Whitesnake / Slip Of The Tongue (1989)

2007-02-28 21:43:41 | Music > HM/HR
 
Steve Vai が Whitesnake に加入すると聞いて、戸惑いを隠せなかった WS ファンは多かったのではないでしょうか。大方の予想通り、見事に彼のカラーに染まった "Slip Of The Tongue" は "Serpens Albus" のメタリックなサウンドから一転、超ド派手なエンターテイメント性が前面に押し出され、いまひとつ焦点の定まらないアルバムになってしまった気がします。告白しますが、実は僕もそんなガッカリ組の一人でした。敬愛する Adrian の不参加に加え、あらぬ方向に流れてしまったこのアルバムを当時の僕はどう捉えたらよいかわからなかったんですね。すべては David の人選から始まったことであり Steve に非がないことは明らかでしたが、つい主犯的な扱いをしてしまうファン心理のなんと残酷なことか・・・。ある意味、Steve 本人が一番の被害者だったのかもしれませんね(笑)。

ところで、今でもそう思っているのかと問われれば、答えはノーです。ここが人間の感性の面白いところで、しばらくするとすっかり慣れちゃいました(笑)。もともと職人揃いのバンドでしたから、方向性の是非はともかく、アルバムの完成度は折り紙付き。クセの強さに対するネガティブな感情など、時間がきれいさっぱり洗い流してくれましたよ(笑)。

余談ですが、"Sweet Lady Luck" というアウトテイクをご存知でしょうか。もとはシングル "The Deeper The Love" に収録されていた曲で、その後も編集盤などに何度か顔を出しています(僕の手元にあるのはリリース当時に入手したシングル盤)。疾走感のあるとてもカッコイイ曲で、アルバムから選曲漏れしたのが不思議なくらいです。まあそんな話はいいんですが、実は僕、この曲のイントロがギターであることにしばらく気が付かなかったんですよ。よく聴けば両手タッピングでビロピロとやっていそうな Steve お得意のフレーズですが、なぜかずっとキーボードだと思っていました。「だからどうした?」と言われればそれまでなのですが、僕にとってはちょっとした発見だったんです(笑)。ただ残念なことに当時の僕の周りにはこんなマニアックなネタに付き合ってくれる人は皆無で、今の今まで誰かに話したいという気持ちを抑えていました。そんなわけで最初から気付いていた人も知らなかったフリをしてください。それだけで僕は救われますから・・・(笑)。



Blue Oyster Cult / Club Ninja (1985)

2007-02-27 06:54:00 | Music > HM/HR
 
実はこのアルバムに辿り着くまでには紆余曲折ありまして・・・。

かなり昔の話ですが、家の中を整理していたら何となく見覚えのある一本のテープが出てきました。聴くまでは思い出せなかったのですが、高校時代に友人から送られたお好みテープでした。すごく懐かしくてね、聴きながらちょっぴり感傷的になってしまいました(笑)。渡されたときには知らない曲ばかりでしたが、結構気に入って、よく聴いていたんですよ。トラックリストが無かったことも懐かしさに拍車を掛けたかもしれません。次の曲が始まるたびに「そういえばこんな曲、入っていたよなぁ・・・」ってね(笑)。今ではそのほとんどが何らかの形で手元にあります。この頃の好みは今も変わらないということなのでしょう(笑)。そんな懐かしいテープですが、アーティストもタイトルもわからない曲がひとつだけありまして、トラックリストが無いことが裏目に出てしまいました。曲そのものはよく覚えているだけに、気になって仕方なかったのですが、当時は今のように自宅でネット検索ができるわけでもなく、モヤモヤを抱えたまま諦めるしかありませんでした・・・。

