a-ha / The Definitive Singles Collection (2005)

2007-09-30 10:24:08 | Music > Rock/Pops
 
アルバムとして持っているのは 2nd まで、シングルも 3rd 発売前にリリースされた "Living Daylights" (映画「007 リビング・デイライツ」の主題歌) まではリアルタイムで聴いていました。僕の中ではすっかり過去のバンドとなっていた a-ha ですが、ミレニアムには再結成アルバムを発表、今も精力的に活動しているそうです。

本作は彼らのヒット曲をまとめたベスト・アルバムで、僕の目当ては "Hunting High And Low" のシングル・ヴァージョンでした。数年前、同曲の PV を観て以来、気になっていたんです。若干ドラマティックな味付けがされている程度で、露骨に異なるアレンジではありませんが、ほんのりとアップしたスケール感が心地良いです(笑)。郷愁を誘うオリジナル・ヴァージョンも捨てがたいですし、ここは気分によって聴き分けたいところですね(笑)。

彼らの歴史をシングルで辿ると、やはり初期の若さ溢れる楽曲が際立っていると思いますが、現在に至るまでの成長過程が思いの外自然であったことは大きな収穫でした。たまにとんでもない進化(退化?)をするバンドがいらっしゃいますからねぇ(苦笑)。長らくポーズ状態だった a-ha ですが、再び 3rd から聴き始めてみようかな~。



Andrea Corr / Ten Feet High (2007)

2007-09-26 00:00:22 | Music > Rock/Pops
 
CORRS 好きが高じてつい手を出してしまいました。世評通り、The Corrs とは全く異なる音楽性ですね。躍動感や高揚感とは縁遠く、主導権を握っているのは反復的なリズムによって生み出される抑揚を排したグルーヴ。ソロ・アルバムということで実験的な要素を押し出したのかもしれません。何曲かでは CORRS との共通点を見出だせますが、そのものズバリのサウンドを期待すると肩透かしを喰らいます(苦笑)。

この手のスタイルに対する免疫が薄い僕にとっては、非常に感情移入しづらいアルバムでした。まるで油が水を弾くように音が傍らを通り過ぎていくんです。何度か繰り返し聴いてみましたが、今の僕には伝わってくるものがなく、覚悟していたとはいえ、充足感を得られないことにちょっぴり落胆(苦笑)。

ヒンヤリとした無機質なサウンドにあって、唯一温かみを感じる部分が Andrea のヴォーカル。音楽性こそ違えど、明朗快活でちょっぴりコケティッシュなその声は本質的に何らか変わりありません。ただそれも彼女の声にせめてもの救いを求める僕の幻想でなければの話ですが・・・(苦笑)。

随分と言いたい放題書きましたが、あくまで主観に基づくものであることをお断りしておきます。人によってはまったく異なる印象を受けるでしょうし、僕自身、時が経てばイメージも少しずつ変わってくるかもしれません。つまるところ「信ずるべきは己の感性のみ」ということで本稿結ばせてください(笑)。



Collin Raye / Twenty Years And Change (2005)

2007-09-25 00:33:44 | Music > Country
 
Journey や Survivor を唄うカントリー・シンガー!

Collin Raye との出会いは、あるレストランで BGM として流れていた "Open Arms" のカヴァーに遡ります。もちろん言わずと知れた Journey の名バラードです。声の良さとアレンジに魅了され、以来彼のアルバムをチェックするようになりました。事の次第については以前取り上げた同曲所収のベスト盤 "Direct Hits" の記事でも触れています(こちら)。

時は流れ 2005年、Collin は再び自身のアルバムでメロディック・ロックの名曲をカヴァーすることになりました。それが本作に収められている Survivor の "The Search Is Over" です。"Open Arms" 同様、これまた見事な仕上がりで、一人ほくそ笑むのは勿体ないと、本作を紹介させていただくことにしました(笑)。ちなみに最近の記事で今回につながるちょっとした伏線を張っていたのですが、お気付きになりました?(笑)

