GOの解説部屋~素人の視点から政治を語ります~

政治とは国民の暮らしに密着したものであり、公の場で政治を語るのがタブー視されている現状を変えたい、その一心で投稿致します

軽減税率の導入に関して、僕が思う問題点

2015-10-15 22:32:43 | 政治
先日、安倍総理が2017年4月の消費増税に併せて軽減税率を導入する方向性の考えを表明しました。

以前の投稿でも触れましたが、僕は軽減税率の導入に対しては反対する立場です。

単純に支払う税金が少しでも減額されるならいいんじゃないか?なんて安易な考えはいけません。
その分は必ず他の手段で埋め合わせをされますから。

しかも導入されるとコスト(手間)がかかると言うから、「倍返し」とまではいかなくても余分に埋め合わせさせられる可能性まであります。

では、軽減税率を推進する立場の人たちの大義とは何でしょう?

昨年の増税で景気回復を腰折れさせてしまったので、次はそうならないように少しでも痛税感を和らげよう。特に低所得層に恩恵を受けてもらうように生活必需品(主に食料品)に限って税率を下げようというものだと僕は理解しております。

では、僕が思う問題点を挙げて解説を付けていきます。

低所得層のためにするはずが富裕層にも恩恵がある

この点に関してはむしろ富裕層の方が使う総額が多いので、軽減される税金の額も多くなるはずです。
ならば軽減税率ではなく何かしらの方法で還付する方法が妥当です。


事務負担というコストをかけてまで導入する必要があるのか?

消費税とは納税者が国に納めるのではなく、代金と一緒に業者に支払ってから業者がまとめて国に納めるものです
税率が一律ならば売り上げに対しての税金の額はすぐに出ますが、複数税率が存在するならばそうはいきません。
人の手で細かくチェックするか、自動的に計算してくれるシステムを導入するか。
どちらにしても業者にコストという名の負担をかける事になります。


欧米では昔から導入されてるので日本でも導入すべきという見当違いの主張

そもそもヨーロッパ各国の消費税はほとんどが20%くらいです。しかも軽減税率があるために基本税率が高くなっているというような見解もあるくらい。それは当たり前で、一部で税金が取れないなら他のどこかを高くするか満遍なく高くするかのどちらかになりますよね。
そういう意味ではこれを許すと日本もどんどん消費税率を上げていく事すら考えられます。


食料品全てに軽減税率を導入すると税収が1兆3000億ほど減るという試算

消費税の1%に対して上がる税収は2兆から2兆5000億と言われるので、2%増税してもその内の3分の1から4分の1は税収が減る事になります。
何のための増税やら?
では対象品目を絞ったらどうでしょう?これが一番最悪で線引きが難しい上に確実に利権の温床になります。ここでは詳しく論じませんが、いわゆる陳情合戦が起こるということです。陳情が起こるという事は政治家と役人の利権に繋がります。もしかしたらこれが推進する人たちの一番の狙いなのかもしれません。


詳しく挙げたり論じたりするとキリがないのどこの辺に止めておきます。


では反対するからには代替案を提示しておきます。

「低所得層には還付金を出す」

これが単純明快な答えです。
富裕層には恩恵が無い、利権には繋がらない、業者の事務負担は増えない、総額のコントロールがし易い。
どう考えてもこちらの方が妥当な方策です。
でもそうならないのは推進する人たちに表立って言えないような思惑があるとしか考えられません。

このブログを定期的に読んでくれてる方はもうお分かりの事と存じ上げますが、僕が一番嫌いなものは利権・既得権益です。

軽減税率はそこが一番の狙いに見えて仕方ないのです。

最後に、ここまで書いてちゃぶ台返しみたいな事を言いますが...
前回の増税で日本の景気は低迷してるので、そもそも10%への増税は当分の間やるべきでは無いと思います。


最後までお付き合い下さった方には感謝申し上げます。ありがとうございました。





安保法制は何故必要だったのか?

2015-10-05 22:41:36 | 政治
今回のタイトルについて、たくさんあるうちの一点だけ紹介します。

本日の産経新聞の櫻井よしこ氏のコラムより抜粋します。


日本の安全保障体制の特徴は、国際情勢の変化に応じて自衛隊に一定の任務を担わせなくてはならなくなっている現実と、それを認めようとせず硬直した姿勢を貫くのがあたかも正義であるかのような欺瞞が横行してきたことだ。与野党双方に当てはまる政治の無責任が戦後日本の国防体制に幾つもの空白や法制の不備を残した。それらを辛うじて補ってきたひとつの要素が自衛隊員の気概だった。

 1999年に能登半島沖で北朝鮮の工作船に対処した海上自衛隊の自己犠牲の精神がその1例である。イージス艦「みょうこう」の当時の航海長、伊藤祐靖氏が振り返った。

 「北朝鮮工作員が強力な武器を持っているのは間違いなく、乗り込めば銃撃戦になる。しかしわれわれには防弾チョッキもない。そこでせめてもの弾丸除けに船内の雑誌を腹に巻いて準備をしました」

 偶然相手のエンジンが始動して彼らが逃走したため、乗り込むには至らなかった。

 97年には鹿児島県下甑島に中国人密航者20人が不法上陸し逃走した。航空自衛隊員30人は一切の武器を携行せず自己責任で、野外訓練名目で出動した。中国人全員を拘束したが、彼らが武装していれば丸腰の自衛官が犠牲になった可能性もある。

 いずれの事例も日本人の命や国土を守るために、自衛官が危険を承知で身命を賭して展開した点だ。自衛隊の海外でのPKO活動も同様だ。

 国の内外を問わず、自衛隊員の犠牲を前提にした国防や安全保障は根本的に間違っている。



この文の前後には闇雲に反対する民主党に対して、政権を担っていた当時のエピソードなどを交えて批判しています。
しかしその部分は特に重要ではないので省きました。

自衛隊が上記のような矛盾の中で活動を強いられている現実はどれ程の日本国民が理解しているのでしょうか?

僕も少しは知っているつもりですが、詳しく論じるほどの知識は持ち合わせておりません。

今回の法改正によって自衛隊の活動範囲やオペレーションが増え、危険にさらされる場面も起こる可能性は高くなりました。

しかしながら、その事の裏には日本国民の安全を守る能力が高まった事は間違いありません。

上記引用文のような自衛隊員自身が無理をして危険にさらされる事態も改善されるはずです。

自衛隊が創設されて70年の間に誰も殺さず誰も殺されず済んでいる事は素晴らしいことではあります。

しかしながらその裏に拉致された国民やテロに遭遇し拘束されたり命を絶たれた国民がいる事は忘れてはいけません。

もう少し憲法が、法律が、時代に即したものになっていれば。
そんな災難に遭わずに済んだかもしれません。

これ以上突っ込んだ議論を僕のような者がするのはおこがましいのでこのあたりにしたいと思います。

今回の安保関連法案は決して「戦争法案」ではないという事のみなさんの理解のほんの少しの助けになればと思い、櫻井氏のコラムを取り上げさせて頂きました。

最後に自衛隊員の皆様の日頃の活動に敬意を表して、久しぶりの投稿を締めさせて頂きます。