時は流れ数年前、インターネットに感謝する日がやってくることになります。何の偶然か、再びこのテープを見つけまして「今なら探せるはず」と、得意の?歌詞検索を掛けてみることにしました。サビの部分がうまく聞き取れず、それ以外の単語で試してみるのですが、なかなか検索結果が絞り込めず苦戦しました。そんな格闘の中、ふと僕の目に入ったのが "Blue Oyster Cult" の文字。そういえば友人はかなりの BOC ファンでした。これはターゲットに近付いているぞという確信を得ながら、さらにダウジング、いや、検索を続け、辿り着いたのが本作の "Club Ninja" というアルバムでした。チープなジャケットも見覚えがあります。間違いなく友人はこのレコードを持っていました。記憶って二次関数的に蘇ってくるものなんですね。高まる興奮を抑えながら、今度は試聴できるサイトを探すことにしました。ほどなくしてサンプル音源を見つけまして、僕はあの曲が "Make Rock Not War" というタイトルだったことを知るわけです。まさに 15年来のモヤモヤから解放された瞬間でした・・・。

相変わらず下らない思い出話に付き合ってくださってありがとうございます(笑)。今のようにネットがなかったらこの曲に辿り着くのはほとんど不可能だったでしょう。どこかで偶然耳にする機会なんてまず無いでしょうし、「この曲知ってる?」って周りの人に訊いたところで答えが返ってくるような曲でもありませんしね(笑)。ところであのテープは再び僕の前から姿を消してしまいました。どこかにあるとは思うんですが、もし見つかったらトラックリストをアップしたいと思います。

最後に BOC と本作について少々(笑)。BOC といえばゴジラ、ゴジラといえば松井秀喜。いや松井秀喜にはなんの関係もないんですが・・・(笑)。それはさておき、BOC がその名も "Godzilla" という曲を世に送り出したのはあまりにも有名です。また名曲 "(Don't Fear) The Reaper" は HM/HR ファンであればどこかで耳にしているかもしれませんね。本作は低迷期にリリースされたアルバムということもあり、彼らのディスコグラフィーの中では影の薄い存在ですが、MHR/AOR 系のファンにはイケる内容だと思います。必死で探したからというわけではないですが "Make Rock Not War" はいい曲だと思いますし、"Dancin' In The Ruins" のメロディも好きですね。



[705SH] ケータイ買い替え

2007-02-25 00:05:33 | Audio
 
もともとケータイにはあまり興味がなく、古い機種でも平気で使い続けるタイプだったのですが、昨年末辺りからバッテリーの持ちが著しく悪くなり、待ち受けでも一日持つか持たないかという状況が続いておりました。さすがにこれでは使い物にならないだろうと買い替えを迫られることになったのですが、極力出費を抑えたいため、バッテリー交換も視野に入れて、価格調査をしてみました。バッテリーは状態のいいものだと機種変更の事務手数料と同じくらい掛かるんですね。それなら素直に機種変更でもするかということで買い替えたのがシャープの 705SH です。vodafone 時代から存在するケータイで、Softbank 現行機種の中では古い部類に入りますが、何せ今まで使っていたのが四年くらい前のケータイですから、ワンセグなんか無くたって、僕には十分すぎるほど最先端なんです(笑)。おそらく今回もトコトンまで使い切るだろうと予測し、スーパーボーナスで購入することにしました。貯まっていたポイントの割引もあり、ほとんどタダ同然で手に入れることができたのは嬉しい限り(笑)。

何でわざわざこんなネタを記事にするのかといいますと、音楽好きには気になる機能が色々と備わっていることに気付いたからなんです。普段からあまり電話はしないし、メールもちょこちょこ程度、前機種は外出先でブログの草稿を書くための道具に過ぎませんでしたが、705SH は通勤時間やちょっとした空き時間にも音楽を楽しめるメディア・プレーヤーとして活躍しそうなんですよね。そんなわけで 705SH を使い倒してみようという気になった ghostwind です(笑)。ちょっぴり気になる機能を挙げてみますと・・・

・PC とのデータ通信が可能
・音楽の試聴が可能
・自作の着うたフルを登録可能
・動画の再生が可能
・外部メモリのリーダー/ライター機能
・Bluetooth 対応

