったというのが真相です(笑)。だから僕にとっての Fate はこのアルバムの音楽性であり、後追いで聴いた 3rd 以降はまたイメージが違いますね。

ここで十八番の思い出話を・・・(笑)。とにかく Bon Jovi 似というだけで気になり出した「運命の翼」。まずは行きつけのレンタル店を片っ端から当たってみることにしました。ところがマイナーな作品であるせいか、いくら探しても見つかりません。半ば諦めモードになり、買ってしまおうかとも思いましたが、やはり貧乏学生が未聴 CD にいきなり三千円を出すというリスクは避けたいところ。結局、ダメもとでその中の一店に "入荷のお願い" をすることにしました。店員のお姉さんに「入荷の保証はできないけど、取りあえずここにアーティスト名とアルバム名を書いてくれる?」とメモ紙を渡されたことを覚えています。やるだけのことはやったので正直「これで駄目ならしょうがない」という気持ちでしたね。その後、手ぶらで帰るのも申し訳ないと、適当にレコードを漁っていたんですが、実はこのとき、偶然手に取った一枚が Bonfire の "Don't Touch The Light" だったりするんです(笑)。バンド名すら知らなかったけど、帯タタキの文句と裏ジャケのメンバー写真だけで決めました(笑)。今思えば、偶然が引き合わせてくれた出会いとでも言うのでしょうか。この話はまた別の機会に・・・。

しばらくして入荷の連絡が入ったときはさすがに嬉しかったですね。一つ予想外だったのは輸入盤のアナログだったこと(ジャケが違うのですぐに気付きました)。レンタル店で扱われているレコードはほとんどが国内盤でしたから、マイナーなアルバムを輸入盤で仕入れてくるマニアックな店側の対応に "影のメタラー" の存在を感じましたね(笑)。それはさておき、今でもこのレンタル店にはわがままを聞いてくれたことに感謝しています。ちなみに以下は国内盤のジャケット。



無理を言って仕入れてもらったアルバムですから、僕も張り切ってメタル・テープに録音しました。とはいえ、僕の貧相なオーディオ・システムでは大してその恩恵に与れたわけでもなく・・・(苦笑)。とりあえず、どうでもいいことはだけは未だによく覚えています(笑)。

ダラダラと下らない話ばかり続けてしまいましたが、収録曲についても少し触れておきますね(笑)。本作での目玉は何と言っても前述のオープニング・ナンバー "I Won't Stop" でしょう。イントロからコーラスまで文句の付けようがない仕上がりです(これを凌ぐものといえば、ヴォーカリストのエラの張り具合くらい?・・・笑)。他にも "Hard As A Rock" や "(I Can't Stand) Losing You" など、質の高い楽曲が並びます。初めてレコードに針を落とした日、そんなハード・ポップの王道サウンドに心地良く浸りながらアルバムを聴き終える予定でした。まさかラストに思わぬ落とし穴が待ち受けているとは・・・(笑)。

スピーカーから「ドゥエッ、ドゥエッ、ドゥエ~」というオールディーズ風の曲が流れてきたときは、さすがに耳を疑いましたね。ハード・ポップ然としたアルバムのイメージが、最後に来て、もろくも崩れ去っていくのを感じた瞬間です(苦笑)。今でこそ、彼ら流のユーモアとして受け止められる "Do It" ですが、当時の僕には、ただおちゃらけているようにしか聞こえず、すべてを台無しにされたような気分でした。例えるなら "Operation: Mindcrime" のラストで Jeff Tate がレゲエを唄ってしまうくらいのショックとでも言いましょうか・・・(笑)。

いい加減、これだけ書いて終わりにします(笑)。リマスター盤発売の際、ボーナス・トラックが二曲追加収録されました。惜しむらくは、本作のアウトテイクではないこと。おそらく現ラインナップに近いメンバーで録られたデモ曲ではないかと思います。ギターが主導権を握り、ボトムとグルーヴを強調したサウンドは、もはや同一バンドの楽曲とは言い難く、メンバーや音楽性が異なる時期のマテリアルを安易にボーナス・トラックとして加えてしまうことに、いささかの疑問を禁じ得ません(苦笑)。楽曲の出来は決して悪くないですが、取りあえず本編とは切り離して聴いたほうが良さそうです(笑)。



