
Dominic Miller - guitar
Sting - vocal
Placido Domingo - vocal
Alejandro Lerner - vocal
Chris Botti - trumpet
Vinnie Colaiuta とともに Sting バンドのメンバーとして活躍するギタリストのソロ・アルバム。ガット・ギターが奏でる叙情的なメロディ、バックに流れるヨーロッパ映画の音楽を思わせるストリングス、大人の味わいのあるとても落ち着いたムードのアルバムです。耳馴染みのあるクラシックの名曲を中心にイージー・リスニング風のサウンドでアレンジされており、どちらかというと BGM 向きかもしれません。Dominic は自身のソロ・アルバムでありながらもゲストを立てた控えめなプレイで楽曲に溶け込んでいます。何となく彼の職人気質がうかがえて微笑ましいですね(笑)。
"Shape Of My Heart" は Sting の "Ten Summoner's Tales" に収録されていた曲で Sting 本人をヴォーカルに迎えた再録ヴァージョンです。アレンジはオリジナルと比べて大きな変化はありませんが、それでも敢えて取り上げたということはそれだけ二人にとって特別な曲なのでしょう。Dominic が弾いた美しいギター・リフに Sting が歌詞を付けていき仕上げた曲だそうです。フランス映画「レオン」のエンディングでも流れていましたから、聴いたことがある方も多いでしょうね。内省的で美しいこの曲が Sting のベスト盤 "Fields of Gold: The Best of Sting 1984-1994" から外されたのは不思議という他ありませぬ・・・。
数ある "Ave Maria" の中でも最も有名と思われるシューベルト作の "Ave Maria"。この曲を唄うのは Sting と世界3大テノールのドミンゴさんです。Sting のヴォーカルは評判があまりよろしくないようですが、ドミンゴさんはさすがの歌いっぷりですね。個人的には Moya Brennan のヴァージョンが聴きたかったです(後述)。ちなみにドミンゴさんは Ariel Ramirez 作の "Misa Criolla" でもその美声を披露しています。
"Mi Fe" を唄う Alejandro Lerner はアルゼンチンのシンガー・ソングライターで Dominic とは同郷。互いのソロ・アルバムに参加し合うなど交流も深いようです。"Prelude No.3 For Clavier" で官能的なトランペットを吹いているのはスムース・ジャズ界の貴公子と呼ばれる Chris Botti。Sting や Steven Tyler といった豪華なゲスト陣を迎えたデュオ・アルバムをリリースしたこともあります。このアルバムのバックにはカリウタ先生もしっかり参加していました(笑)。
Dominic Miller Official Website:
http://www.dominicmiller.com/
P.S. "Ave Maria" のところでちょっと触れましたが、実はこの "Shapes" というアルバム、私が持っているのはインターナショナル盤と呼ばれるもので、本作に先駆けて 2003年に Inversion というレーベルから収録曲やゲストが若干異なるオリジナル盤がリリースされているんです。本作には未収録の Ennio Morricone の曲が取り上げられていたり、Clannad の Moya Brennan が唄う "Ave Maria" が収録されていたりと興味がそそられます。そういえばモイアって今まで名前の表記は Maire でしたが、発音に近い Moya に変えたんですね。何か妹の Enya っぽいです(笑)。
ドミニクのソロ作はプレイそのものよりサウンドの美しさに耳がいきますね。四六時中聴くタイプの音楽ではないですが、一人落ち着きたいときにいいかもです(笑)。
はじめまして!
スティングの今のサウンドに相当影響を与えている
のがこのアルバムを聴くとよ~く分りますねー。
マイナー系やクラシックははちょっと苦手なんですが、このアルバムを聴いてちょっと聴く耳が変わりました。心が休まる今のあっしには最高の一枚です!
今後もどうぞ宜しくですm(__)m
ようこそです♪
確かに今のスティングってドミニクの存在が大きいですよね。単なるバックのメンバーではなく、方向性にも大きな貢献をしているギタリストだと思います。名曲 "Shape Of My Heart" もドミニクがいたからこそ生まれたんだなぁって感じることのできるアルバムですよね。
こちらこそよろしくお願い致します!