今では当たり前の機能なんでしょうけれど、前の機種ではどれ一つとして出来なかったんですからね。じっくりと調べて自分のものにしようと目論んでいます(笑)。自身の覚え書きも兼ねて、音楽ネタの合い間に挿んでいく予定です。

Bangles / Different Light (1985)

2007-02-24 08:23:15 | Music > Rock/Pops
 
もう20年以上も昔の作品になるのですね。洋楽聴き始めの頃に出会った懐かしいアルバムのひとつです。日本では「シルバースクリーンの妖精 」という邦題が付いていました。僕が全米のヒットチャートを追い掛けるようになったのは1986年の後半ですから、前年リリースの本作はかなり長い期間チャートの上位にランクインしていたということになりますね。

元々このアルバムはミュージック・テープで持っていたはずなんですが、いつの間にか行方をくらましてしまいました(記憶が不明瞭なので、もしかしたらダビングしたテープだったかもしれません)。かくれんぼが始まったことさえ気付かずに、今まで過ごしてきましたが、先日 cherry さんのブログで Bangles の記事を読んでいたら、無性にこのアルバムが聴きたくなりましてね。いわゆるノスタルジーというやつでしょうか(笑)。今から探すとなるとかなり骨なので、不精者の僕は安易に借り直す道を選択することにしました(笑)。

オープニングの "Manic Monday" からノスタルジックな風が吹きまくりです。とにかくスザンナの声が可愛いったらありゃしない! あんなチャーミングな曲をプリンスが書いただなんて未だに信じられないです(笑)。シングルカットこそされませんでしたが、続く "In A Different Light" も結構好きですねぇ。その後も "Walking Down Your Street", "Walk Like An Egyptian", "If She Knew What She Wants" などヒット曲が目白押しです。ただアナログでいうB面の記憶はかなりあいまいでした(笑)。シングル曲のほとんどがA面に集中しているせいでしょうかね(笑)。




Riot / Narita (1979)

2007-02-21 00:00:30 | Music > HM/HR
 
学生時代、千葉に住んでいたこともあり、空港というと羽田ではなく成田を利用していました(一日一便だけ札幌行きがあるんです)。本作のタイトル曲 "Narita" はその成田国際空港のことであり、社会問題にまで発展した成田空港問題に触発されて誕生したというインスト曲です。ロックン・ロール色が強いアルバムの中で、この曲のスピード感と泣きのメロディは一際輝いていますよね。デビュー作に収録の "Warrior" と並び、名曲と云われるのも頷ける話です。ただ個人的にはメロディが水曜スペシャルの「川口浩探検シリーズ」で流れていたテーマ曲に聞こえてなりません(笑)。

オールド・スクールなハード・ロックを基調にしたサウンドは "Thundersteel" 以降のパワー・メタルとは異なりますが、ところどころ現在のスタイルを匂わせる部分があることは確かです。今年で結成30周年を迎える長寿バンドのルーツを知る上では重要な一枚といえるでしょう。惜しむらくは優れた音楽性に反してジャケットがかなりチープなこと。深い意味が隠されているのかも知れませんが、ゴマちゃんが斧持って、真っ赤なスモウ・レスラーに扮している姿って一体・・・(苦笑)。



東儀秀樹のもう一つの旅 ―南仏の光と風―

2007-02-20 00:30:49 | Books
 
今年に入って何冊か読んだ東儀秀樹氏の著書のうちの一つ。今回は南フランスの旅を題材にした紀行文です。少年のような好奇心に満ちた東儀さんが旅先で様々なものに出会い、その感性に大いなる刺激を受ける様が手に取るように伝わってくる一冊です。著者の人柄を思わせるふんわりとした文章は読者の旅の疑似体験を心地良いものにしてくれるでしょう。また随所に挿まれる南フランスの風景や街並み、そして人々を捉えた数多くの美しい写真は本書により一層のリアリティを与えています。東儀氏の内面に迫った話はほとんど出てきませんが、ここぞというところで前向きであることの大切さを説くあたり、彼の人生哲学を感じずにはいられません。