さて本題の "The Search Is Over" ですが、カントリー系のアーティストと聞いて、おそらくほとんどの人がそれ風のアレンジを思い浮かべるのではないでしょうか。かくいう僕もそんな一人でした(笑)。ところが実際に聴いてみると、思いのほかストレートなアコースティック・サウンドであることに驚かされます。フィドルやペダル・スティールといったカントリー色の強い楽器が顔を出すことはなく、アコースティック・ギターとピアノを除けば、アコーディオンやマンドリンが加わる程度。ひと言で言うなら、本家のヴァージョンをそのままアンプラグドに置き換えた感じです。Collin のヴォーカルもあまりカントリーっぽさを感じさせないスタイルなので、言われなければその畑の人と気付くのは難しいでしょうね(笑)。

とにかくオリジナルを知る人には是非一度聴いていただきたい名カヴァーです。伸びやかで深みのある Collin の声は素晴らしいの一言で、多くの人がそこに Jimi Jamison の影を見るのではないでしょうか。好みは人それぞれですが、表現力では明らかに Toby Hitchcock を上回っていると思います。Jim Peterik や Tommy Denander といったメロハー界の仕掛人が彼に関心を持ってくれると面白いんですがねぇ(笑)。

アルバムはカントリーというジャンルに根差した音楽ではありますが、Collin の持つバックグラウンドは多岐に渡り、それらを活かした幅広いスタイルの楽曲が楽しめます。例えば Eagles を彷彿させる "You're Not Drinkin' Enough" では Don Henley にそっくりなヴォーカルが聞けますし、幾通りかの声色を使い分ける器用さも併せ持ったアーティストなんですよね。メロディック・ロックやウエスト・コースト・ロックがお好きな方なら Collin の目指す音楽に何か通じるものを感じてもらえると思います。よろしければ、下記のサイトで試聴してみてください。ちなみに購入の際は amazon がお安いですよ~(笑)。


Collin Raye Official Website:
http://www.collinraye.com


"Twenty Years And Change" アルバム試聴(cd Universe)
http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=6936336



Badlands / Voodoo Highway (1991)

2007-09-18 00:10:16 | Music > HM/HR

Badlands:
Ray Gillen - vocals
Jake E. Lee - guitars
Greg Chaisson - bass
Jeff Martin - drums

ライブラリを眺めていて唐突に選んだ一枚(笑)。デビュー作はリアルタイムでしたが、二枚目となる本作はすでに後追いでした(バンドの動向は知っていましたが、アルバムを聴いたのは後になってからのこと)。あまり聴き込んでいない分、今聴いてもかなり新鮮です。楽曲のスタイルはさほど変化していないですね。いわゆる "同一路線" ってやつです(笑)。非常にブルージーで土着的なハード・ロックをやっています。単なるレイドバックに終わっていないのは Jake E. Lee の洗練されたギター・スタイルが上手くバランスを取っているからでしょうね。本作ではドラマーが Racer X の Jeff Martin に変わっていますが、当時はヴォーカリストがドラマーに就任するなんて青天の霹靂でしたね。イメージとしては主役が裏方に回るような感じでした(今思えばちょっと偏見かな)。

思い描いたサウンドを体現できる実力を備えていても、走り続けることができるとは限らない・・・今となっては "時代に見放された運のないバンド" というイメージだけが残ってしまいましたね。当時を知るものにとっては懐古的なバンドになり得るでしょうけれど、HM/HR 史を俯瞰すれば「一太刀浴びせただけで消えていったバンドの一つに過ぎない」ということになってしまうのでしょうか・・・。



Twilightning / Delirium Veil (2003)

2007-09-17 00:00:06 | Music > HM/HR

Twilightning:
Heikki Poyhia - vocals
Ville Wallenius - guitars
Tommi Sartanen - guitars
Jussi Kainulainen - bass
Juha Leskinen - drums
Mikko Naukkarinen - keyboards

ゴメンなさい、このバンドのことほとんど知らないんです(笑)。良いクセなのか悪いクセなのか、男たるもの、時には冒険をしてみたくなるものでしてね(性別は関係ないか・・・苦笑)、純然たる動機もないまま、何となく手を出してみました。どこかで目にした「好感触」なレヴューが何となく頭に残っていたんです。バンド名だけはメモっていたので、忘れることなく今日に至りました(パチパチ・・・笑)。

フィンランド産のメロディック・パワー・メタル・バンドのデビュー作だそうです。たまにはこういう正統派の新バンドを発掘するのも楽しいなぁなんて思っていたら、今年に入り三枚目のアルバムをリリースしているそうで・・・。まあ僕がシーンの流れに取り残されているだけという話もありますが、それはさておき(笑)。フィンランドということで Stratovarius や Sonata Arctica あたりと比べられるんでしょうね。サウンドも結構それ系ですし、デビュー作の完成度としてはかなり高い作品だと思います。