Glass Tiger / Simple Mission (1990)

2007-08-26 00:26:31 | Music > Rock/Pops
 
Glass Tiger というと、ヒット曲満載のデビュー作に話題が集まりがちですが、なかなかどうして、その後の 2nd や 3rd もかなりクォリティの高い作品です。通算三作目のとなる本作では、今まで以上にギターのエッヂが効いていて、ちょっぴりハードな装いも楽しめます。もちろん明るく爽やかなサウンドは健在ですから、デビュー作しか知らない人には是非聴いてもらいたい一枚ですね。

ところでヴォーカルの Alan Frew は最近どうしているのでしょう。彼の声は結構好きなので Glass Tiger 解散後の動向がちょっと気になります。ソロ・アルバムを出したという話は耳にしていますが、まだチェックしていないんですよね。既聴の方がいましたら感想をお願いします。

余談になりますが、"One To One" のサビメロ、Def Leppard の "Animal" に似てません?(笑)



Cry Wolf / Crunch (1990)

2007-08-25 00:00:08 | Music > HM/HR

Cry Wolf:
Timmy Hall - vocals
Steve McKnight - guitar
Phil Deckard - bass
Paul Cancilla - drums

John Crampton - keyboards (1, 5 & 10)

いやぁ、驚いた・・・。何がって? それは・・・。

先日、落雷による信号機の故障で一時間半ほど列車内に閉じ込められるアクシデントに見舞われました(おかげで雨には当たらずに済みましたけど・・・)。通勤帰りの時間帯でしたが、お盆休みと重なっていたこともあり、車内の混み具合がそれほどでもなかったのは幸いでした。長時間の立ちっぱなしはちょっと足に来ましたが、空調の効きはちょうど良かったし、ケータイでブログの草稿を打つことに夢中でしたから、復旧までの時間はさほど苦になるものではありませんでしたね(笑)。

そんな軟禁状態の間、近々記事を書こうと愛機 iPod nano で試聴していたのが今回の Cry Wolf。アルバム一枚掛けっぱなしでしたから、なんだかんだと三周くらいはしたでしょうか。ただこの時点ではまだレビュー記事を書くつもりはなく、単なる流し聴きの段階でした。

さて冒頭の話です。何も落雷や立ち往生に驚いたわけではございません。僕がビックリしたというのは他ならぬ "このアルバム" のことなんです。どれだけ強い衝撃があったのかと思われるかもしれませんが、話はちょっと違います。単刀直入にいうと、何度聴いても楽曲がほとんど記憶に残らないんですよね。プロダクションは悪くないし、バンドのテクニックだって及第点。ただ如何せん曲がつまらないんです。ポップなアレンジではあるんだけどメロディにフックがないから、アルバムの印象を振り返ろうとしても思い出せない(苦笑)。おまけにヴォーカルの音程はフラフラ。せっかく Michael Sweet 似のいい声質なのに残念です。う~ん、ちょっと下手なのかなぁ(苦笑)。もちろんこれらはすべて主観ですから、この手のサウンドが好きな人もいると思います。彼らのどの辺りに魅力を感じるのかちょっと気になるところですね。是非、異なる意見も聞いてみたいです(笑)。

言いたい放題書いていますが、出会いは僕の方からのアプローチだったんです。まだ彼らがメジャー・デビューする前のこと、ふらっと立ち寄った地元の楽器屋で彼等の自主制作レコードを見かけました。四曲入りのミニ・アルバムで、モノクロのジャケットにはハード・ロック系と思われるメンバーのショットが使われていました。音はおろかバンド名すら知らなかったのですが、"先物取引" という卑しい根性を出して、すぐさま二千円お買い上げ。シーンの動向を見守ることにしました。その後、バンドはメジャー・デビューするも泣かず飛ばずで失速・・・。僕の目論みは見事に外れたのでありました(苦笑)。ところでそのレコードはどうなったのかというと、その昔友人に貸したままそれっきり・・いや、あげたんだっけかな? それすらもう覚えてないわいっ!(爆)