Heathen / Victims Of Deception (1991)

2007-02-19 00:30:08 | Music > HM/HR
 
ついでといってはバンドに失礼ですが、2nd も聴きました(笑)。さらについでといってはさらに失礼ですが、少しだけネット検索もしました(笑)。なんと最近、再結成していたんですね。スラッシュ・メタルが当時も今もそれほど得意ではない僕ですから、さすがにそこまで追う気はないですが、昔のバンドが復活するのは往年のファンにとって嬉しいことではないでしょうか(素直に喜べない場合もありますけど・・・笑)。

2nd は 1st に比べてプロダクションが向上しているので聴きやすいです。加えてヴォーカルも驚くほど上達しています。ただ僕にとってはデビュー作で聞ける Kai Hansen 時代の Helloween をスラッシーにしたようなサウンドのイメージが強く、それを期待して聞くと肩透かしを喰らいます(笑)。「バンドのアイデンティティを大切にしろ」とお叱りを受けそうですが、前作の "Walls Of Jericho" アルバムを彷彿させるスタイルが好みだったもので・・・(笑)。とはいえ、今ならこのくらい質の高いスラッシュ・サウンドなら全然問題ないですね。COB だって何とか聴きますから(笑)。別に無理をしているわけではなく、かなり免疫が出来てきたということなのでしょう。Rainbow のカヴァーだってまんざらでもなかったしね(笑)。



青春を山に賭けて / 植村直己

2007-02-18 00:42:14 | Books
 
野口健氏の著作を読んで、彼の人生を変えたという座右の書を読んでみたくなりました。本書は世界的に有名な冒険家である植村直己さんの青春時代を綴った自伝で、明治大学山岳部の入部に始まり、20代の彼が経験した数々の冒険について描かれています。中心となるのは世界で初めて五大陸最高峰を制覇するまでの話で、マッキンリーの登頂でこの偉業を成し遂げたとき、僕はまだこの世に生まれていませんでした・・・。

とにかく常軌を逸したスケールの物語であり、こんなに生命力に溢れた生き方をしていた人が実在したなんて信じられないくらいです。彼のような生き方を真似できるとは思いませんが、彼の真摯な人柄や人生哲学から多くのものを学ばせてもらった気がします。



Frank Gambale / The Great Explorers (1993)

2007-02-17 00:00:55 | Music > Jazz/Fusion
 
T Lavitz の新プロジェクト発足記念と題して、その第二弾は Frank Gambale です(笑)。フュージョン・ギターの名手 Frank が、リフあり、ペンタトニックありのロック・フュージョン・スタイルのギターで作り上げたアルバムです。フュージョン色の強い作品では今ひとつギターに物足りなさを感じていましたが、本作で聴けるサウンドは初期の Joe Satriani に近く、ロック・ファンにも十分アピールしうる音楽性だと思いますね。ちなみにリズム・セクションはそんな Joe のバンドでお馴染みの Stuart Hamm と Jonathan Mover です。ポップなサビメロが印象的な "The Great Explorers" や泣きの "She Knows Me Well"、エンディング・ソロの弾きまくり具合が気持ちいい "Thunder Current" など楽曲も充実しています。極め付けはハード・ドライヴィンなロック・チューン "The Jaguar" でしょう。Joe の名曲 "Summer Song" を彷彿させるグルーヴ感がたまりません。



The Rippingtons / Kilimanjaro (1988)