そういえば、最近のメタル・シーンにおけるカテゴリーの細分化には恐ろしいものがありますね。カテゴリー名を聞くだけでバンドの音が想像できてしまいますし、このバンドも例外ではありません。まさにメロディックでパワーのあるメタル・サウンドです。自分でも使っておいてこんなこと書くのもなんですが、カテゴリーの命名って単に形容したい言葉を並べただけなんでしょうかね(笑)。Twilightning も「北欧ハイトーン系・ツインギター・(その他もろもろ)・ドラマティック・メロディック・スピード・パワー・メタル」と書けばそれだけで記事を書く必要がなくなりそうです。まあそんなもの誰も読んでくれやしないでしょうけれど・・・(苦笑)。

・・・とここまで書いていたら、やっと "Open Arms" が流れてきました。Collin Raye のカヴァー・ヴァージョンいいよな~。いやいや "Delirium Veil" は大分前に聴き終えていたんですよ。その後に聞いていたのが Collin Raye の "Direct Hits" だったもので・・・(苦笑)。

Ratt / Out Of The Cellar (1984)

2007-09-16 10:57:57 | Music > HM/HR

Ratt:
Stephen Pearcy - voclas
Robbin Crosby - guitars
Warren DeMartini - guitars
Juan Croucier - bass
Bobby Blotzer - drums

Ratt が続きますが、明らかに来日公演に便乗した手抜き記事です(笑)。今週はアルバムをあまり聞き込むことができず、予習の予習くらいの感覚で聴いていたのが本作です。

バンドはこれ以前に EP を一枚リリースしており、フルレンスとしてはデビュー作という扱いですね。サウンドはかなり荒削りで、それがアルバムにソリッドな印象を与えている点は若さゆえの特権でしょう(笑)。Warren のリード・ギターを聴いていると George Lynch を思わせるフレーズが随所に出てきますが、これは本人もその影響を公言していたはず。Ozzy バンドのオーディションを受けるため Dokken を離れていた George に代わり、Dokken にいたことがあるんですよね、彼。音の選び方からタイム感覚までそっくりで、懸命にコピーしていた結果、自然と身に付いてしまったんでしょう(確信犯ではないと思います)。ホント一瞬 George が弾いているような錯覚を覚えます(笑)。




Ratt / Invasion Of Your Privacy (1985)

2007-09-11 00:00:39 | Music > HM/HR

Ratt:
Stephen Pearcy - voclas
Robbin Crosby - guitars
Warren DeMartini - guitars
Juan Croucier - bass
Bobby Blotzer - drums

僕にとってのファースト・ラットは先日記事にした "Dancing Undercover" ですが、ギター・アルバムとしては、こちらのほうが好みです。ザクザクとしたリフにスリリングなソロ、輪郭がはっきりとした録りにも好感が持てますね。アルバムの構成でいえば、ブランクなく次の曲が始まったりするあたり、Beau Hill が得意とする作りですね。Winger の "Hungry" から "Seventeen" の流れもそうでした(笑)。そうか、Ratt と Winger のジョイントは Beau Hill つながりなんだ!(笑)




Van Halen / 1984 (1984)

2007-09-10 00:20:53 | Music > HM/HR

Van Halen:
David Lee Roth - vocals
Eddie Van Halen - guitars, keyboards, background vocals
Michael Anthony - bass, background vocals
Alex Van Halen - drums, percussion, background vocals

昨日の "5150" に続いて、前作の「いちきゅ~はちよん」です(笑)。Fate の記事でも "Jump" ネタが出てきましたし、個人的にはそれなりにタイムリーなネタです。

初 VH が "5150" である僕にとって Van Halen のヴォーカルは Sammy Hagar というイメージが強いです。今ではそれもかなり薄れましたが、やはり David Lee Roth というと Steve Vai, Billy Sheehan, Gregg Bissonette といるショットのほうが見慣れていますね(笑)。そんなわけで "1984" は後追いです。今更僕が話すことなど何も残されていないアルバムですが、それでは元も子もないので、僕なりの VH 論を少々(笑)。