日本では 1989年にセルフ・タイトルのデビュー作を先行リリースしましたが、ミニ・アルバムの曲は意識的に外されていたようです("Back To You" のみ収録)。US でのデビュー作となる "Crunch" では日本盤から何曲か割愛し、その代わりにミニ・アルバムの四曲がすべて加えられました。今後、再発することがあるなら "全曲収録盤" で出してほしいところですね。以下は国内盤のジャケットです。




Tim Hall Official Website:
http://home.earthlink.net/~57blond/index.htm



Sammy Hager / I Never Said Goodbye (1987)

2007-08-24 00:04:12 | Music > HM/HR

Sammy Hagar - vocals, guitar
Eddie Van Halen - bass, background vocals
Albhy Galuten - percussion, background vocals, keyboards
Jesse Harms - keyboards, background vocals
David Lauser - drums, background vocals
Omar Hakim - overdubs

初 VH は "5150" だったので、僕にとって Van Halen のヴォーカリストというとやっぱりヘイガーさんになります(笑)。本作は大ヒット中の "5150" を追い風に Eddie のサポートを受けつつ制作された Sammy のソロ・アルバム。リリース当初はセルフ・タイトルの作品で、国内盤には「ヘイガー・USA」という邦題が付けられていました。その後、MTV の企画でアルバムの命名コンテストが行われ、最終的に勝ち抜いたのが "I Never Said Goodbye" というタイトルだったそうです。久しぶりに聴いたこともあり、記憶に残っていたのは "Give To Live" と "Eagles Fly" くらいでしたが、なかなかどうしてゴキゲンなアメリカン・ロックに仕上がっており、今更ながら楽しませていただきました(笑)。ところで "Back Into You" って、サビメロが Heart の "Nothing It All" に似ていません?



Crash / Crash (1993)

2007-08-23 00:00:49 | Music > HM/HR

Crash:
Michael Erlandsson - vocals, keyboard, percussion
John Melander - bass, backing vocals, percussion
Lars Eliasson - drums, backing vocals
Jan Eliasson - guitars, backing vocals, keyboard

Micke Oijwall - organ, backing vocals
Ulrik Arturen - backing vocals

Last Autumn's Dream のヴォーカリスト Mikael Erlandsson がソロ活動を開始する直前に在籍していたスウェーデンのバンド。僕はリアルタイムではなくソロ作から遡りました。土の香り漂うオーセンティックなハード・ロックで、どこと無く往年の Tesla を思わせる雰囲気もあります。ハスキーな Mikael のヴォーカルがブルージーなサウンドによく似合っていますね。ギターのリフを中心に組み立てられたメロディックな楽曲は80年代のハード・ロック・ファンには懐かしく感じられるのではないでしょうか。ちなみにラストの "Rock And Roll" は言わずと知れたあの名曲。



House Of Lords / World Upside Down (2006)

2007-08-22 00:00:28 | Music > HM/HR

House Of Lords:
James Christian - vocals, acoustic guitar
Jimi Bell - guitar
Jeff Kent - bass, keyboards, backing vocals
B.J. Jampa - drums

再結成モノはその期待の高さがゆえ、逆にガッカリさせられることも少なくないのですが、これはアタリでした。正確には再結成後二枚目となるアルバムです。James Christian の力強く伸びやかなヴォーカルはアルバムにおいて抜群の存在感を示しています。個人的に最もグッときたのは往年の HOLサウンドを匂わせる "S.O.S. In America"。時代に迎合せず、己のスタイルを貫いているところに好感が持てます。昨今の王道メロハーに引けをとらない完成度の高いアルバムですよ。




Steve Morse の教則ビデオ Power Lines が DVD 化!

2007-08-21 00:40:49 | Music > Morse
 
ついにモース先生の初教則ビデオ "Power Lines" が DVD 化されました。もう感涙です・・・。このビデオにまつわる思い出は多々ありまして、正直、記事を書き始めたら筆が止まらなくなりそうです(苦笑)。上手くまとめることが出来たら、入手後にまた記事を書きたいと思います。ちなみに以下は VHS 版のオリジナル・カヴァー。






Andy Taylor / Dangerous (1990)