2007-02-16 06:25:12 | Music > Jazz/Fusion
 
僕にとっての RIPPINGTONS って、やっぱりこのアルバムなんですよね(笑)。学生時代、ドラマーの友人が紹介してくれました。本人はカリウタ先生が参加しているアルバムということで買ったらしいのですが、二人ともすっかり RIPPINGTONS サウンドにハマってしまい、徐々にレパートリーに組み込んでいくことになりました(笑)。大変だったのは、僕自身、本格的なフュージョンをプレイするのはこの時が初めてだったということです。高校時代はメタル系のギターばかり弾いていましたから、カッティングには苦労しましたね。そこそこの速弾きはこなせても、クリーン・トーンでチャカチャカと演れないんです(笑)。どうしても手首が硬くなってしまい、ぎこちない音しか出てきません。オマケにエフェクターといえば歪み系とディレイくらいしか使ったことのない僕が空間系のコーラスを上手く扱えるはずもなく、まさにダブル・パンチでした(笑)。そうそう、もっと笑えるのが歪み系のバッキングですね。なぜか音がメチャメチャ太いんです。コードを鳴らすと「グワ~~ン」って感じで・・・(爆)。HR/HM ってヴォーカルもパワフルだからこそ、あのバッキングでも合うんですね。サックスのような繊細な楽器のバッキングの場合、太すぎる音では自己主張が強すぎて、アンサンブルを壊してしまうんですよ。「これではいけない!」と懸命にリズム・ギターの線を細くする方法を研究しました。高校時代は好き勝手に自分のギター・テクニックを磨いているだけでしたけど、フュージョン・バンドを演ることでバンド・アンサンブルというものを深く考えるようになりましたね。

・・・とそんな想い出が蘇ってくる一枚なんです(笑)。

爽やかで躍動感に溢れた "Morocco" は RIPPINGTONS の中で最も好きな曲の一つです。ガット・ギターが奏でる "Northern Lights" の甘酸っぱいメロディ、アンサンブルのカッコ良さが光る "Dream Of The Sirens"、軽快なビートと生き生きとしたサックスが気持ちいい "Backstabbers" など、僕にとっての RIPPINGTONS がいっぱい詰まったアルバムです。




ぐちゃぐちゃデスクのシンプル整理術

2007-02-15 00:10:57 | Books
 
ハイ、僕は物をなかなか捨てられないタイプの人間です(笑)。つい「勿体ない」とか「いつか必要になるかも」という思いが頭を支配してしまうんですよ。よく言えば「物持ちがいい」なんでしょうけれど、あまりの捨てられなさに最近では物を買うのを控えるようになりました(笑)。そんな僕ですから部屋を整理しようとしても全然捗らないんですよね。昔のものが出てきて、ちょっとでも懐かしさを感じてしまったらアウト。ノスタルジックな気分に浸ったまま、時間だけが過ぎていきます。結局、大して捨てるものも見つからず、今度いつ開けるともわからないダンボールが山積みです(笑)。こういうのは性格的なものですから、オフィスのデスクでもやはり同じこと。最初はシンプルで綺麗なんですけれど、段々と物が増え続けていき、いつの間にかシンプルとは対極の世界に様変わりしていきます(笑)。

というわけで読んでみようと思い立ったのが本書です。いきなり整理の達人になれるとは思っていませんが、何かしらのキッカケになれば幸いですね。なるほどと思えるテクニックもいくつか学んだので上手く実践していけたらいいなぁ(笑)。

P.S. いかにも欧米的なイラストが可愛らしいです(笑)。



Heathen / Breaking The Silence (1987)

2007-02-14 00:30:28 | Music > HM/HR
 
Kai Hansen 時代の Helloween をスラッシュ化させたようなスタイルで少しだけ話題になったバンド。当時、完璧にスラッシュを苦手としていた僕にとって、なんとか聴けるギリギリのサウンドでしたね(笑)。ところでなぜ Heathen なのかというと、先日ミュージック・ライブラリをランダム再生していたら唯一記憶に残っている "Death By Hanging" が流れたんですよ。「おお懐かしい!」って、アルバムをフルで聴いてみたわけです(笑)。