僕にとっての Van Halen のイメージは David Lee Roth でも Eddie Van Halen でもなく Alex Van Halen なんです。とにかくあのドラムの音が衝撃的でした。オープン全開のハイハットはシャンシャン鳴りっぱなしだし、スネアはポンポコ言っているし、フィルというとデュクデュク下降するタムの連打だし、そのプレイを形容しようとすれば、まさに "オノマトペ" 状態です(笑)。そんなドラムに最初は全く馴染めず、Stryper の Robert Sweet と並んで "苦手なドラマー" の代表格でした(とはいえ彼らに個人的に恨みはないので "嫌いなドラマー" ではありませんよ・・・笑)。ただそれも今は昔、やっぱり彼のドラムを聞くと Van Halen なんだなぁって実感しますね。相変わらず好きなタイプではないですが、それでもあの個性こそが僕に Van Halen を感じさせる一つの要素になっているんです(笑)。

最後に一言だけ。昨日の書き忘れになりますが、"5150" というアルバム、よくあそこまでヒットしましたよね。今まで Van Halen の看板を背負っていた David Lee Roth がいないんですよ。あれだけ個性的なヴォーカリストの後釜に据わって、世間を納得させた Sammy Hagar の実力ってやっぱり凄いです。もちろん "Eddie がいればこそ" というのもあると思いますが、看板ヴォーカリストの交替が悲劇を招いたバンドが多い中、前任者に勝るとも劣らない名声を勝ち得たヴォーカリストの数少ない一人ではないでしょうか(逆にオリジナル・ヴォーカリストのイメージが薄いバンドもありますが・・・苦笑)。




Van Halen / 5150 (1986)

2007-09-09 10:25:04 | Music > HM/HR
 
今月号の B!誌を読んでいたら新生 Van Halen のメンバー・ショットが載っていましてね、息子のアマデウス・モーツァルトくんはいいとして、なぜか Graham Bonnet が一緒に写っているんですよ・・・とよく見たら激痩せした Eddie ご本人でした(苦笑)。髪型といい、顔のシワ具合といい、ほとんどサングラスを外したやっさんではないですか(笑)。それはさておき、今後も "健康第一" でお願いしますね。

というわけで Van Halen です(笑)。ベタの極みで "5150" なんてどうでしょう。最初の頃はイマイチ読み方がわからず「ごーいちごーぜろ」などと呼んでいましたが、誰かが「フィフティーワン・フィフティー」と言っているのを耳にしましてね、「おお、なんてカッコいい響きなんだ! あのアルバムにピッタリではないか!」と感動(笑)。それ以来ちょっと気取って「フィフティーワン・フィフティー」派です(笑)。でも "1984" を「ないんてぃーん・えいてぃーふぉー」と呼ぶのには抵抗があるんですよねぇ。なんか冗長的過ぎるというか・・・。こっちは今でも「いちきゅーはちよん」です(苦笑)。

曲として好きなのはやっぱり "Why Can't This Be Love", "Dreams", "Love Walks In" あたりかなぁ。今でも "Love Walks In" を聴くと高校時代の遠足を思い出しますね。青空の下で昼寝をしながら聞いたんです(なんちゅう思い出だ・・・笑)。ギターでは "5150" のリフがクールで大好きですね。そういえば、僕が MTV を観始めた頃、"Best Of Both Worlds" が毎週一位に輝いていましたが、当時はこの曲のもっさり感が苦手で「何でこんな曲が一位になるのだろう? アメリカって不思議!」という印象を持ったことを覚えています(笑)。



Vertigo / same (2003)

2007-09-08 09:49:01 | Music > Rock/Pops

Joseph Williams - vocals
Fabrizio V. Zee Grossi - bass, guitars, keyboards, programming
Francis Beitez - background vocals
Alex De Rosso - lead guitars
Biggs Brice - drums
Jim Scattolin - additional guitars

Vertigo はイタリア出身のマルチ・プレーヤー兼プロデューサー Fabrizio V. Zee Grossi が元 Toto の Jeseph Williams をヴォーカルに起用したプロジェクトで、本作はその第一弾となるアルバムです。2nd アルバムは以前記事にしましたが、デビュー作は長らく未聴でした。先日 cherry さんのブログで Vertigo の名を見かけ、思い出したようにゲットした次第です(笑)。ちなみに Fabrizio は同時期にほとんど同じメンツで Perfect World という名のプロジェクト作品もリリースしており、こちらは元 Hurricane の Kelly Hansen がヴォーカルを務めています(現在は Foreigner に在籍)。

