GOの解説部屋~素人の視点から政治を語ります~

政治とは国民の暮らしに密着したものであり、公の場で政治を語るのがタブー視されている現状を変えたい、その一心で投稿致します

新国立競技場建設の白紙撤回から見る安倍政権のチカラ

2015-07-17 23:35:29 | 既得権問題
国民の大多数がこうなって欲しいなぁと思っていた事に応えてくれる、それを出来るのが今の安倍政権です。
ここでは消費税増税の議論と絡めて、珍しく引用文は無しで僕の見解を述べさせて頂きます。

まず、今は遠い昔のように感じられる民主党政権下では、こんなちゃぶ台返しみたいな事は出来なかったはずです。こんな大プロジェクトには利権がたくさんくっついてますから、政権によっぽどの力が無いとできません。ここは僕の知識不足なところで、この問題にどのような利権が絡んでいるかを語る事は出来ません。しかし一つだけ言える事があります。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長である森喜朗氏をこんなに容易く説得できるのは安倍さんだからです。森喜朗という人は総理大臣時代もそれ以外の時期にも失言やユニークな発言が多く、あまり国民に人気がある人ではありません。しかし国外や国内の政界や各種団体に顔が効く、とても権力を持った人である事は間違いないでしょう。現在の自民党の幹部や将来有望とされてる人のほとんどは森さんの息がかかっていると言われるくらいです。
というわけで本件を白紙に戻すには森さんさえ説得できればどうにでもなったという事では無いかと僕は見ています。
利権というのは恐ろしいもので、間違って手を突っ込むと政権さえ倒してしまうようなものもあります。
今回は安倍さんと森さんの人間関係と安倍さんの力を森さんが認めているからこそ話が纏まったのでしょう。
そこで安倍政権の力を推し量るのに考えたいのが消費税増税議論です。
そもそもこれは民主党政権下で2014年4月に8%へ2015年10月に10%へ段階的に増税と決めた事から始まります。
民主・自民・公明の三党合意の下に作られた法案ですから自民党にも責任があった事は間違いありません。
第二次安倍政権は2012年12月に発足しますが8%への増税までは1年と少し。
増税の最終決断までは1年足らずというところでした。安倍総理・菅官房長官は間違いなく増税はしたく無かったはずです。しかしこれを白紙に戻すには政権にまだそこまでの力がなかった。自民党内の増税派と財務省を抑えられ無いと判断したわけです。
財務省とは税金を徴収する権限を持った行政機関ですから、増税即ち財務省の利権なんです。そして財務省が集めた税金から各省庁に予算として配られる。ということで、日本の中央省庁の中でも特別な力を持った行政機関なんです。そして間違いなく国民にとっては悪な行政機関です。国の景気なんて考えていない。増税によって自分達の権限を強化する事しか考えていません。
政権発足後すぐの安倍さんには財務省を敵に回して党内の増税派にそっぽ向かれたら政権運営はままならなかった。しかし的確な政策を実行し、国民に人気が出ない政策は引っ込める絶妙な政権運営のおかげで徐々に力を付けて10%への増税は回避に成功したという事なんです。
今となっては10%増税を規定路線で進めていたら、現在のような景気回復傾向は見られなかったはずですし、本来増税されるはずだった今年の10月にはどんな状況になっていたか恐ろしいものです。そうなっていたら間違いなく今のような税収増は見込めなかったでしょう。
税収は増税で増やすのではなく、景気を良くしてこそ増えるということが証明されています。ギリシャがなぜ今のような悲惨な状況になったかというのは、国民性もあるでしょうが、緊縮財政と増税で景気をより悪くしたからです。この5年程でGDPが4分の3になったとか。それをわかっているEU側が緊縮財政と増税を押し切れない。しかし怠惰な国民性はなんとかしたい。そこで綱引きをしてるんです。国民投票までして緊縮財政と増税を認めなかったギリシャ国民はあながちワガママなだけではないのです。
さぁ話を逸らしてしまったので元に戻します。
8%増税も間違いだった事が証明されたようなものですし、10%増税延期は安倍政権の英断でした。
ここでもう一つ話を横道に逸らしますが、昨年末の解散・総選挙はメディアや野党が大義無き解散と言って安倍政権批判を繰り広げました。景気条項が入っていたので解散しなくても増税延期は可能だと。しかし大義はあったんです。解散無しに増税延期をした場合はまたまた登場します自民党内の増税派と財務省にどんな攻撃を受けたか分かりません。民意を問う事によってこの仮想抵抗勢力を黙らせる事に成功して増税延期が出来たんです。今までに財務省をこんなにもすんなり打ち負かした政権があったでしょうか?僕は寡聞にして存じ上げません。
さて、10%増税は延期されただけで再来年の4月には景気条項は関係なく実行される事になっています。しかしこれすら延期もしくは回避するのではないかと僕は推測しています。