いやぁ、なんとも頭のてっぺんから足の先までドップリ B級ですなぁ(笑)。音の悪さにノスタルジーを感じるなんて、時代も流れに流れたわけですねぇ。確か友人の友人にカセット・テープを借りたんですよ、思い出しました(笑)。それと風呂掃除のときにラジカセで聞いていた記憶がかすかに残っています(風呂掃除の手伝いも HM/HR を聴きながらだと苦にならなかったのだ/笑)。いまさらこのアルバムを誰かにお薦めしようとは思いませんが、初期 Helloween のカビ臭さがたまらなく好きという若いリスナーは手を出してみてもいいんじゃないかな?(笑) Sweet のカヴァー "Set Me Free" も演っています。



Dave Weckl / Master Plan (1990)

2007-02-13 00:00:25 | Music > Jazz/Fusion

Dave Weckl - drums
Eric Marienthal - saxophone
Jay Oliver - keyboards, piano
Chick Corea - Synthesizer
Michael Brecker - tenor saxophone
Steve Gadd - drums
Anthony Jackson - bass
Jerry Hey - trumpet
Bill Reichenbach - trombone
Tom Kennedy - bass
Ray Kennedy - piano
Peter Mayer - guitar
Scott Alspach - trumpet

ここ数年、Dixie Dregs や Jazz Is Dead での活動以外に Cosmic Farm や Boston T Party といったメンバーの組み合わせに趣向を凝らしたプロジェクトへの参加が目立つ T Lavitz ですが、なんと今度は Dave Weckl, Frank Gambale, John Patitucci という Chick Corea 門下生の三人とアルバムをリリースするそうです。Magna Carta レコードも粋なことをやりますなぁ(笑)。個人的には The Bat Habitz を率いていた頃の T が好きだったので、あの時代の爽やかなサウンドが少しでも聴ければ嬉しいんですが、メンバーがメンバーですからねぇ。まぁそんな大人しい音にはならないでしょう(笑)。どの程度王道でくるのか、どの程度外してくるのか、とても楽しみです。

そんなわけで今回の Dave Weckl ・・・といいたいところですが、実はこのニュースを聞く少し前、偶然にもこのアルバムを聴いていまして、記事でも書こうかと思っていたところだったんですよ。そんな矢先にこのニュースが舞い込んできて、あまりのタイミングの良さに自分でもちょっと驚きました(笑)。

高校時代は HM/HR 小僧でしたからフュージョンは蚊帳の外でしたが、大学に入り、友人の影響でフュージョンやジャズを少しずつ聴くようになりました。Dave Weckl の名前を知ったのは彼が二枚目のリーダー作をリリースした頃だったと思います。どちらかというとシンプルなドラミングしか聴いたことのなかった僕にとって "Master Plan" は衝撃的でした。タイトで歯切れの良いサウンド、タムを駆使した複雑なパターン構成、強烈なシンコペーションで生み出されるリズム・トリック。この手のドラマーを聴きなれている友人は「手数が多すぎるんだよなぁ」などと言っていましたが、僕自身はかなり新鮮なプレイに感じましたね(笑)。手足の数が普通の人と違うんじゃないかって思いたくなるくらいでした。思えば、僕が初めて「オクトパス」を感じたドラマーって Dave Weckl だったかもしれません(笑)。

オープニングの "Tower Of Inspiration" からかなりキテます。ホーン・セクションを導入してメロディを強調したアレンジになっているんですが、裏で叩かれているドラムがハンパじゃないです(笑)。本当にカッコよくて当時の僕は完全にノックアウトされました。アルバムの中で一番好きなのは "Festival De Ritmo" というラテン系の曲。ちょっぴり哀愁の漂うメロディが心にグッときます。Dave のシンコペーションも気持ちいいくらい決まっていますしね。タイトル曲の大作 "Master Plan" もお気に入りです。サビメロは少しだけで、ほとんどが複雑なアンサンブルなんだけど、そこに至るまでが長い分、その一瞬が際立って美しく感じられるんですね。

いい機会なので Frank Gambale と John Patitucci も一枚ずつ記事を書こうかなぁ(笑)。



だれが「音楽」を殺すのか?