2007-08-20 00:08:43 | Music > Rock/Pops
 
1987年にリリースされた Andy Taylor のソロ・デビュー作 "Thunder" は当時のロック/ポップスの中で10傑に入るほど大好きなアルバムです。Duran Duran といえば "Notorious" (1986) くらいしか知らず、Andy 自身に深い思い入れはなかったのですが、哀愁漂う孤高のヴォーカルとギター・サウンドが琴線に触れました。どこか明るくなり切れず "夜" を感じさせるところに惹かれたんです。そんなデビュー作から三年、クラシック・ロックのカヴァーを集めた 2nd アルバムが本作です。実をいいますと、この作品、つい最近になって聴いたばかりで、完全に後追いです(笑)。

当時、1st とは異なる路線に仕上がっているという話を耳にしたせいか、割りとのんびり構えていたら、あっという間に月日が流れてしまいました(苦笑)。先日 The Power Station の記事を書いて、思い出したようにゲットした次第です(笑)。

サウンドの変化はある程度予想していました。ただ Andy のヴォーカルに関してはまったくの想定外でしたね。ほとんど別人かと思うくらい変化を遂げていて、初めは本人が歌っていると言われても、にわかには信じがたかったです(笑)。哀愁はどこへやら、とにかく Wild & Dirty で押しまくる豪快なヴォーカルと骨太なギターはロックン・ロールの真髄と呼ぶに相応しく、Andy のルーツも垣間見れる作品に仕上がっています(まあ悪くいえば有りがちなサウンドなんですけどね・・・笑)。収録曲の詳細は英語版の Wiki をご覧ください。



T Lavitz が新作をリリース!

2007-08-19 00:09:55 | Music > DREGS
 
10月に T Lavitz が新作をリリースします。タイトルは "School Of The Arts"。以前お伝えしたとおり Dave Weckl, Frank Gambale, John Patitucci を迎えたバンド形態の作品です。加えて DREGS から Steve Morse と Jerry Goodman が友情参加しています。MySpace.com でいくつか音源を聴くことができますので、よろしかったら覗いてみてください(こちら)。最近はジャムバンド系のミュージシャンとのコラボが多かった T ですが、このアルバムではかなりジャズ/フュージョン寄りのサウンドに仕上がっているようです。こいつは楽しみだ~!

Prophet / Cycle Of The Moon (1988)

2007-08-18 00:35:16 | Music > HM/HR

Prophet:
Russell Arcara - vocals
Ken Dubman - guitars
Scott Metaxas - bass, backing vocals, acoustic guitar
Michael Sterlacci - drums, backing vocals
Joe Zujkowski - keyboards

デビュー作で眩いばかりの美しさを放っていた "Everything You Are"。友人がくれたお好みテープに入っていたこのバラードが Prophet との出会いでした。1st アルバムは僕にとって "宝物" といえるほど思い入れのある超私的名盤。HR/HM ファンの間では Danger Danger の Ted Poley や Message(かつて Bon Jovi の Richie Sambora らが在籍)のメンバーがいたバンドとして知られているようですね。本作 "Cycle Of The Moon" はそんな Prophet が 1988年にリリースした通算二作目のアルバムです。

前作ではリード・ヴォーカルを Dean Fasano, Scott Metaxas, Ted Poley の三人で分け合っていましたが、その後 Ted は Danger Danger 結成のため脱退、Scott も今回はバッキング・ヴォーカルに徹しているため、新加入の Russell Arcara がすべてのリード・ヴォーカルを担当しています。透明感のあるしなやかな唄声は違和感なくバンドに溶け込んでおり、ヴォーカルの交替劇があったことをあまり感じさせません。むしろ音楽性に若干の軌道修正がなされたことのほうが気を引くのではないでしょうか。前作はアメリカン・ハード・ポップをプログレ風に料理した元気印のサウンド。エレドラがいかにも80年代前半という感じで、ラフなミックスながらもコマーシャル性の高い音作りが印象的でした。一方本作はプロダクションからして高水準。洗練されたクリアな音像はどこかヒンヤリとした空気を漂わせ、曲によっては北欧のバンドを聴いているかのような錯覚すら覚えます("Can't Hide Love" の出だしなんか Alien の名曲 "Go Easy" にそっくり!)。その主たる要因は大きく変わったドラム・サウンドでしょう。タイトになった音がアルバム全体に締まりを与えました。