アルバムはギター・サウンドを前面に出したパワフルな MHR で、Joseph のヴォーカルもそれに合わせるかのようにハードなスタイルです。本作に Toto 時代のハイトーンを望むことはできませんが、一聴して彼とわかる声はやはり稀有の存在ですね。バックのミュージシャンで気になるのはリード・ギターの Alex De Rosso。一時期、John Norum の代役として Dokken のツアー・メンバーを務めたことがあるギタリストです。それ故、名前だけは知っていましたが、実際にプレイを聴くのは今回が初めてです。で、肝心の腕前のほうですが、正直あまり記憶に残っていません(苦笑)。本作においては、そつなく自分の仕事をこなしているという感じでしょうか。ソロ・アルバムを何枚か出しているそうなので、そちらのほうが気になりますね。

最後に中辛トークを少々(笑)。去年リリースされた二作目でも感じたことなのですが、Fabrizio がプロデュースするサウンドは中~低音域が極端にブーストされており、各パートの輪郭がかなりぼやけています。音にあまり奥行きが感じられず、すべての楽器がダンゴ状態になって耳に届くんですよね(苦笑)。キャッチーな割りに爽やかさがあまり感じられないのは、その辺りに原因があるかも知れません。さりとて楽曲は及第点ですから、Joseph ファンはマストですよ!(笑)



iPod classic

2007-09-07 00:30:35 | Audio
 
新型 iPod が発表されましたね。HDD タイプの iPod は今回から iPod Classic という名称を与えられ、最大容量が 160GB まで引き上げられました。これにはかなり食指が動きます(笑)。次世代は 120GB くらいだろうと予想していましたが、それをはるかに上回る大容量ですものね。色はシルバーとブラックで、イメージカラーだったホワイトは無くなったそうです。同シリーズには他に 80GB 版もあり、おそらくこちらのほうが主流になるでしょう。

さてどうしたものか・・・(笑)。



Saraya / When The Blackbird Sings... (1991)

2007-09-05 23:27:48 | Music > HM/HR

Saraya:
Sandi Saraya - vocals
Tony Bruno - guitar, vocals
Barry Dunaway - bass, vocals
Chuck Bonfante - drums

Gregg Munier - keyboards

デビュー作に比べアリーナ・ロック的要素が強くなった 2nd アルバム。ギター・リフを中心に組み立てられた楽曲は以前にも増してハードな趣で、アルバム全体のスケール感もグンとアップしました。ここまで来ると Vixen というよりは Winger や Slaghter に近いサウンドですね。バンドの編成がキーボードレスになったことも少なからず影響しているかも知れません。

ラインナップについて少し補足しておきます。本作ではギターもさることながらベース・ラインもかなり目立っており、前作とは明らかに異なる印象を受けます。クレジットを見て納得したのですが、ベーシストが Yngwie Malmsteen との活動で知られる Barry Dunaway に替わっていたんですね(MSG や Dokken にもいたような気がしたのですが、それは Barry Sparks でした・・・苦笑)。トレブルの効いた特徴のある音で、ベテランらしい味わいのあるベースをプレイしています。

それともう一人、これもクレジットを見るまで気付かなかったのですが、創立メンバーとして Alsace Lorraine 時代から Saraya を支えて来た Gregg Munier が正式メンバーから外れています。脱退の理由について、バンドの方向性に伴うものなのか、個人の意向なのか、そのあたりの事情は不明ですが、少なくとも本作におけるキーボードの比重が前作より減少していることは確かです。残念なことに Gregg は去年の二月、インフルエンザと肺炎の合併症が元で他界してしまったとのこと(合掌)。

Jeff Glixman プロデュースのデビュー作はキーボード主体のポップなナンバーからミディアム・テンポの重量感あふれるナンバーまで様々なタイプの楽曲が共存するバラエティ豊かなアルバムでした。それに対し本作は、バンドの方向性をある程度絞り込み、サウンドに統一感を持たせているように感じます。このあたりはプロデュースを手掛けた Peter Collins の影響が出ているのかも知れませんね。どちらが勝っているというわけではなく、このあたりは好みの問題でしょうね。