一方で取り下げた政策というのは憲法改正ですね。ここは内容には深く入らず簡単に述べさせて頂きます。これを取り下げるのはけしからんという方もたくさんいらっしゃるとは思いますが...。政権発足直後に96条改正から入ろうと探ったところ野党やメディアの反発から世論も反対に傾いている事から時期尚早という判断をして回避しました。これもある意味英断でしたね。ここで憲法改正のハードルの高さを実感したからこそ、憲法9条改正を当分の間は諦めて現在の安保法案の改正に繋がっているのでしょう。

以上のように安倍政権は国民の願いを叶えられる力がある政権だということを僕なりの解釈で解説させて頂きました。

本日はほとんど情報収集をせずにブログを書いたものですからどんな報道がされているかは存じ上げませんが、ここからは僕の予想を述べさせて頂きます。

安保法案の強行採決と新国立競技場建設の白紙撤回は安倍政権の飴とムチだと朝日・毎日・東京新聞あたりが書くのではないでしょうか。やりたい事を無理矢理通した後に世論におもねって人気取りをしたと。当たったら褒めて下さい。

最後に本日の投稿は引用を使わずに自分の考えばかりを述べましたので、不確定要素や推測が多々入っております。悪しからず。

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4 コメント

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名宰相の器 (松井 大祐)
2015-07-18 11:24:22
森さんはプーチンとも太いパイプあるから、日露関係が微妙な今、安倍さんも森さんとは円満な関係でいたいからなんとか説得したんだろうね。まさか白紙まで持っていくとはおもわんかったけどね。消費税増税は財務省のあやつり人形の野田総理と当時の自民党総裁の谷垣が決めちゃったんだもんね。10%の増税が廃案になったら共産党が何て言うか楽しみだわー。
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Re:名宰相の器 (gharada5000)
2015-07-18 18:56:50
そういえば野田も谷垣も財務大臣経験者やね。今では強い総理・総裁の下に名幹事長を演じてるけど。まぁまぁ悪い事やってるわ(笑)忘れてたけども。
共産党は消費税5%に戻せって政策だけは頑張ってくれていいけども、さすがの安倍さんもそこまでは踏み込めんやろうね。10%の延期や中止はありそうな雰囲気が出てきてる。
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更新お疲れ様です。 (笠谷洋佑)
2015-07-18 21:19:32
新国立競技場の白紙は一国民の意見として当然といえば当然ですね。
しかし、各方面へ説得できる力を持って英断した安部総理はさすがです。長く安部政権が続いてほしいものです。

あと労働者の立場としては、東京オリンピックに関わる公共事業などの予算がなるべく末端まで行き渡るような仕組みへ変えてもらえれば嬉しいですね!
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Re:更新お疲れ様です。 (gharada5000)
2015-07-18 23:09:43
確かに、末端に行き渡るなら2520億も国家予算なら大した額ではないですよね。しかし一部の利権になるのは間違いないので止めた事は英断です。
施工業者の入札も無かったらしいですから。
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