そんなわけで、僕自身この二枚のアルバムは同系列に捉えていないんです。似て非なる別バンドを聴いている感覚とでも言ったらいいでしょうか(笑)。受け継がれている部分も確かにあるのですが、どうしてもイメージが重ならないんですよね(苦笑)。

デビュー作ほどではないにしろ、2nd アルバムもお気に入りの一枚です。サウンドは John Elefante 時代の Kansas をベースに、楽曲をもうちょっとポップにした感じ。とりわけクリソツなのが "Tomorrow Never Comes" というバラードで、サビの部分は "Chasing Shadows" のもろパクリです。さすがにこれは確信犯でしょう(笑)。両者をお持ちの方は是非聞き比べてみてください。アルバム中、最も人気の高い曲が "Sound Of A Breaking Heart"。本作のベストトラックと言ってもいいのではないでしょうか。キャッチーなメロディと透明感のあるキーボードが心地良いです。"Hyperspace" は疾走感も爽やかなプログレ風味のインストで、Dream Theater を綿飴にしたような軽さがグッドですね(笑)。

最後に一つだけ不満な点を・・・。リマスター盤発売の際、ボーナストラックが一曲追加されました。本編のラストではイントロと同じ SE が流れ、余韻を持たせつつアルバムは幕を降ろすのですが、突如始まるこの曲がすべてを台無しにしています(苦笑)。ラストではなく間に挿めばという意見もあるかもしれません。ところがミックスがオリジナルの楽曲と掛け離れているため(音量もやけに大きい)、そんなことをしたら強烈に浮いてしまうこと請け合いです(笑)。できればアルバムに加えても違和感のないクォリティで仕上げてほしかったなぁ。音質からしてデモ音源の可能性も高いですが、エンジニアには「せめて音量くらいは揃えろよ!」の苦言を呈します(笑)。



China / same (1988)

2007-08-16 07:09:20 | Music > HM/HR

China:
Math Shiverow - vocals
Freddy Laurence - guitars
Claudio Matteo - guitars
Marc Lynn - bass
John Dommen - drums

スイス出身のハード・ロック・バンドというと Gotthard や Krokus あたりが思い浮かぶと思いますが、80年代に China というバンドがいたことをご存知でしょうか。今でこそ Gotthard をして「スイスの Bon Jovi」と呼ぶことがありますが、もとは China に付けられたキャッチコピーだったんですよね。今回取り上げる彼らのデビュー作はそんな形容もピッタリの爽やかでキラキラとしたハード・ポップが楽しめる好盤です。

アルバムの話を始める前にインパクトの強いジャケットについて二三語らせて下さい。輸入盤は黒地に「君炎」と書かれたシンプルなデザインですが、国内盤は戦隊モノの決めポーズみたいなメンバー・ショットが使われていて、これがかなりの赤面系です(笑)。何でこんなイタイ写真をOKしてしまったのかはわかりませんが、当時のシーンを考えれば、レコード会社がアイドル的な売り出し方を狙っていたのかも知れませんね。名付けて「永世中立戦隊チャイナマン」といったところでしょうか(苦笑)。もちろんヴォーカルがチャイナレッドでギターがチャイナブルー、ベースがチャイナグリーン、キーボードがチャイナピンク、ドラムがチャイナイエローって感じかな(笑)。おっと、悪ノリが過ぎました(苦笑)。でもこんなことを書いておきながら、実は Monro や Prophet のデビュー作と同じくらい大好きな作品なんですよ(比較対象がわかりにくい・・・笑)。確かにヒネリや渋さのまったくない「お子様ランチ」的なサウンドは安易過ぎるかも知れませんが、時には大人だって小さな国旗の立った懐かしのメニュー、食べたくなるでしょう?(ならないか・・・笑)



