Ext2 IFS

2008-07-26 23:50:19 | PC > Software
我が家の LAN ではホームサーバー用に Buffalo 社の LinkStation という NAS が稼動しています。当機には二基の USB ポートが用意されており、外部ストレージやプリンタを接続することが可能です。外部ストレージには FAT32 および EXT3 でフォーマットされたハードディスクが利用できるのですが、FAT32 の場合、ファイルの書き込みや削除を行うことはできず、必然的に EXT3 を選択することになります。しかしその反面、Windows は EXT3 でフォーマットされたハードディスクを認識しないため、この外部ストレージを直接 PC と接続することはできなくなります。もちろん通常のやりとりにおいては LinkStation 接続で十分なのですが、メンテなどで大容量のデータを移動させる場合、転送速度の遅いネットワークを経由するよりもダイレクトで PC に繋いだほうがはるかに作業効率がいいんですよね。今までは "仕様" と思って諦めていたのですが、別の案件をネット検索中に偶然これを解決するソフトウェアを知ることになりました。

Ext2 IFS (Ext2 Installable File System for Windows) は EXT2/3 形式でフォーマットされたハードディスクを Windows で直接扱えるようにするドライバ。その処理は極めて透過的であり、このソフトウェアを PC にインストールすることでユーザーは EXT2/3 フォーマットのハードディスクを FAT32 や NTFS のそれと何ら変わることがなく扱えるようになります。ファイル名の文字コードはデフォルトのコードページ(筆者の環境ではおそらく CP932)か UTF-8 のいずれかを指定します。LinkStation はファイル名に Unicode 文字列を受け付けませんでしたから、ここではデフォルトのコードページに設定します。UTF-8 にすると LinkStation と Ext2 IFS の文字コードが一致しなくなるため日本語のような非 ASCII 文字は互いに文字化けしてしまいます(ASCII 文字は CP932 も UTF-8 も ISO-8859-1 に合わせた同じコードを使っているため文字化けしない)。できれば LinkStation の文字コードを UTF-8 に変更できればベストなんですが、正攻法では対処できないようです。ちなみに Ext2 IFS の設定情報はレジストリの [HKLMSYSTEMCurrentControlSetServicesExt2fs] キーに書き込まれている模様。


Ext2 IFS for Windows:
http://www.fs-driver.org



アマゾン・ドット・コムの光と影

2008-07-23 00:20:03 | Books
amazon.co.jp の物流の仕組みを探るべく、著者自らが仕分け作業のアルバイト員として現場に潜り込み、内側からの視点でその実態を記したドキュメント。安さの秘密はやはり "完全に管理された安価な労働力" にあることを伺わせる内容であった。

ルポを読むかぎり、労働環境は常軌を逸するほど劣悪なものではないようだが、それでも法を犯さないギリギリのラインという印象は受ける。労働者は単なる労働力としか見なされず、そこには仕事に対するやりがいなど微塵も存在しない。ただひたすらノルマをこなす毎日が繰り返されるのみである。

彼らに対する思いとは裏腹に読み物としては非常に面白かった。ドキュメンタリーが好きな人にはお勧めできる一冊である。我々が安価で商品を手に入れることのできる背景にこういった世界があることは知っておいて損はないと思う。



ライブラリのアーカイブ化

2008-07-20 15:24:16 | Audio
再リッピングの手間を省くため、MP3 とは別に可逆圧縮の音声フォーマットで CD のデータをアーカイブしておこうかと思案中。今のところフォーマットの候補としては WavPack(*.wv) か Monkey's Audio(*.ape) を考えています。デコードすれば同じとはいえ、圧縮率やエンコード/デコード速度などそれぞれに利点があるんですよね。それにともない Cue シートについても調べているところ。専用のエディタはしっくりくるものがなかったので、テキストエディタ+自作スクリプトという形に落ち着きました。


WavPack:
http://www.wavpack.com

Monkey's Audio:
http://www.monkeysaudio.com

Cuesheet Commands:
http://qed.qproject.org/dl.php?file=cdrwin_cc.zip


Restless Heart / Greatest Hits (1998)

2008-07-02 06:42:43 | Music > Country
80年代はカントリー・ポップ・バンドの代表格として飛ぶ鳥を落とす勢いだった Restless Heart。90年代に入りヴォーカリストの Larry Stewart がソロ活動に専念するためバンドを脱退、バンドの存続が危ぶまれます。AOR バラード "When She Cries" のシングル・ヒットで一時的に持ちこたえたものの、その後は徐々にトーン・ダウン。結局ラジオ局に全く相手にされなかったという "Matters Of The Heart" を最後にバンドは解散してしまいます。本作はバンド亡き後にリリースされた彼らのベスト・アルバムです。80年代にウェイトを置いた選曲は好感が持てますし、全16曲というボリュームもちょうど良いです。ちなみに彼らはカントリー特有の楽器をほとんど使わず、AOR カントリーともいうべき都会的なアレンジが持ち味です。Larry 脱退後は EAGLES を彷彿させるウェストコースト系のサウンドも強く押し出されていました。

彼らとの出会いは Michael J. Fox 主演の映画「摩天楼はバラ色に」のサウンドトラックに収録されていた "Don't Ask The Reasons Why" というバラード。当時この曲の音楽性を期待して "Fast Movin' Train" というアルバムを買ったのですが、想像していた音とは少し異なりがっかりした記憶があります。やはりあのサウンドは完全に David Foster のものだったんですよね(笑)。まあ今となってはそれも懐かしい思い出のひとつです。

今回この記事を書くにあたりバンドについて少しばかり調べたのですが、2004年にオリジナル・ラインナップで再結成していたんですね。現在も元気に活動しているそうです。



The Desert Rose Band / same (1987)

2008-07-01 23:23:25 | Music > Country
The Byrds で "カントリー・ロック" というスタイルの礎を築いた一人 Chris Hillman、後に Hellecasters を結成するマルチ・インストゥルメンタリスト John Jorgenson、カントリー/ブルーグラス界の職人ミュージシャン Herb Pedersen、そんな個性豊かな三人が中心となり結成されたカントリー・ロック・バンドが The Desert Rose Band です。僕は The Byrds からの流れで聴きましたが、John Jorgenson というスーパー・ミュージシャンに出会えたのも幸運でしたね。

サウンドはまさにコンテンポラリー・カントリーのお手本。二十年を経た今聴いてみると、如何に現代のカントリーがロックに接近したのかがわかります。本作に凝縮されているのは正に今のカントリー・サウンドなんですから!