2007-02-12 01:37:26 | Books
 
何年か前に「輸入盤が買えなくなるかも知れない」という話があったことを覚えているでしょうか。アジアから逆輸入される邦楽の還流盤を防ぐ目的で発案された「輸入権」というものが通常の輸入盤にも適用される恐れがあるということで論議を醸し出したあの事件です。今となってはその話題も風化しつつあるようですが、聞きかじった程度のあいまいな知識しか持っていなかった僕にとって、この本で語られている事件の詳細は非常に興味深いものでした。

本書では「レコード輸入権」、「CCCD」、「違法コピーとファイル交換」、「音楽配信サービス」と大きく四つの章に分けて、音楽好きなら何かと気になる話題について深く掘り下げています。個人的には CCCD の存在がアーティストやレコード会社にどういう変化を引き起こしたのか、その辺りの話が面白かったですね。また「違法コピー」や「ファイル交換」といっても決してアングラ的な内容ではなく、それらが日本の音楽シーンに与えてきた影響を極力中立的な観点から述べています。

「好きな音楽は着うたで十分」といったライト・リスナーの方にはさほど興味の沸かない内容かもしれませんが、大小問わず音楽に何かしらのポリシーを抱いて聴いているヘヴィ・リスナーの方には色々と役立つ情報や知識が詰まった一冊だと思います。勉強になりますよ!(笑)



At Vance / Dragonchaser (2001)

2007-02-11 00:12:22 | Music > HM/HR
 
Hartmann が凄く良かったので、彼がオリジナル・メンバーとして在籍していた At Vance を遅ればせながら聴いてみました。アレだけの歌唱力を持ったヴォーカリストのバンドならハズレはないだろうということでね(笑)。オープニングを飾るタイトル曲 "Dragonchaser" から YNGWIE 直系の北欧メタル! ピロピロとドコドコの応酬が何とも懐メタルです。リスナーのハートをガッチリとつかむ勇壮たる一曲ですね。二曲目も同系統かと思いきや、今度は Helloween 張りのジャーマン・メタル路線。最近のバンドは同じ球種を二球続けないのですな(笑)。サビメロは Ronni Le Tekro が書きそうな、ちょっぴりヒネくれたコード進行になっていてフックがあります。ベートーベンの交響曲第五番「運命」やグリーグの「ペールギュント」第一組曲より「オーゼの死」などクラシックの名曲を取り上げていますが、コンセプト・アルバムを構成する一つの要素として重要な役割を担っており、安易なカヴァーと思ってはいけないようです。ネオ・クラシカル・メタル・バンドだからといってベタな選曲をしたわけではないのですね(笑)。それ以上に驚いたのは ABBA のカヴァー。「あれ? 知っているメロディが流れてきたぞ」と思ったら、"The Winner Takes It All" だったんですもの。Sonata Arctica が "The Wind Beneath My Wings" をカヴァーしたときもそうでしたが、爽やかでちょっぴり哀愁のあるメロハーに仕上がっていて、僕は好きですよ、こういうアレンジ(笑)。あとアルバムを通して感じましたが、コンポーザー兼ギタリストの Olaf Lenk はかなりセンスのいいミュージシャンですね。Dixie Dregs をフェイヴァリット・バンドの一つに挙げているところも好感が持てます(笑)。

Oliver Hartmann のヴォーカリストしての深みはソロ作の方が上回っていると思いますが、At Vance で聴けるパワー・メタル・スタイルのヴォーカルも非常に魅力的で、彼が尋常ならざる声の持ち主であることを実感できました。既に結構な枚数のアルバムをリリースしているようですし、今後少しずつ、他のアルバムも聴いてみたいと思います。