アルバムはとにかくメロディアスで煌びやかなナンバーが目白押しです。僕のようにポップス経由で HR/HM の世界に飛び込んだリスナーであれば、何の違和感もなく受け入れられるサウンドでしょう。特に "Shout It Out", "Back To You", "Hot Lovin' Night" あたりのベタさ加減は、洋食屋さん定番の "カレーライス"、"ハンバーグ"、"スパゲティー" にも匹敵しますね(笑)。チャイナピンクのキーボードも大活躍で、例えるなら "ふんだんにかけられた濃い口ソース" 状態です(笑)。ちなみに個人的なベストトラックは "Wild Jealousy" ですね。とことん甘ったるいアレンジが何とも言えません(笑)。次いでは CD のみのボートラ扱いだった "Don't Look Back"(Boston の名曲とは同名異曲)。ギターのタッピング・フレーズがキラキラ感を演出していて、心地よい高揚感に包まれます。チャイナブルーもさりげなく味のある仕事をしてますなぁ(笑)。そうそう、フロントマンのチャイナレッドですが、残念なことにヴォーカルが少々うわずり気味で、ところどころ音程の危なっかしい箇所が出てきます。まあハード・ポップらしい清涼感ある声質はバンドのサウンドによくマッチしていますし、あまり堅苦しいことは言わないでおきましょう(笑)。



Scorpions / Savage Amusement (1988)

2007-08-15 00:41:02 | Music > HM/HR

Scorpions:
Klaus Meine - vocals
Rudolf Schenker - guitars
Matthias Jabs - guitars
Francis Buchholz - bass
Herman Rarebell - drums

Lee Aaron - background vocals
Peter Baltes - backgroung vocals

HM/HR の世界に入りたての頃から、Scorpions というバンドの名前はよく耳にしていました。すでに大御所として別格扱いでしたし、"HM/HR ファンを自認するなら最低限こいつは押さえておけ" 的なバンドの筆頭でしたからね(笑)。本格的に彼らの存在を意識するようになったのは、同郷のバンド Bonfire の影響が大きいです。当時 Dokken や Vandenberg と並んで五本の指に入るほど好きだった Bonfire、評論家たちはそのフロントマンである Claus Lessmann のヴォーカルを何かと Klaus Meine を引き合いに出して形容していましたからね。同じドイツの出身で名前も声も似ているとなれば、これ以上の話題性はないと考えたのでしょう。とにかくあまりにも頻繁に "似ている" と書かれているものだから、さすがにその真偽のほどを確かめたくなってきまして、ラジオで "Rhythm Of Love" を聴いたのをキッカケに当時の最新作 "Savage Amusement" を借りてきたんです。それが Scorpions との出会いでした。

今回はちょっと趣向を変え、当時にタイムスリップした気持ちでレビューしてみます(笑)。リアルタイムではこんな風に感じていたんです・・・。

さて、初聴きを終えての Scorpions。まずはその第一印象ですが、想像していた音とはかなり掛け離れていました。「どこが Bonfire に似ているんだよ!」とメディアに反論したくなったくらいです(苦笑)。アルバムの大半はミディアム・テンポのナンバーで占められており、切れ味鋭いザクザクしたリフを期待していた僕にとって、このサウンドはちょっとゆる過ぎました。加えて、あれほど似ていると言われていた Klaus のヴォーカルも思ったほど似ていないし・・・。人によっては Claus と Klaus に共通点を感じるのかも知れませんが、少なくとも僕にとって両者は別物でしたね。

まあ大御所に対して Bonfire 基準で考える自分もどうかと思いますが、大方こんな感じでしょうか(笑)。二三付け加えるならば、Scorpions のギター・スタイルにも若干の戸惑いがありました。というのも、当時の僕はギター・リフを中心にアルバムを聴いていた頃で、George Lynch や Adrian Vandenberg, Reb Beach, Nuno Bettencourt といったギタリストが弾くオブリガート全開の凝ったリフが好みだったんです。だから Scorpions のように左右のチャンネルから異なるフレーズが流れ、その絡み合いでリフが構成されていくというスタイルはどう聴いたらいいのかよくわからなかったんですよ(苦笑)。家でコピーするにも一本のギターでは再現できませんからね。同じようなことは Guns N' Roses にもいえました。「弾くために聴く」が「聴くために聴く」に変化するまでには随分と時間を要したような気がします・・・。

では、時間軸を過去から現在に戻しましょう(笑)。"Savage Amusement" はキャッチーな楽曲とソリッド感のあるギターの対比が見事で、Scorpions が持つソフトな面とハードな面が上手くブレンドされたアルバムに仕上がっています。やや鼻にかかった Klaus の声はマイルドで聞きやすく、ヴォーカル主体にソフィスティケイトされた本作のサウンドは、次作 "Crazy World" にも受け継がれました。