そういえば、前回の記事で "Timeless Love" という曲は「ショッカー」のサウンドトラックでしか聞けないと書きましたが、ファン・クラブ限定でリリースされたデモ&未発表曲集の CD にもこの曲が収録されているようです。さすがにここまでは知りませんでした・・・(苦笑)。

余談ですが、Sandi は本作のリリース後、Tesla のベーシスト Brian Wheat と結婚しています(当時 Saraya は Q-Prime に所属しており、Tesla とはレーベル・メイトの関係)。



Guardian / The Yellow And Black Attack... (1999)

2007-09-02 00:17:30 | Music > HM/HR

Guardian:
Jamie Rowe - vocals
Tony Palacios - guitars
David Bach - bass
Karl Ney -drums

アメリカ出身のクリスチャン・メタル・バンド Guardian が教祖 Stryper のデビュー作 "The Yellow And Black Attack" を "まるごとバナナ" してしまったというかなり気合の入ったカヴァー・アルバム。誰しも一枚くらいは「○○の演奏であのアルバムを聴いてみたい」という願望を持っていることでしょう。この世の中に Guardian の演奏で Stryper のデビュー作が聴きたいと願った人がどれだけいたのかは知りませんが、彼らは本当にやり遂げてしまいました(笑)。しかもアルバムのタイトルが "The Yellow And Black Attack Is Back!" だなんて、何とも粋ではありませんか!(記事タイトルでは文字数の制約上、一部省略)

こういう性格のアルバムをリリースした以上、リスナーの関心が「どれだけ似ているか」に集中してしまうのはある程度避けられない事実です。もちろん裏をかいて、まったく異なるサウンドで攻めてくるという作戦も考えられないではありません。世の中には様々なスタイルのカヴァー・アルバムが存在しますからね。ただ本作に関して言えば、オリジナルを踏襲したアレンジで、Stryper に対する敬意がストレートに伝わってくるアルバムです。つまりスタイル的には正攻法ということですね。まあ実際に似ていると感じるかどうかはネット上でも賛否両論あり、聴く側の感性に委ねられるようですが、ここでは僕なりに思うところを書いてみようと思います。

オリジナルのまんまという一歩間違えばギャグにしか映らないアルバム・ジャケット。それが実際に音を聴いてみるとこだわりの一つとして感じられるから不思議です。ヤリ過ぎもここまで徹底すれば爽快感すら与えてくれますね(以下は本家版のジャケット)。



そんなわけで中身のほうは至って真剣です。アレンジはオリジナルに忠実ですから、原曲がわからないという非常事態に陥ることはまずありません。それならば STRYPER 度は高いのかというと、実はそうでもないんです(笑)。ここからは個人的な所感になりますが、正直サウンドはまったく別物です。もちろんアルバムを聴いてイメージするのは Stryper です。しかしそれはあくまで聞き手である僕がオリジナルのバージョンを知っているからに過ぎません。楽曲に囚われず各パートに耳を傾けてみると、やはりバンドは自分達の音を出しているんですよね。

まずヴォーカルですが、洗練されたハイトーン系の Michael Sweet とは対称的に Jamie Rowe の唄い方はかなりハード・ロック然としています。大味ではありますが、声のコントロールも効いていて、なかなか上手いヴォーカリストだと思います。オリジナルよりも楽曲がハードに聞こえるのは、パワフルかつワイルドなこの声質に依るところが大きいですね。これはこれでカッコいいのですが、Stryper を彷彿させるスタイルではありません(笑)。

次に Stryper サウンドの要であるバッキング・ギター。ツイン・ギター編成であるかはさほど重要ではなく、Tony Palacios のザクザクとした質感のギター・サウンドがすでに Stryper のそれとはかなり異なる印象を与えています。オリジナルで聞ける独特のミュート音も Stryper らしさを感じさせる一つの要因でしたが、この辺りの再現性も低いと言わざるを得ません。ギター・サウンドに絞れば、Mass の "Voices In The Night" に金メダルを与えたいところ。本作は残念ながら予選落ちですね(笑)。ただし似ているか否かを問わないのであれば、この Tony Palacios というギタリスト、テクニックもサウンド・メイキングもかなりハイレベルです。ちなみに Guardian 以外の活動としては Mastedon のアルバムや Michael W. Smith のツアーなどに参加しているそうです(やっぱりクリスチャン系・・・笑)。

最後はドラム・サウンドについてです。良くも悪くも Stryper のドラムはクセが強いですから、リスナーに依って好き嫌いがハッキリ分かれるところだと思います。個人的には Robert Sweet のポンポンと甲高いスネアの音や単調なフィルがあまり好みではないので、本作のタイトで抜けの良い音は大歓迎。ただ、それが Stryper っぽいかと言えば、やっぱりノーです(笑)。

以上をまとめると、メロディやアレンジに関してはオリジナルそのものですが、サウンドからは Stryper っぽさはほとんど感じられません(あくまで個人的な所感ですよ)。全体的な印象であれば Mass の "Voices In The Night" のほうがよっぽど "ストライパーしている" と思います(笑)。聞き手の関心を「どれだけ似ているか」に集中させてしまうと、こんな結論になってしまいますね(苦笑)。

では本作は単なる企画モノに過ぎない退屈なアルバムなのかというとそんなことはありません。むしろオリジナル以上に骨太で正統派のハード・ロックに仕上がっていると思います。バンドのテクニックもおそらくは本家を上回っているでしょう(苦笑)。僕は変に Stryper を意識せず聞くほうが楽しめるアルバムだと思うのですが、皆さんはいかがですか?(笑)



Saraya / same (1989)

2007-09-01 10:20:11 | Music > HM/HR

Saraya:
Sandi Saraya - vocals
Tony Rey - guitars, vocals
Gary Taylor - bass, vocals
Gregg Munier - keyboards, vocals
Chuck Bonfante - drums

当時、輸入盤店の激安コーナーで見つけ、何となく手を出してみた一枚。500円という投げ売り価格だったこともあり、ジャケの雰囲気だけで衝動買いしてしまいました。仮にハズレだったとしても安いからいいやってね(笑)。

リアルタイムではあまりピンとこないアルバムでしたが、今聴くと結構好みのサウンドです(笑)。ただ悲しいかな、音だけを残して CD の方はすでに手放してしまったんですよね。今では少々プレミアが付いているそうで、ちょっと惜しいことしたかなぁ・・・(苦笑)。

本作がデビュー作となる Saraya は紅一点のシンガー Sandi Saraya を中心としたニュー・ジャージー出身のハード・ロック・バンド。同時期に活躍した Vixen とは異なり、バックを務めるメンバーはすべて男性陣で固められています。"正統派" と呼ぶに相応しい骨太で力強いサウンドはその辺りが影響しているのかも知れません。

アルバムは "Healing Touch" や "Back To The Bullet" といった哀愁漂うポップ・ナンバーを始め(すごく Vixen っぽい!)、ZEPPELIN 風の "Get U Ready"、Rainbow 風の "Runnnin' Out Of Time" などバラエティに富んだ作品に仕上がっています。とりわけバンドの要となる Sandi のヴォーカルは魅力的で、時にはハードに、時にはソフトに、時にはブルージーに、様々なスタイルの楽曲を表情豊かに唄いこなしています。個人的には前述の曲に加え、ミディアム・テンポの "One Night Away" 、メロハーチックな "Fire To Burn" なんかもお気に入りですね。

手元に CD がないため、クレジットに関してはネットで調べました(笑)。当時は気にかけていなかったのですが、メンバーには Danger Danger のデビュー作でギターを弾いていた Tony Bruno(本作のクレジットでは Tony Rey)や Morning Wood のドラマー Chuck Bonfante がいたんですね。Tony は Danger Danger のサポート後、Alsace Lorraine というバンドに加入、これが後に Saraya と改名したそうです。本作に収録されているピアノの小品 "Alsace Lorraine" はその名残りですね。ちなみにプロデューサーは黄金期の Kansas を手掛けたことで有名な Jeff Glixman。

最後にマニアックな小ネタを一つ。Saraya は 1989年に公開された映画「ショッカー」のサントラに "Timeless Love" というバラードで参加しており、このアルバムでしか聴けない貴重な一曲となっています(作曲は Desmond Child、リード・ギターは Steve Lukather)。同曲はサントラからシングル・カットされた Bonfire の "Sword And Stone" にも収録されており、実はこのシングル、今も僕のライブラリーで眠っていたりします(笑)。そんなこと、ディスコグラフィーを見るまではすっかり忘れていましたよ(笑)。